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7月31日(木)

消費者物価指数、16年ぶりの記録更新か

EU共通基準により算出される消費者物価指数IPCAによると、 7月のそれは、5.3%となり、国家統計局が同基準による指数の統計を 取り始めた1997年以来の最高値を記録した。
このIPCAは、従来のスペイン国内で用いられている消費者物価指数IPCと 通常は大差が無く、これの目安となり得るもので、間もなく8月13日に 公式発表されるIPCの値が注目される。
IPCが、先のIPCAと同様、5.3%とされた場合、実に16年ぶりの 最悪の記録となる。
昨年度の同時期、7月の年間消費者物価指数は2.2%であった。
これら、急激なインフレは原油価格の高騰に起因するところが大きい。

BBVA、2009年の失業率14%を予測

現在の失業率は10.44%であるが、政府の予想によれば 2009年度にはこれが12.5%に達するとされる。
これに対し、スペイン国内2番目の大手銀行BBVAは、政府の予想を 上回り14%にまで達すると見ている。
また、政府が本年度の経済成長率が1.6%に止まると見る中、 BBVA銀行は1.5%、来年度の成長率を政府が1%と見る中、 BBVAは0.5%程度に止まると予測しており、経済危機に対する より大きな警鐘を発している。

夏のバカンス大移動、第4弾開始

交通局は本日、夏のバカンスに伴う大移動第4弾に向けて 特別取り締まり体制に入る。
今週末でバカンスを終えて帰路につく車、週末を利用した小旅行へ出る車、 今週末からバカンスを開始して旅行に出る車、そして、モロッコなどからの 出稼ぎ労働者がジブラルタル海峡を渡るためにイベリア半島内を南下する車 などを合わせると、交通局では、本日午後より日曜日の夜中までの間に およそ625万台の移動があると予測している。
そのため、本日15時から8月3日の夜中24時までの間、全国で 交通特別取り締まり体制に入る。


7月30日(水)

2億4千5百万の投資で41億4千万ユーロの節約を模索

「2011年には、100万台の電気カー、またはハイブリッドカーが走り、 町の出入り口付近では、時速80キロの速度制限を守り、バス専用路線には 20%をバイオ燃料で満たしたバスが走る。
多くの市民が 公共の自転車を利用して市内を移動するようになり、職場の空調設備は、 夏場は26度以下、冬場は20度以上に設定される事は無い。
旅客機はこれまで軍用のみに使われてきた空路を利用する事により、飛行距離と 飛行時間が短縮され、これまでよりも短時間で目的地へ到着するようになる。」

世界的な経済危機を前に、スペイン政府が描く2011年のスペイン像である。
31のプランを盛り込んだ「節約プラン2008−2011」は、8月1日に 閣僚会議にかけられ、可決される予定となっているが、これらプランを 実行するためには、およそ2億4千5百万ユーロの投資が見込まれており、 これにより、原油の輸入を大幅に減らす事が可能となり、結果、41億4千万ユーロの 節約になるとされる。

 同プランに組み込まれた31の対策の中に、従来の電球を全て省エネタイプの 電球に取り替えるプランが含まれるが、間もなく、各家庭へ届けられる 電気代請求書と共に、一枚のクーポンが配られる。
一世帯につき、一枚のクーポンが届けられるが、消費者はこれを持って電気ショップへ赴くと、 省エネタイプの電球一つと交換してもらえる。
政府は2010年にも2度目のクーポン配布を予定しており、およそ1億5百万ユーロのコストを 見込んでいるが、これにより、2010年には、4900万個の電球の交換が 完了している事となる。
スペイン国内の電球総数はおよそ3億5千万個とされるが、 国民の協力により、これらの全てが省エネタイプに変われば、 今回の「節約エネプラン2008−2011」の三分の一以上が達成された事と なる。

この電球交換プラン以外にも、政府は3ヶ月以内にいくつかのプランの 実行を予定しているが、その中には、町の出入り口付近の国道での速度制限を 20%落とす事、公共の建物内の空調の温度設定に制限を設ける事、公共交通機関の 運行時間帯の拡張、公共サービスの車両については、20%はバイオ燃料を 使用する事、などが含まれている。


7月29日(火)

イベリア航空、英国航空、完全合併か

「イベリア航空と、英国航空、両者合併の可能性についての会話が開始された」 との報告を受け、スペイン国内株式市場では、正確な情報の提出があるまでの間、 一時的にイベリア航空株の取引を停止した。
 発表によると、IB,BA双方のブランドはそれぞれに維持されるが、 持ち株の交換を行なう事により、同一グループを作ると言うもの。
同一グループとなったあと、同社の株はマドリッドとロンドンの市場にて 取引される事となる。
現在、BAは、IB株の13.15%を有しており、22.99%を持つ Caja Madridに次ぐ大株主となっている。
また、IBは、現時点でBA株の9.98%を有する。

トレモリーノスで、小爆発

今朝0時20分頃、マラガ県トレモリーノス市、カリウエラ地区の一角で 小規模な爆発があった。
遊歩道近くの砂浜で、小さな容器に仕掛けられた1キロ未満の爆薬が 爆発したらしく、砂浜に直径1メートル、深さ40センチの穴が残った。
同時刻、まだ多くの人出があったが、特に被害は無かった模様。
「夏のバカンス時期に、観光地をターゲットにテロを行なうETAによる 犯行の可能性が高いが、爆発物の内容などの確認が取れるまでは、 他者の犯行の可能性もあり得る」とルバルカバ内務大臣がコメント。

闘牛士ホセ・トマス、マドリッド・ガラパガル市の名誉市民に

近年の闘牛界において、異常とも言える人気を博す闘牛士、ホセ・トマス氏に 対し、彼とその家族が住むマドリッドのガラパガル市は、名誉市民賞を贈る事を 決定した。
ホセ・トマスは、1975年8月20日にマドリッドで生まれるが、 3歳の時にマドリッド市近郊のガラパガル市へ移り、それ以降ずっと 彼も、その家族もガラパガル市に住んでいる。
ホセ・トマスは、ガラパガル市の名を世界に広めた人物であるとして、 同氏に名誉市民賞を贈り、同時に同市にある闘牛場にホセ・トマスの名を 冠する事を決めた。


7月28日(月)

ベネズエラ大統領、スペイン国王会見により国交改善

昨年11月、サンティアゴ・デ・チレで開かれたイベロアメリカ・サミットにおいて スペインのドン・フアン・カルロス国王が、ベネズエラのチャベス大統領に対し、 「口を慎みたまえ!」 と発言して以来、両国の関係が疎遠になったままであったが、 去る金曜日に、マジョルカ島において、両者の会見が実現した。
約束の時間に1時間遅れて到着したチャベス大統領に対し、スペイン国王は笑顔でこれを 迎え、ジョークを交えながらの会見が持たれたが、国王から大統領へ向けて 送られたプレゼントが注目を浴びた。
それは、一枚のTシャツで、サミット中、国王が「口を慎みたまえ!」と発言している その瞬間を捉えた写真がプリントされたもの。
チャベス大統領はこのプレゼントを気に入った様子で、Tシャツと共に笑顔でテレビ局の 取材にも応じたが、国王がこのTシャツをどこから手に入れたかは不明。

ETAビスカヤ部隊、PP上院議員ラバネラ氏殺害を予定したいた事が発覚

先週逮捕された10名のETAメンバーのうち、7名について、国家裁判所の バルタサル・ガルソン判事は、その投獄を命じたと共に、現在逃走中の5名についての 指名手配令を下した。
今回逮捕されたアルカイツ・ゴイコエチェアをリーダーとするビスカヤ部隊は、 元アラバ県下院議員であり、現上院議員を務めるPP所属のラモン・ラバネラ氏に対し、 テロによる殺害を計画していた事が判明。
同時に、8月にはアンダルシアの観光地において連続テロを計画していた事、 また、ポルトガル国内に組織のベースを築くべく準備が開始されていた事などが明らかになった。

カルタヘナのローマ劇場、20世紀ぶりに復活

紀元1世紀に建築されたカルタヘナのローマ劇場は、1968年に発見されたものであるが その後、建築技師ラファエル・モネオ氏の指揮の元、12年にわたる改装、復旧工事が 行なわれてきた。 
今、2000年の時を経て、復活したローマ劇場と、ミュージアムが公開され、 早くも13000人の入場者数を数えた。
入場時間は10月から4月末までが平日(土曜を含む)の10時〜18時、 日曜日の10時〜14時、そして、5月から9月末まで(セマナ・サンタも含む)が、 平日(土曜を含む)の10時〜20時、日曜日の10時〜14時となっており、 月曜日が休館日。


7月25日(金)

25日は祝日のため、3連休となります。この間ニュースはお休みさせて頂きます


7月24日(木)

失業者数、2000年以来の最高値に

今年第2・四半期の3ヶ月間に、失業者数は207.400人増となり、 トータルで2.381.500名と言う2000年以来の最高値を記録した。
これは、失業率にすると10.44%となり、2004年以来の最高値となる。
最も解雇が多く見られたのが建築業界。

連休に向け、国民大移動開始

夏のバカンスによる国民大移動第2弾が、今週末から開始されるが、 明日、金曜日がサンティアゴの日で、ガリシア、マドリッド、ナバーラ、バスク、ラ・リオハでは 祝日となっているため、大移動は本日の午後から始まる。
交通局ではこの週末におよそ600万台の移動があるとして、本日15時より 特別取り締まり体制を布く構え。
最も混雑が予想されるのは、本日の午後、マドリッドからの出口、そして、日曜日には 7月上旬にバカンスをとった人々がバカンスを終えて帰宅するため、日曜日の午後も 全国的な混雑が予想される。

プエルタ・デル・ソル、通行止め解除

マドリッドの中心、プエルタ・デル・ソル広場へ入るマジョール通りと、広場から出る サン・ヘロニモ通りへの車両通行は2006年以来、工事によって不能となっていたが、 ようやく、この通行止めが解除され、広場を通り抜けられるようになった。
プエルタ・デル・ソル広場の地下には地下鉄の駅があるが、ここへ市内北部にある チャマルティン駅と南部にあるアトーチャ駅とをつなぐ国鉄近距離線の駅を ドッキングさせるべく、大掛かりな工事が行なわれてきた。
工事は当初の予定より大幅に遅れているが、工事開始後間もなく 発見された「遺跡」の調査と保護に時間を要した事が一因となっている。
予定では、工事が完了し、国鉄近距離線のソル駅が機能するのは来年中ごろになる見込み。


7月23日(水)

7県で猛暑警報

気象庁は、アフリカからの熱波の影響による猛暑警報を コルドバ、グラナダ、ハエン、シウダ・レアル、トレド、マドリッドの7県に対し 発令した。
 これらの地域では、最高気温が40度に達する見込みで、暑い時間帯の 外出を極力ひかえ、水分、糖分、塩分の摂取を促している。
また、住居の窓を閉め、熱気の進入を防ぐよう助言している。
この警報は、グラナダ、ハエンでは明日も続く見込み。

国際養子縁組、20%近く減少

2007年度にスペインで行なわれた国際養子縁組数は3681件で、2006年度の4472件に 比べると18.4%減となった。
これは、スペイン人側の受け入れが減った訳ではなく、中国、ロシアなど、多くの 子供を送り出していた国々が提示する諸条件が、より厳しくなった事によるとされる。
中国を例に挙げると、片親による養子縁組を禁止した事などが中国からの受け入れ数が 激減した原因となっており、2006年の1754件から、700件少ない1054件となった。
(2007年度の受け入れ側の15%は片親)

闘牛士ホセ・トマス復帰

6月15日、マドリッドのラス・ベンタス闘牛場において、牛の角による攻撃を3度受けて 負傷したホセ・トマス氏は、療養を続けていたが、本日、サンタンデールにおいていよいよ その復帰戦が行なわれる。
対する相手は、ビクトリアノ・デル・リオ牧場の牛で、去る6月5日にラス・ベンタス闘牛場で 4枚の耳を勝ち取った時と同じ牧場。
すでに入場券は違法ダフ屋の手によって、2000〜3000ユーロ辺りで取引されている。


7月22日(火)

ETA ビスカヤ部隊崩壊か

国家裁判所判事、バルタサル・ガルソン氏の直接監視の下で行なわれた オペレーションにより、ETAメンバーが少なくとも8名、逮捕された。
逮捕された者の中には、ETAビスカヤ部隊のリーダーとされるアルカイツ・ゴイコエチェアが 含まれる。
アルカイツは、本日早朝、ビルバオのイトゥルビデ通り68番地において 女性2名と共に逮捕された。
ビスカヤ部隊は、2006年12月30日にETAが停戦終結宣言を行なって依頼、 ETAの主力として活動を続けてきた部隊で、当局では今回の逮捕により、 事実上、この部隊が崩壊したと見ている。
  同時に逮捕された7名は、普段は通常の生活を送っているが、2006年以降、 アルカイツの元でテロ活動を行なっていたものと見られる。

116名の密入国者、カナリアスに上陸

昨夜、カナリアス諸島のゴメラ島、テネリフェ島にそれぞれ簡易ボート一艘が到着し、 計116名の密入国者が上陸、内、12名が未成年者と思われる。
 56名を乗せた簡易ボートが、ゴメラ島のラ・ラヒータ浜に到着したのは 昨夜21時30分ごろで、浜で救急班と治安警備隊がそのアテンドにあたった。
テネリフェ島のロス・クリスティアノス港には、60名を乗せたボートが到着したが、 こちらは、全員、健康状態良好の模様。


7月21日(月)

カンタブリアでETAの爆弾テロ

1979年以来、夏になるとテロ組織ETAによる観光地における爆弾テロが 見られるが、今年も例外とはならなかった。
 昨日の朝10時半、ビスカヤ県トラパガ市の消防署に、コンピュータによって 変質させた女性の声による電話があり、同日10時半から15時までの間に 4つの爆弾が爆発するとの通告があった。
これを受けて、治安警備隊が予告のあった地域から人々を避難させ、通行止めと したが、12時12分、ラレドの浜で一つ目の爆弾が爆発し、その半時間後、 ノハのリス浜で二つ目が爆発、14時7分にラレドで三つ目が爆発し、4つ目の爆発は 14時46分にノハのゴルフ場で確認された。
 昨日のカンタブリアは雲が厚く、小雨の降る所も多く、バカンスシーズンとは言え、 人影は少なかった事もあり、避難誘導作業はスムーズに運び、また、人々へ与える ショックも比較的小さくすんだ模様。

アフリカからの熱波到来

全国的に気温が上がりつつあるが、気象庁は明日から金曜日にかけて、更なる猛暑と なる事を警告している。
アフリカからやってきた熱波が全国を覆い、明日にはアンダルシア、エクストレマドゥーラ、 カスティージャ・ラ・マンチャ、マドリッドなどで40度以上、カスティージャ・イ・レオン、 ラ・リオハ、ナバーラ南部、アラゴン南部などで35度まで上がる事が予想されている。
また、明後日には、北部で更に気温が上がる見込み。

外人ツーリスト、2.6%増加

世界的な経済危機が続く中、今年の前半6ヶ月間にスペインを訪れた外国人観光客の数は 2660万人で、前年に比較すると2.6%の増加となった。
しかし、夏のバカンス目前の6月においては、570万人で、前年比0.7%減であった。
前半6ヶ月間において、最も外人観光客が多かったのが、カタルーニャで660万人(24%)、 次いでカナリアスの470万人(17.98%)、バレアレスの410万人(15.6%)、 そして、アンダルシア370万人(14.1%)、バレンシア260万人(10.1%)、 マドリッド230万人(8.7%)と続く。


7月18日(金)

AVEストライキ開始

バカンスに向けての大移動、第2弾の時期に合わせて、本日より、超特急AVEの ストライキが開始された。
 公共サービスであるため、ミニマムサービスは維持しているが 今朝、6時から10時までの間、行なわれたストにより、少なくとも、マドリッド6時発の セビージャ行きAVEの他、バルセロナ行きのAVEが4便、キャンセルとなり、およそ 700人の足に影響を与えた。
今日から始まったストは、今後、月、水、金曜の7時〜10時、15時〜18時、そして 火、木、土、日曜の7時半〜10時半、17時〜20時 の時間帯で7月31日まで 行なわれる予定。

ライアンエアー、バレンシアから一時撤退

アイルランドの航空会社ライアンエアーが、11月4日から12月19日にかけて 予定されていたバレンシア空港発のフライト504便を全面キャンセルする事を 発表した。
また、これに伴い、バレンシアにある同社支部を一時的に閉鎖する模様。

ベネズエラのチャベス大統領とスペイン国王、関係修復に向けて会見を調整

昨年11月、サンティアゴ・デ・チレで開かれたイベロアメリカ・サミットにおいて スペインのドン・フアン・カルロス国王が、ベネズエラのチャベス大統領に対し、 「口を慎みたまえ!」 と発言して以来、両国の関係が疎遠になったままであった。
こう言った状況を修復するため、チャベス大統領、ドン・フアン・カルロス国王、 そしてサパテロ首相等3名による会見の日時が検討されて来たが、今週末、国王は 例年のごとくマジョルカ島で夏のバカンスを過ごすため出発する予定で、 チャベス大統領のヨーロッパ訪問時期とが重なるため、同会見は間もなく マジョルカ島において実現する可能性が強りつつある。


7月17日(木)

交通事故件数減少により、移植用臓器のドナー減少

運転免許証の減点制度などの導入により、スペインでは交通事故件数が減ると言う ポジティブな傾向が見られる中、同時に、臓器移植のためのドナーが減ると言う 現象が見られる。
スペインは世界でも最も臓器ドナーの多い国とされ、昨年度には1550件のドネーションが あった。
 それにも関わらず、この国には、現在、約5000人の患者が臓器移植手術を 受けるため待機しており、待機中の死亡率は6%から8%となっている。
現在、ドナーの平均年齢は53.4歳となっており、2000年度よりも7歳アップ、 また、92年度の平均年齢と比べると実に18歳のアップとなっている。
これは、老年層のドナーが増える一方で、若年層のドナーが減少している事を表すが、 その一因となっているのが、交通事故件数の減少と見られる。
92年には、寄付された臓器の内、43%は交通事故に由来するものであったが、 2008年には、現在のところ、10.1%程度となっている。
このため、若年層の患者にとっては、身体に合う臓器提供者が現れるまでの期間が 以前にも増して伸びつつある。

モンジュイックのロープウェー、レストランに

バルセロナのモセン・シント・ベルダゲルとモンジュイックの丘とをつなぐロープウェーが この夏、「空のレストラン」となる。
このロープウェーは、バルセロナ市が運営する公共交通機関の一つであるが、これを ラ・カセタ・デル・ミグディア社、ラ・レビスタ・タイム・アウト・バルセロナ社、モリツ社などの 企業にレンタルする形で、内部での夕食サービスを開始する。
同サービスは毎週、火曜日に行なわれるもので、来週の火曜日から9月23日まで続く。
夕食タイム開始は夜の9時で、毎週、100名の予約が受け付けられる。
一機のロープウェーに6名まで乗れるが、2名だけの貸切も可能で、人数によって、 一人当たりの費用は40ユーロから80ユーロとのこと。
食事は、モセン・シントとモンジュイックの間を2往復する間に取る事となり、 所要時間は1時間強。

スパンエアー、15機と9ルート運行を廃止

スペイン国内第2の航空会社スパンエアーは、今年3月の時点で4100万ユーロの赤字を かかえている。
更に、原油価格高騰に起因する運営危機、国鉄RENFEが運行する新幹線AVE路線 の拡張による競争などによって、今年の利用者数は3%の減、2009年には更に9%の 減少を予想している。
そう言った状況下、早急、且つ、思い切った運営改革が必要であるとし、 同社が有する機材の中で、最も古く、燃費の悪いもの15機の運行を停止し、 更に、これまで維持してきたルートの内、9ルートを廃止する意向を示した。
 これに伴い、約1100名の解雇が生じる事が予想される。
スパンエアーの現在のオーナーはSAS(スカンジナビア航空)であるが、 その一番の拠点はマジョルカにあり1200名の社員をかかえている。
そして今回の措置のより その内の250名程度が解雇される模様。
マジョルカに続いて多くの社員を抱えているのがマドリッドの1000名、バルセロナの500名、 カナリアスの400名、ビルバオの100名、マラガの100名となっており、いずれも 大掛かりな解雇の対象となる見込み。
また、スパンエアーの地上勤務請負会社などもその影響を受け、ここでも、少なくとも70名程度の 解雇が予想される。


7月16日(水)

イバレチェ氏、「バスクの自治権を停止した」としてサパテロ首相を非難

バスク州知事であるフアン・ホセ・イバレチェ氏は、バスク州政府が公布した 「国民意識調査に関する新条例」について、違憲であるとして憲法裁判所に 訴える事によりその効力を停止させた中央政府に対し、「バスクの自治権を 停止するものである」として、中央政府、そしてホセ・ロドリゲス・サパテロ首相を 非難した。
また、新条例公布に伴って発表された「バスク国民意識調査」の実施について、 予定どおり準備を進める事を中央政府へ告げたが、仮に、憲法裁判所の判決により、 違憲であるとされた場合、これを犯してまでも同調査実施に踏み切るのかどうか、 或いは、他の手段に訴えるのかなどについてのコメントは避けた。

海路、子を失った母親達にスペイン滞在を許可

去る7月10日、アルメリアの港で保護された密入国船の乗員48名の内、 15名が死亡し、その中には9名の赤子が含まれていたと言う惨事があった。(7月10日記事参照)
絶命した赤子等を海へ投げ捨てながら、漂流を続け、33名が生き残ったが 生存者の内、漂流中に子供の遺体を海へ投げ捨てなければならなかった母親達に対し、 スペイン政府は、スペインでの滞在許可証の発行を行なう旨を発表。
「法を犯した形でスペイン国内への侵入をもくろんだ密入国者である事には変わりなく、 本来ならば、それ相応の処罰が与えられるべきであるが、これら母親達が生きた境遇の 悲惨さは異常とも言えるもので、人道的な面から「例外」として、今回の対応を行なうもの である」とルバルカバ内務大臣は述べた。
 これに対し、政府の中でも賛否両論が飛び交っており、労働省大臣の セレスティーノ・コルバチョ氏は「法を犯して進入してくる者はどのような場合でも、その 滞在が認められてはならない」と主張。

サンティアゴ大聖堂内にレパント海戦・旗艦の旗を展示

1571年に行なわれたレパントの海戦で、ドン・フアン・デ・アウストゥリア率いる キリスト教徒軍がイスラム軍を駆逐し、地中海世界における力のバランスが大きく 変わったが、この時の司令官、ドン・フアン・デ・アウストゥリアが乗っていた旗艦の マストに掲げられていた旗が、サンティアゴ大聖堂の中央回廊上方につるされる形で 展示された。
この旗は本来、色鮮やかなタピストリーであるが、オリジナルの色彩は ほとんど失われており、間もなく修復作業が始まる予定。
レパント海戦終了後、ドン・フアン・デ・アウストゥリア自ら、 国土回復運動の守護聖人でもあった使徒サンティアゴへのお礼として寄贈したもので、 普段は、大聖堂美術館に巻いた形で展示されているが、今回、初めて 完全に広げた形で一般向けに公開された。


7月15日(火)

バスク政府、「イバレチェ氏の二つの問い」を国民意識調査にかける事を正式発表

バスク自治政府は、去る6月27日の議会で可決された「国民意識調査に関する新条例」を 本日、正式に発表、施行した。
これを元に、フアン・ホセ・イバレチェ氏は10月25日に、「イバレチェの二つの問い」と 称される質問について、バスク国民の意思を問う構え。
二つの質問とは、一つ目が「もしもETAが永久に暴力を放棄する意思を確実に示すならば、 あなたは、会話による暴力の終結へのプロセスを支援しますか?」、そして二つ目が 「バスクの諸政党の全てが、バスク民族の事は自分達で決める権利の行使について 民主的同意に達するよう交渉を開始すること、そして、同意が得られた場合、それについて 2010年末までに、バスク国民投票にかける事についてあなたは同意しますか?」 と言うもので、いずれの質問にも、45秒以内に答えることとされている。
 バスク自治政府の発表を受けて、中央政府は、ただちに同条例は違憲であるとして、 憲法裁判所に告訴した。
これにより、当面、向こう5ヶ月間は、同条例の効力は全て停止される事と なる。
これに対し、イバレチェ知事は、「スペイン民主主義のレベルの低さの表れである」と非難し、 同件を国内だけではなく、国際社会へ広げる事をも検討中の模様。

サン・フェルミン祭 終了

9日間にわたって行なわれたパンプロナの牛追い祭り、サン・フェルミン祭が 昨夜、その幕を閉じた。
市役所前広場に集まる多数の市民を前に、市役所のバルコニーからジョランダ・バルシナ市長が その終了を告げ、広場では恒例の歌「ポブレ・デ・ミ」の大合唱が行なわれた。
今回のサン・フェルミン祭で、牛の角による負傷を受けた者の数は4名のみで、 事故の少ない年として記録される事となる。

ヒラメの養殖、2008年には25%の伸び

昨年に出荷された養殖ヒラメは6080トンで、およそ5850万ユーロの出荷額であったが、 海産物製造業協会Apromarによると、今年、2008年度には7500トンまで 伸び、前年度と比べて約25%増となる事が予想されている。
同種の養殖はその94%が、ガリシアからカンタブリアにかけて行なわれている。


7月14日(月)

ブロードバンド接続、表記速度の80%以上をクリアしないものは販売禁止

スペインでは民間のインターネット接続において、最も多く使われているのが ADSLによるものであるが、そのデータ通信速度が広告上では20Mb であるのに、実際には5Mb程度しか得られないなど、過大表記され、 実際にはその数分の1程度しか速度が出ない事が日常茶飯事となっている。
これに対し、政府は、表記された速度の少なくとも80%をクリアしたもので なければ、販売を禁止する意向を示した。

レオンのパラドール、設備の近代化

スペイン国内93箇所にあるパラドール網の中でも、代表格の一つにある レオンのパラドール、サン・マルコスでは、間もなく、向こう3年間にわたる改装工事が開始される。
同じくレオン県にあるビジャフランカ・デル・ビエルソのパラドールも同様に改装工事が行なわれ、共に 2011年には工事を終える予定であるが、2010年が聖ヤコブの聖年にあたるため、 ヤコブ巡礼路にあるパラドールは、この年に改装時期が重なる事となる。
そのため、工事の進行状況に応じて、部分的なオープンを行なうなどの対処が 予想される。

[.es] アドレス、100万を突破

スペインで新規に登録されたインターネットのアドレスは、昨年になって初めて 「.es」が「.com」を抜いた。
昨年度の登録数を比較すると、「.com」アドレスが797.000個であったのに対し、 「.es」は805.327個であった。 これに次いで多かったのが「.net」アドレスで 128.000個。
スペイン国内のサイトである事を示す「.es」アドレスは、現在1.000.300に達し、 100万件の壁を突破した。


7月11日(金)

インフレ、更に進み過去13年間で最高値に

物価上昇は止まる所を知らず、国家統計局発表によると、 6月には前月より更に0.4%進み、過去13年間における 最高値である5%に達した。
これについて、第2副首相であり、財務省大臣であるペドロ・ソルベス氏は、 「原油価格高騰とそれに伴って起きた運送業者ストなどの影響が大きく出た 結果であるが、インフレ率5%と言うのは好ましい状況では無い」と、 事態の重要性を認めた。
 先月、スペイン全国規模で行なわれた運送業者スト、漁船ストなどの 影響により、6月には魚の値段が4%、ポテトの値段が6%の高騰を見せている。

トレドの剣、AVE説得に成功

トレドでは伝統産業として今も剣の製造が盛んであるが、これを購入した ツーリストが、新幹線AVEを利用してマドリッドへ移動する際、 スペイン国鉄RENFEが適用するセキュリティー規制により、これの 持ち込みを拒否されると言う状況が去る7月4日より続いていた。
7月4日より、始まった同規制により、せっかく購入した記念品や土産物を 持ち帰れる事が出来ないと、ツーリストをはじめ、各方面から苦情が 続出していたが、新規制施行後、1週間もたたずして、国鉄RENFEは トレドの剣やナイフについては、適切な包装がなされている物に限り、 「文化的例外」として、持ち込みを認める事を発表した。

アルカラ通りの一部を歩行者道路に

首都マドリッドの中心にあるプエルタ・デル・ソル広場から伸びる マドリッドの主要道路の一つ、アルカラ通りが、一部、歩行者専用道路に変わる。
マドリッド市長、アルベルト・ルイス・ガジャルドン氏によると、 プエルタ・デル・ソル広場から、地下鉄セビージャ駅がある辺りまでが車両通行止め となる模様。
これにより、すでに遊歩道化されているオペラーソル間と合わせて、オペラから セビージャまでの広範囲が歩行者専用スペースとなる。


7月10日(木)

密入国者を乗せた簡易船、アルメリアに漂着。15名死亡。

アルメリアのサビナル岬沖33マイルの水域で治安警備隊の海上パトロール艇によって 発見された簡易船には、34名が乗り込んでおり、内、13名が女性、1名が赤子であった。
また、13名の女性の中には3名の妊婦が含まれていた。
海上パトロール艇により救出され、昨夜23時55分にアルメリアの港に保護された時には すでに女性1名が死亡しており、救助されたのは33名となった。
が、実際には更に14名が乗り込んでいたが5日間にわたる漂流の途中で死亡し、 彼等の遺体は海へ投げ込まれた模様。
その中には1歳から4歳までの子供が9名いたと言う。

サン・フェルミン祭、4日目の牛追い、7名が病院入り

パンプロナで行なわれている牛追い祭り、サン・フェルミン祭で、今朝、4回目の 牛追いが行なわれたが、この中で7名が負傷し、病院へ運ばれた。
バジャドリ出身、28歳のI.F.R氏が顔面右側を牛の角に刺され負傷し、 緊急手術を受け、現在、容態を監視中。
米国から来た31歳のD.J.氏は頭部打撲により意識を失ったが病院で意識が回復し、 要検査。 
パンプロナ出身、62歳のJ.C.H.N氏も頭部打撲により要監視。
バレンシア出身の39歳、Y.J.N.I氏は複数の外傷を負って入院。
パンプロナ出身の33歳、A.D.L氏、そして同じくパンプロナ出身48歳のC.D.B氏も 頭部打撲で運ばれ、更に一名、パンプロナ出身のP.A.L氏も同病院に運ばれた模様。

スペイン、盗まれた祭壇画を回収出来ず

1913年にログローニョのサンタ・クルス・デ・ナヘラ教会から盗まれた アンブロシウス・ベンソン作の祭壇画をなんとか取り戻したいと努力してきた スペイン政府であるが、現在、同作品を所持するフランス人コレクターとの 交渉が成立せず、昨日、サザビーズ社による競売にかけられた。
競売では、その値段が140万ユーロまでつり上がり、スペイン政府は これの回収を断念するに至った。


7月9日(水)

失業率増加により、農業における移民労働力の必要性低下

経済危機が続く中、その影響は農業における移民の雇用にも大きく影響を 及ぼしつつある。
先日、ハエンで行なわれた移民フォーラムでは、今年の秋に行なわれる オリーブの収穫作業において、必要とされる移民の労働力は例年の僅か 10%程度となる事が予測されているとの通達がなされた。
例年、ハエン県だけで、オリーブ収穫期には、約7000人の移民労働者が 一時雇用されるが、農業以外のセクションで、すでに労働許可証を持って 滞在している移民の失業が増え続ける中、季節的なものであれ、彼等が これら収穫期の雇用に頼ることが予想される。
そのため、更なる外部からの移民労働力の 受け入れはほとんどあり得ないとの見方が強まっている。

バルセロナ、AVEのトンネル工事開始

サンツからラ・サグレラまでを結ぶAVE用トンネルの工事が、いよいよ 今月中に開始される。
トンネルがサグラダ・ファミリアの傍を通過するため、これが及ぼしうる悪影響を 理由に、トンネル反対運動が繰り広げられてきたが、政府は今月中に工事を開始し、 2009年には開通させる予定。
工事はラ・サグレラ側から開始される模様。


7月8日(火)

新たに14の洞窟が世界遺産に指定

スペイン北部にあるアルタミラの洞窟は、その内部に保存される古代壁画の素晴らしさから 1985年以来、ユネスコより世界人類遺産の指定を受けているが、現在、カナダのケベックで 行なわれている第32回ユネスコ会議で、新たにスペインの14箇所の洞窟が同指定を受ける事と なった。
今回、世界人類遺産指定を受けたのはカンタブリアにあるチュフィン洞窟、オルノス・デ・ラ・ ペニャ洞窟、エル・カスティージョ洞窟、ラ・パスィエガ洞窟、ラス・モネダス洞窟、 エル・ペンド洞窟、ラ・ガルマ洞窟、コバラナス洞窟、バスク地方にあるサンティマミニェ洞窟、 エカイン洞窟、そしてアストゥリアスにあるティト・ブスティージョ洞窟、 ラ・ペニャ・デ・カンダモ洞窟、ジャニン洞窟、エル・ビンダル洞窟である。
今回の指定は、それぞれ独立した形での指定ではなく、アルタミラ洞窟の指定を、 カンタブリア山系に点在するこれらの洞窟へ拡張指定したもの。

教会による結婚離れ進む

スペインでは、カトリック教会において宗教的な結婚式を行なう者と、宗教的に何ら 効力も制限も及ばない”法的な結婚式”を行なう者とに分れるが、年々、後者を選ぶ者の 数が増えつつある。
2000年にスペインで登録された結婚は216.451件であるが、その中で 法的な結婚は24%であったのに対し、昨年では203.697件のうち、93.680件と 全体の46%を占めるに至った。
この現象が、2005年7月以降、同性愛者の結婚が許可された事に負う点が多いのでは ないかと考えられがちであるが、昨年を例に挙げると、この種の結婚は3.250件と なっており、全体の1.6%を占めるにすぎない。
 地域別に見ると、この法的結婚が最も多いのがメリージャであるが、これについては、 イスラム教徒による結婚が多いため、他地方との比較は避けるとして、次いで多いのが バルセロナとジロナの67%、タラゴナの61.7%、次いでバレアレス(61%)、 グアダラハラ(60.1%)、ラス・パルマス(57.5%)、サンタ・クルス・デ・テネリフェ (57.1%)、ジェイダ(55.5%)、マドリッド(53.1%)、ビスカヤ(52%)、 アラバ(51.3%)、カステジョンとバレンシア(50.4%)となっている。
 逆に、伝統的な教会による結婚が多いのは、ハエンの80%を筆頭に、コルドバ(74.7%)、 シウダ・レアル(74%)、クエンカ(73.5%)、バダホス(72.5%)。

マドリッド、夏のバカンスシーズン中、警備体制強化

夏のバカンスシーズンに合わせて、首都マドリッドでは、警察官、治安警備隊員を 1173名増員して、その警備体制が強化される。
夏休みを利用してこの町を訪れるツーリストや住民に、より大きな安全を保障するため、 6月30日から9月15日まで同体制が維持されるが、特に、多くのツーリストが 訪れる市内中心部、サラマンカ地区、レティロ公園近辺、モンクロアなど、また、 マドリッド市だけではなく、アルカラ・デ・ヘナレス、アランフエスなどもその対象と される。


7月7日(月)

第1・四半期における預金額、50%ダウン

今年に入って、最初の3ヶ月間で、一般家庭や企業が金融機関に持つ 預金口座における預金額は9.4%増となり、およそ1兆470億ユーロの増加と なった。
しかしながら、昨年の同時期には、18.57%の増加となっており、 これと比較すると、50%以上のダウンとなっているのが判る。

夏のバカンスによる国民大移動開始

7月からバカンスに突入するスペイン人が多い中、 交通局では今期バカンス第一回目の大移動の時期として7月4日、金曜日の 15時から7月6日、日曜日が終わる昨夜0時までの間、交通特別取り締まり体制を 布いていた。
この間に約430万台の車が移動したと見られており、記録された死亡交通事故件数は 13件、死亡者数は16名。
昨年同時期と比較すると、死亡者数は9名減と なった。
バカンスによる大移動第2弾は、7月18日の金曜日開始となる。

サン・フェルミン祭開始

スペイン三大祭の一つにも数えられる、パンプロナの牛追い祭り、サン・フェルミン祭の 開催宣言が、昨日、パンプロナ市役所前広場にて行なわれ、今朝、第一回目のエンシエロ(牛追い)が 怪我人を出す事も無く、無事、終了。
これから1週間、毎朝、エンシエロが行なわれ、パンプロナの町中がお祭り会場と化す。

ラファ・ナダル、ウィンブルドン制覇

昨日、行なわれたウィンブルドンの決勝戦はスペイン人のラファ・ナダル選手と スイス人のロジャー・フェデラーとの間で競われたが、途中、雨によって 2度の中断を挟みながら、およそ5時間半にわたって行なわれた。
前半は第1、第2セットを勝ち取ったラファの楽勝のように見られたが 第3、第4セットを共にタイ・ブレークの末、ロジャーがものにし、 試合は最終セットまでもつれ込んだ。
最終セットも接戦の末、7−9 でラファの勝利となったが、 ウィンブルドンでスペイン人選手が優勝をしたのは、マヌエル・サンタナ選手以来で 実に42年ぶりである。
また、同じ年にフランスのローラン・ギャロス杯と、イギリスのウィンブルドン杯の 二つを制覇した選手は過去にロッド・レーバー、ビョルン・ボルグの二人しかおらず、 ラファが3人目となった。


7月4日(金)

PSOE党大会議題に安楽死を含める

本日から明日にかけての二日間、PSOEの第37回党大会が行なわれるが、 唯一の党首候補であるホセ・ルイス・サパテロ氏は、同大会において スペイン国民の安楽死を選ぶ権利についての議題を持ち出す模様。
用意されたテキストには、安楽死の権利は、各自治州政府や各医療施設、各医師によって 左右されるものであってはならず、スペインの全国民が持つべきものであるとされている。
安楽死の問題は、以前よりサパテロ氏が議題にしようとしていたものではなく、今回の 党大会において、突如持ち出された感が強い。

コスタ・デル・ソルに新たな海水淡水化プラント

現在、マラガ県では、マルベージャに設置された海水淡水化プラントが稼動しているが、 2010年からの稼動を目指して、新たなプラントの開設工事が本年末より開始される。
設置されるのはミハスとフエンヒロラとの間あたりで、総費用は7100万ユーロとされる。
これが完成すると、コスタ・デル・ソル西部に住む50万人の住民が1年に必要とする 飲料水のおよそ50%をカバーする事が可能となる見込み。

マドリッド初の高層ビル、エディフィシオ・エスパーニャ、全面改装開始

マドリッドのスペイン広場の前にあるマドリッド初の高層ビルとして知られる エディフィシオ・エスパーニャは、その建築を1947年にバスク出身の二人の建築家の手に 委ねられ、その4年後、27階建て、高さ117メートルのこの建物は、ヨーロッパで最も高い ビルとして生まれた。
半世紀の間、さまざまな商店、オフィス、ホテルなどが置かれてきたこのマドリッドの シンボル的な建物が、来週より2010年の完了を目指して全面改装工事に入る。
工事完了後は、地上階には商店が入り、2階から6階と屋上階はホテルのスペースとなり、 7階から26階には319件の賃貸用マンションが置かれる予定。


7月3日(木)

社会労働党、次期地方選より移民の投票権容認を発案

ラジオ局 Cadena Ser の報道によると社会労働党は今週末の国会で、2011年に行なわれる 地方選での移民による投票容認についての提案を行なう予定とのこと。
移民の投票権を認めるにあたって、同時にそれら移民の母国においてもスペイン国籍移民が 投票権を得られるよう、両国間での確認と合意が必要であるとしており、国家間の同意が あれば、特に憲法改正の必要は無いとしている。
仮に2011年の地方選で、移民による投票が認められた場合、スペインに一定の期間以上 定住している130万人以上の移民(モロッコ人40万人、エクアドル人23万人、 コロンビア人15.5万人、ペルー人7万5千人、その他45万人)が投票権を持つ事となり、 特に、マドリッド、バルセロナなどの大都市におけるその影響は大きなものとなり得る。

バルセロナ・プラッツ空港、警察機構のストにより混乱

昨日、複数の警察関連シンジケートが合同で行なった「極端な任務遂行」によるストにより、 バルセロナのプラッツ空港では、長蛇の列ができ、混乱をきたした。
労働条件、治安の改善などを求めて、国家警察や治安警備隊などが合同で行なっている デモ行為であるが、昨日から今日にかけて、二日間、バルセロナの空港で行なわれている。
これにより、特に大きな影響を受けているのが国際線利用者が通るパスポートコントロールの エリアで、極度に厳しい検査を行なうため、フライト搭乗時間に間に合わない者が続出している。

消費者信頼指数、最低値を記録

インフレ、失業、消費低下などが悪化する中、消費者の現状社会に対する信用度を示す 消費者信頼指数は、6月には5月に比べて4.7ポイント減となり、51.7ポイントと 過去最低記録を更新した。
同指数は昨年6月には92.7ポイント、昨年12月には72.3ポイント、そして 今年3月には73ポイントと、やや安定し始めたかのように見られたが、その後も 落ち続け、今月の過去最低記録に至った。
この変化は、スペイン国民の経済状況に対する不安を如実に表すものと見られる。


7月2日(水)

6月失業率、12年ぶりに上昇

例年、6月は夏のバカンスを前にして、雇用が増加し、同時に失業者数が減少するもの であるが、今年の6月は実に12年ぶりに失業者数が36.849名増加し、総失業者数は 2.390.424名となった。
5月から比べると1.5%の増加となる。
また、昨年度6月と比較すると、失業者数は424.555名、実に21.6%増となる。

7月半ば、スペイン国鉄スト

夏のバカンス突入による第一回目の国民大移動が、6月末から7月頭にかけて行なわれ、 第2回目の大移動が7月半ばに見られるが、これに合わせて国鉄の労働組合がストを 発表。
予定では7月12日の12時より13日の12時まで、そして14日の12時から 15日の12時までとなっている。

バルセロナ、プラッツ空港における国家警察スト

全国各地で、国家警察や治安警備隊などの組合による、「業務の異常徹底デモ」によるストが 行なわれているが、バルセロナのプラッツ空港の出発、到着コントロールを行なう警察官が 今日、明日とこれに合流する旨を通告した。
夏のバカンスが始まり、空港利用者の増加が見込まれる中、過度なコントロールによる 混雑が予想される。

サッカー、スペイン代表チームの新監督にデル・ボスケ氏

ユーロカップで優勝を果たし、スペインをヨーロッパチャンピオンにまで押し上げた ルイス・アラゴネス監督であるが、ユーロカップ終了後、解任となる噂はすでに流れていた。
同氏の続投を求める声が多い中、スペインサッカー連盟は、来週中にも、新監督として ビセンテ・デル・ボスケ氏の着任手続きを終える構え。
デル・ボスケ氏着任後、最初にベンチ入りするのは8月20日に行なわれるデンマークとの 親善試合となる見込み。


7月1日(火)

ヨーロッパチャンピオンの優勝カップを手に代表チーム帰国

一昨日、ドイツを下してヨーロッパチャンピオンとなったスペインのサッカー代表チームは 勝利の祝宴を終えたのが昨日の朝10時で、同日午後、勝利による高揚に睡眠不足と疲労とを 携えて帰国の途についた。
夕刻20時前にマドリッドのバラハス国際空港へ到着したが、飛行中、仮眠をとろうとした 選手達を待ち構えていたのは、乗組員による歓迎で、スペインの国歌やチャンピオンを称える 歌などが流れたあと、客室乗務員が揃って「マカレナ」を踊り始め、休める状況ではなかった。
マドリッドに到着すると、まず、空港で彼等を待ち構えていたのは報道陣で、飛行機の扉が 開くと同時に撮影が始まり、幾つものカメラが捕らえる中、ルイス・アラゴネス監督と キャプテンのイケル・カシージャスが優勝カップを手に姿を現した。
その後、残る22名の選手達が順々にタラップを下り、疲れた表情を隠せないまま、 優勝祝賀会場へ移動するためのバス(屋根に上れるバス)に乗り込んだが、そこで 冷たいビールが配られ、選手達はこれを飲み干して目を覚まし、そのまま会場へと 向かった。
昨夜のメイン会場となったのは、首都マドリッドのコロン広場であるが、ここでは 夥しい数の国民がチャンピオンズの到着を待ち構えており、彼等の到着と共に、 44年ぶりの優勝を分かち合う大祝賀会が始まった。
集まった人々の中には、代表チームのユニフォームを着ている者も多く、また 赤と黄色のスペイン国旗を持つものも多く、上空から見下ろすと広場は赤く染まり コロン広場が「赤い広場」と化した。
 ここに集まった人数は、各報道メディアにより異なった人数が報告されているが 数万人とも十数万人とも伝えられている。

アントニオ・ロペスの作品「トーレス・ブランカスからのマドリッドの風景」落札

昨日、ロンドンで行なわれたオークションで、スペイン人の写実画家アントニオ・ロペス氏の 作品「トーレス・ブランカスからのマドリッドの風景」が180万ユーロで落札。
これは、スペイン人の現代アーティストとしては、最高額を更新するもので、一気に ランキング1に躍り出た。
これまで、トップにあったのは、ミゲル・バルセロ氏で彼の作品「ビブリオテカ・コン・ポエ」 が2年前に124万4千ユーロで売られていた。

テレマドリッド、二度目のスト

テレマドリッド放送局・労働組合は、先週金曜日に行なったストに引き続き、 本日12時から明日の12時までの24時間にわたる再度のストを予定している。
すでに組合員の30〜40%が夏のバカンスに入っているため、直接ストに参加する 人数は、前回に比べて少なくなるが、これにより、24時間、同テレビ局のチャンネルは 一切の情報発信を停止し、黒い画面のみが表示される事となる。
同時に、同放送局が発信しているラジオ放送、オンダ・マドリッドについても 24時間、放送停止となる模様。



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