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スペインのニュース

現地のメディアよりスペインのニュースを毎日更新でお伝えします
土日、祝日はお休みです。


2018年12月31日(月)

スペイン人の74%が前倒し選挙を要求

ペドロ・サンチェス首相による、カタルーニャ独立派政党の票を頼りにした日和見主義的な姿勢に対して国民の反感が高まりつつあり、エル・ムンド紙調査によると、スペイン人の74%が任期終了前の総選挙を望んでいる。
また、前倒し選挙の必要性を唱えるのは野党に投票した国民だけでなく、サンチェス首相が属する与党PSOEの支持者にまで及んでいるとのこと。
統計によると、国民の54.8%が、来年度予算が可決されなかった場合は即刻3月に選挙を行なうべきであると考えており、PSOEを支援する国民についても、その数値は47.3%に達している。
また、3月ではなく、地方選やユーロ選などが予定されている5月に合わせる形での前倒し総選挙を行なうべきであると考える国民が19.1%で、同様にPSOEシンパの中でもこの数値は18.2%に達している。
これらの調査結果をまとめると、ペドロ・サンチェス首相への信頼度は急降下を続けており、国民全体の73.9%が、そしてPSOE支援者の中でもその65.5%が前倒し選挙を求めていることとなる。

アンダルシアへの違法入国者数、昨年の3倍に

2018年に海を渡りアンダルシアの海岸にたどり着いた違法入国者の数は、昨年度トータルの3倍に当たる56.480人に達した。
地中海を通じてヨーロッパへ入るための進入路の内、イタリア、ギリシアなどがその門戸を閉ざしたことにより、スペイン上陸を目指す違法移民が急増する事は予測されていたが、先週金曜日だけで、カディスに到着したNGO、オープン・アームズの船が運んできた移民とアルボラン海で救助された移民が計400名に達している。
昨年も、423艘の簡易ボートで計6.175名の違法移民がやって来た2016年と比較すると、すでに185%増しの17.614名が803艘のボートでアンダルシアに上陸した。
今年の夏、7月には2日間で1200名がアンダルシアの海岸に到達したため、充分な対応が出来ず、スペインの違法移民受け入れ態勢に王手がかかった状態となっている。


2018年12月28日(金)

スペインの対外債務、初めて2兆ユーロのラインを突破

スペイン銀行のデータによると、今年第3半期にスペインの対外債務は90億ユーロ増加した。
これまでで初めての2兆ユーロ越えの2兆10億ユーロとなり、政府総債務残高は167.4%となった。
スペインが所持する諸外国への投資額をこれから差し引いても84.1%となっており、EUが最大ラインとして定める35%の2倍以上となっている。


2018年12月27日(木)

企業売上、2008年レベルに復帰

世界規模での経済危機の煽りを受け、2008年に大幅な下落を見せたあと、10年経った今、ようやくスペインの企業売上高は経済危機に突入する直前の数値に戻りつつある。
国家統計局昨日発表によると、今年10月の売り上げは前年度同時期比較6.3%のプラスとなっており、これで28か月間連続で増加を続けている。
また、2008年以降、最も売り上げが少なかった10月は2010年にまでさかのぼるが、その時と比較すると今年10月は23%の増加となっている。
売り上げ高の増加は二面性を持っており、一つは消費の増加、そしてもう一つが物価の上昇であるが、2008年以降、この10年間でスペインの物価指数は16.8%のプラスとなっている。

国家警察、飲食店800軒を違法サッカー放映で摘発

スペインサッカーリーグは、バルやレストランなどの飲食業界で、ライセンス契約無しでサッカーリーグ戦の放映を行なう例が増加しているとして訴えを起こしていたが、これを受け、国家警察は抜き打ち捜査を行なった。
今月11日〜13日の3日間にわたり、国家警察がスペイン各地の飲食店2000軒に対して抜き打ち捜査を行なった結果、800軒がラインセンス契約を持たずに店内のテレビや映写機でサッカーの試合を放映していたことが発覚。
その多くが、有料放送となっているものを違法デコーダーを通す事によって視聴していた。
飲食店など、公共の場と見なされる施設に対するサッカーリーグ戦の視聴料は、個人宅で契約するそれと比べるとはるかに高額となっており、最も安いOrange社が月額265ユーロで、これにVodafone社の338.8ユーロ、Movistar社の395.67ユーロが続く。


2018年12月21日(金)

中央政府とカタルーニャ州政府、共同声明を発表

昨日、バルセロナ市内でスペイン中央政府のペドロ・サンチェス首相と キム・トーラ カタルーニャ州知事との間でカタルーニャ独立問題についての 2者会談が行われた。
また、これとは別に中央政府の閣僚2名、カタルーニャ州政府の閣僚2名 による会談が行われた。
カタルーニャ州政府のひとつの大きな狙いとして、カタルーニャが単なる州として では無く、一つの国家としての認識で受け取られるよう、双方の閣僚を交えた 2国間のサミットと言った形を取ることがあったが、中央政府はこの形式を取る ことを拒否し、あくまでも異なる二つの会合に分ける形を取った。
しかしながら、会談終了後の首相と州知事に双方から参加した各2名の 閣僚等も加わったところで、計6名による撮影が行われ、あたかも2国間での 対等の立場で行われたサミットであるかのような映像が残された。
同映像を残す事が予め両代表の間で合意されていたことかどうかは不明だが この扱いについて、PPやCiudadanosから、「スペイン国家に対する侮辱、 反逆者等に対し媚びを売る首相」と言った強い批判が飛び交っている。
会談終了後、首相と州知事の両者による共同声明が出され、その中で それぞれにその原因、有り様、解決法などについて異なった解釈や見解を 持ってはいるが、カタルーニャの将来についての大きな問題が存在する事に ついては同意見であるとし、今後、対話による解決に向けて努力を続けることで 合意した旨を発表。

バルセロナで閣僚会議

本日10時過ぎよりバルセロナ市内でスペイン中央政府の閣僚会議が 行なわれているが、これに対し、カタルーニャ独立派の民衆による ボイコット運動が本日早朝より展開されている。
バルセロナの出入り口となる主要国道の何本かは障害物をの設置や ガードレールを取り外してバリケードに利用するなどの行為によって遮断。
空港へのアクセス妨害も過激派集団によって宣告されていたため、 本日のフライトの利用を予定していた人々の中には飛行機への乗り遅れを避ける ために、昨日の内に空港入りする者も多く、今朝5時にはエル・プラッツ空港内は 大混雑となっていた。
また、バルセロナ市内でもディアゴナル、ライエタナ通りなどをはじめ各地で 道路封鎖。 
閣僚会議開催前にすでに一部で警官隊との衝突も見られ、1名が 逮捕。
更に警官隊との衝突拡大。独立派民衆、石やガラス瓶などで警官隊を攻撃 (11時45分現在)。

バルセロナのエル・プラッツ空港、名称をジョセップ・タラデラスに変更か

本日、バルセロナにおいてスペイン中央政府の閣僚会議が行われているが その中で予定されている議題の一つにバルセロナの空港名の変更が含まれている。
現在、エル・プラッツ空港と呼ばれているが、これがフランコ時代に独裁政権を 逃れ亡命生活を送り、後に初代カタルーニャ州知事となったジョセップ・タラデラス氏の 名が付けられる模様。
これもペドロ・サンチェス政権によるカタルーニャへの歩み寄りを表す ジェスチャーの一つと見られるが、海外逃亡中のプーチデモン元カタルーニャ州 知事はこれに対し、シンボリックな名称の変更などではなく、同空港へのもっと 具体的な協力政策を要求。


2018年12月20日(木)

バルセロナ、本日より混乱の予想

バルセロナ市で本日行われる、ペドロ・サンチェス首相、キム・トーラ州知事等の会見、そして明日行われる閣僚会議に備えて、同市では本日午前6時より特別警戒態勢が布かれている。
本日、そして明日にかけてカタルーニャ独立派勢力が市内数か所で複数のデモを予定しており、これによるバルセロナ市内での混乱が予想され、治安維持のため、カタルーニャ警察、国家警察、治安警備隊等が合同で警備に当たっている。
また、混乱が予想されるのはバルセロナ市だけではなく、カタルーニャ全土に影響が出る模様で、過激独立集団CDRを中心として、カタルーニャと隣接する他州やフランス、アンドーラなどとの出入り口となる国道の閉鎖、主要国道をカタルーニャ各地からトラックなどの大型車で徐行する事による交通妨害、バルセロナの空港への(からの)アクセスの閉鎖、鉄道駅への(からの)アクセスの閉鎖など、独立派勢力はカタルーニャの社会機能の停止を呼びかけている。

バスク、3人に2人がスペイン人であると自覚

バスク・ポリテクニック大学により行われた最新の世論調査によると、バスク州民の61.6%が、バスク人であると同時にスペイン人であると感じていると答えた。
また、バスク人であってスペイン人では無いと答えた人が30%で、スペイン人であってバスク人では無いと答えた人が3.2%だった。
また、バスク民族主義者ではないと答えた人が前回の調査で42.2%であったのに対し、今回の調査では53.7%に増加。
地域別に見ると、バスク民族主義者では無いと答えた人がアラバ県では60%に達している一方で、ギプスコア県では49%に止まった。
また、スペイン国憲法とバスクのゲルニカ憲章によるバスク社会の在り方について、満足していると答えた人は全体の76.4%に達している。


2018年12月19日(水)

中央政府とカタルーニャ自治州政府のミニサミット、明日に決定

明後日、21日にバルセロナで行われる閣僚会議に先立ち、明日、20日の18時よりバルセロナ市内のペドラルベス宮において、ペドロ・サンチェス首相とキム・トーラ カタルーニャ州知事による会談が行われることが決定。
両者2名による会談が予想されていたが、中央政府から3名の大臣が、そしてカタルーニャ自治州政府からも3名の局長が出席する模様。

イベリア航空、往復チケットの往路不使用による復路自動キャンセルを廃止

「往復チケットを購入した利用者が往路のチケットを利用しなかった場合、自動的に復路のチケットもキャンセルされる」、これはイベリア航空他、多くの航空会社が適用している規約の一つであるが、イベリア航空は今後、これを廃止して新しいポリシーに切り替えることを発表した。
新規約によると、復路チケットが自動的にキャンセルされることは無いが、追加料金が発生するとのこと。
多くの場合、航空券は片道チケットとして購入するよりも往復チケットとして購入する方が安価となるため、片道分しか必要としない場合でも往復チケットとして購入する利用者が多い。
そのため、利用しない片道分チケットは破棄されることとなるが、イベリア航空では今後、往路チケットを利用せずに復路チケットを利用しようした場合、片道チケットとして購入した場合の価格との差額が請求される事となる。


2018年12月18日(火)

カタルーニャ独立プロセス裁判のリハーサル?

本日午前10時より、最高裁に於いて、カタルーニャ独立プロセスに関わり、反逆、扇動、横領、不服従などの罪で告訴されている18名の裁判のリハーサルが行なわれる。
同裁判は来年1月下旬、または2月初旬に開始される予定で、これを担当する7人の裁判官をはじめ、原告側として検察官4名、訟務官1名、VOX党代表2名、被告人18名の弁護人等が所定の席につき、実際の裁判と異なるのは18名の被告人が不在と言う点のみで、この予行練習に、二つの外国メディアを含めて計70社の記者が取材申請を行なっている。

マドリッド、マタデーロの国際クリスマス市、4年連続開催

マドリッド市のマタデーロで行なわれる国際クリスマス市は、今年で4年目を迎える。
55か国の参加により70以上のスタンドが設けられ、今月23日まで続く間に約300の催し物が予定されている。
会場内には、クリスマス食文化をテーマにしたエリアもあり、チュニジア料理、日本料理、フィリピン料理、イタリア料理他、多国籍料理を学ぶコーナーもあるとのこと。


2018年12月17日(月)

CDR、クリスマス宝くじのボイコットを呼びかけ

カタルーニャ独立派の過激民間団体CDRは、クリスマス宝くじを購入しないようネットを通じて呼びかけている。
宝くじを購入すると言う事は中央政府の財政に貢献する事になるとして、これをボイコットしようと言うもの。
それよりもカタルーニャ独立運動に必要な資金が不足しているので、それらを進めている各種民間団体への寄付を呼び掛けている。
クリスマス宝くじは、数年前よりその当選金に税金がかけられるようになっており、昨年までは2500ユーロを越える当選金が課税の対象となっていたが、今年からは10.000ユーロ未満の当選金は無税となり、これを越える当選金額の場合は20%の税金が課せられることとなる。

カタルーニャ警察、今週木曜日から特別警戒態勢

今月21日の金曜日に、バルセロナ市内中心部にあるロンハ・デ・マルでスペイン中央政府の閣僚会議が行われるが、これを妨害しようとするカタルーニャ独立派勢力の動きを警戒して、カタルーニャ警察のみならず、国家警察、治安警備隊等による特別警警戒態勢が布かれる。
しかし、これに先立ってその前日、20日の木曜日にペドロ・サンチェス首相のバルセロナ入りとホテル・レイナ・ソフィアにおけるカタルーニャ企業連との会合が予定されていることから、カタルーニャ警察は20日から特別警備を開始する構え。
特別体勢は閣僚等が到着するバルセロナの空港、そして空港から閣僚会議が行われるロンハ・デ・マルまでの移動区間、ロンハを中心としたバルセロナ市中心部全般は勿論、フランスとの国境を成す国道や鉄道駅など、交通の要所要所でも行なわれる予定。


2018年12月14日(金)

21−D

来る12月21日にバルセロナで予定されているスペイン政府閣僚会議に向け、カタルーニャ独立派過激民間団体CDRは、バルセロナだけでなく、カタルーニャ全土における大規模抗議活動を行なうようネット他を通じて呼びかけている。
これに対し政府は、地元のカタルーニャ警察のみならず、国家警察、治安警備隊による特別警備体制を整える準備を進めており、非公式情報では、カタルーニャ周辺の他州から1000人以上の支援部隊が送られるとのこと。
カタルーニャ警察とカタルーニャ州政府との間で溝が深まる中、今回の独立派による抗議活動も、それを焚きつけているのがキム・トーラ州知事自身であるとの見方を持つカタルーニャ警察官も多く、わざわざ焚きつけた騒動のために警備を行なうことは無意味で滑稽であるとして、12月21日にカタルーニャ警察が集団で病欠ストライキを行なう可能性も噂されている。

11月の消費者物価指数1.7%

国家統計局本日発表によると、11月の消費者物価指数は年間比較1.7%となり、過去7カ月間での最低値となった。
石油価格、電気代の下落がその主な原因と考えられる。


2018年12月13日(木)

カタルーニャ警察とカタルーニャ州政府の確執深まる

本日、カタルーニャ警察とカタルーニャ自治州行政内務局との間でカタルーニャ警察の労働条件改善のための緊急会議が行われたが、内務局は予算不足を理由に組合側の要求を却下し、交渉の場から立ち去った模様。
これを受け、警察官等がカタルーニャ内務局の建物での立てこもりを開始。
バルセロナでは昨日も約2000人のカタルーニャ警察官がバルセロナの大通り「グランビア」を2時間に渡って遮断し、内務局長の辞任を求める抗議デモが行われている。

カタルーニャの商業組合、「12月21日の平和」を要求

今月21日に、バルセロナにおいてスペイン中央政府の閣僚会議が予定されているが、これに対するカタルーニャ独立派勢力による過激な抗議活動が懸念されている。
バルセロナを中心に暴力的な事件に発展することを恐れるカタルーニャ商業組合等は、カタルーニャ自治州政府に対し、「12月21日が平和であること」の保障を要求。
まさにクリスマス商戦の真っ只中であるこの時期に、街中で暴動があったのでは売り上げが大きく落ちる事は必至で、カタルーニャにおける経済活動を大きく妨げるような状況を避けるよう求めている。
これに対しカタルーニャ州政府は、抗議運動を行なう場合は常に平和的に行なうようにと呼びかけているが、同時に、このような時期に閣僚会議をバルセロナで行なう中央政府に問題があると指摘。


2018年12月12日(水)

10月の不動産売買件数、過去11年間で最大に

スペインにおける今年10月の不動産売買数は、昨年同時期比較15.8%増加の43.536件と、2007年以来の最高値を示した。
これで10カ月間連続での増加となっており、9月と10月を比較すると1.8%のプラスとなっている。
また、10月に売買された物件の内訳を見ると、中古物件が35.565件で前年度同時期比較15.9%のプラス、そして新築物件が7.971件で15.3%のプラスとなった。
10月に最も売買数が多かったのはアンダルシア州で、9092件。
また、人口比で見ると、最も多かったのが人口10万人中154件となったバレンシア州で、これに144件のラ・リオハ、138件のアンダルシアが続いた。

バスク、独立反対派住民増加

バスク州政府が今年9月25日から10月6日にかけて3149名を対象に行った社会調査によると、バスクがスペインから独立する事に反対であるとする人の割合が37%となり、今年5月に行われた時の33%と比較して4%の増加を示した。
これは統計が取られ始めた1998年以降の最高値で、この次に高かったのは2016年の35%。
一方で、バスクの独立に賛成と答えた人の割合は今年5月時点で21%であったのに対し、今回の調査では22%と、ほぼ変化無しの結果となった。


2018年12月11日(火)

政府、カタルーニャ州に警告

中央政府のカルメン・カルボ副首相は昨日、カタルーニャ州政府に対し、公共秩序に反する行為を阻止できない場合は、国家警察を現地に派遣する構えであると述べた。
これは先週末に、同州の独立を訴える組織CDRが高速道路封鎖などの妨害行為を行ったのに対し、州警察が受け身であった事を批判したもの。
またキム・トーラ州知事が、カタルーニャの独立をスロベニア式で進めると発言したことについては、カタルーニャはスロベニアではなく、スペインもユーゴスラビアではない、と一蹴した。
ただし、前政権と同様に憲法155条を適用するかとのメディアからの質問については、それは最終手段であり、現時点ではその予定はないと答えた。

レンフェ、さらに2回ストを追加

大手労働組合CCOOは、今月21日と来月7日に国鉄レンフェのストライキを追加すると発表した。
今回のストは人員削減と労働条件の悪化に抗議するもので、今月14日には最初のストが予定されている。
同労組の担当者によると、定年などで人員が減っても新たな採用が行われず、人手不足が慢性化しており、また外注の増加でサービスの低下も深刻であると話した。
さらに、レンフェはAVEなどの高速列車だけを重視しており、多くの市民が日常的に利用する普通列車への投資を怠っていると批判した。

上半期の出生数、1941年以来の低さ

国家統計局(INE)の調査によると、今年上半期の出生数は17万9794人で、統計が始まった1941年以降最も低い数値となった。
また、前年同期比では5.8%減少している。
一方上半期の死亡者数は22万6384人で、前年同期比2.1%増加している。
これにより、人口の自然増加率はマイナス4万6590人となった。


2018年12月10日(月)

6県で県外局番増設

スペイン政府は先週土曜日、政府官報で6県の県外局番の増設を発表した。
増設は、これらの地域における番号不足解消のためという。
増設されたのは、バダホス、ギプスコア、ブルゴス、マラガ、カステジョンとアリカンテ。
例えばブルゴスでは、これまでの局番947に加えて最初の9が8に変更された847が増設された。
その他の5県でも同様の措置が取られている。

DGT、飲酒運転取り締まり強化週間開始

総合交通局(DGT)は、本日より全国で飲酒運転の取り締まり強化週間を開始した。
忘年会やクリスマスパーティなどで飲酒や禁止薬物摂取後の運転が増加するこの時期、DGTでは例年取り締まりを行っている。
同局のペレ・ナバロ局長は、あらゆる自動車道で行うとし、全国の自治体にも参加を奨励している。
現行の道路交通法では、規定値以上の飲酒が発覚した場合は罰金500ユーロと免許のポイント4点減点となるが、再犯や規定値の倍以上の飲酒の場合は罰金が1000ユーロとなる。
尚、このキャンペーンは日曜まで行われる。

マドリッド地下鉄、2路線でスト開始

マドリッドの地下鉄では、本日より6番線と10番線でストライキが開始された。
このストは運転士が参加する労働組合によるもので、人員不足の解消を訴えている。
これら2路線のストは今月14日までで、午前6時5分〜同9時まで実施される。
一方17日〜21日までは1、2、3と5番線で午後5時から10時半まで行われる。
尚、ミニマムサービスは75〜79%台に設定されている。


2018年12月7日(金)

バレアレス諸島、ドイツ人、イギリス人ツーリスト267000人減

バレアレス諸島を訪れるツーリストとして最も多いのがドイツ人、イギリス人となっているが、過去8年間伸び続けていたこの重要な市場に大きな変化が生じている。
今年10月までにバレアレス諸島を訪れたドイツ人の数は、昨年同時期には468万人だったのに対し、今年は448万人と207000人の減少、そしてイギリス人の数も370万人だったのに対し、364万人と6万人の減少となり、両国籍ツーリストの数は合計267000人の減少となった。
業界では、トルコやエジプトなど、より物価が安い国々へ流れる傾向が顕著化して来たためと見ている。
 これらバレアレス諸島にとっての主要マーケットとなる2か国からのツーリスト数が減った反面、幸いなことにスペイン人による国内旅行者の数が前年度比較7.3%(171.000人)の増加となっており、これによりそのダメージが幾らか緩和されている。
バレアレス諸島への国内旅行者の増加は、そのままカタルーニャへの旅行者の減少が反映された形となっており、カタルーニャ独立問題による同地の政情不安、社会不安が原因となって、カタルーニャ方面への旅行をやめて、バレアレス諸島へ変更する人が増加していると見られる。

バルセロナ、スペイン国憲法施行40周年記念日を祝って2000人が集結

12月6日は憲法記念日で、今年はスペイン国憲法が施行されて40周年を迎えるため、マドリッドをはじめ、全国で記念式典が行われたが、バルセロナでも、憲法を基礎としてスペインの結束を願う人々による集会が開かれた。
エスパーニャ・イ・カタランス、スペイン・ナショナル・アセンブリ、タバルニア、カタルーニャ市民ソサエティなどの民間団体の他、シウダダノス、PP、VOXなどの政党の代表者など、地方警察発表によると約2000人が参加。
スペインの国旗を掲げての行進の終着点となったカタルーニャ州議会の前では、エスパーニャ・イ・カタランスのハビエル・メヒノ副会長が、その演説の中でカタルーニャ独立運動を進める政治家等に対する「適切なる処罰」を下すよう求め、カタルーニャ企業連のジョセップ・ボウ会長は「憲法こそスペインが分断されないために必要なものであり、その改正を行なう場合は、常により強固なものにすること、そしてスペイン国民の生活を改善する目的を持って行われねばならない」と述べた。
また、スペイン・ナショナル・アセンブリのミゲル・マルティネス会長は憲法155条を読み上げ、「独立派政治家等が再度、同様の路を歩もうとするなら、再び155条が適用されることになるであろう」と警告。

ジロナ、テラッサ(バルセロナ)で独立派とカタルーニャ警察が衝突

憲法記念日を祝おうとする人々に対する、カタルーニャ独立派の人々による暴力的な阻止行動を防ぐため、カタルーニャ警察は前日より記念行事が予定される各所に予防線を張っていたが、力づくで乱入しようとする独立派住民とカタルーニャ警察が組織する機動隊との間で衝突が起きた。
ジロナでは1名が逮捕され、20名が負傷したが、その内の15名が機動隊員。
警察の防衛網を突破しようとする過激独立派等に対し、現場の治安を維持しようと警棒やゴム弾などで応じたカタルーニャ警察に対し、独立派市民に対する不当な制裁であるとして、カタルーニャ州のキム・トーラ知事が批判。
過激独立派政党CUPは、カタルーニャ警察の行動を「非民主的」であるとして、カタルーニャ州政府内務局長の辞任を要求。


2018年12月6日(木)は憲法記念日の祝日のため、ニュースはお休みとさせていただきます。


2018年12月5日(水)

マドリッド・セントラル新条例施行後5日にして、大気汚染による交通規制発動

マドリッド市では、先月末日より市内中心部を通行出来る車種や時間帯などに制限を加える新条例「マドリッド・セントラル」が施行されており、これの主な目的は、マドリッド市がかかえる大きな問題の一つ、大気汚染を緩和することだった。
しかしながら、施行後5日目にして、市内各所に設置された観測器のうち3つ(カステジャーナ、クアトロ・カミーノス、ラモン・イ・カハル)が、2時間以上にわたって定められた上限(二酸化窒素180Mg/立法メートル)を越える濃度を 検知。
これにより、今朝6時より交通規制レベル1が発動され、環状線などの高速道路での速度制限が70キロになるなどの特別規制が開始された。
これに対し、野党らがマヌエラ・カルメナ市長が行ったマドリッド・セントラルが、大気汚染対策として全く役になっていないことを批判する一方で、市行政は、その効果が現れるまでには一定の時間が必要であると反論。

キム・トーラ州知事、憲法記念日に合わせてスロベニアへ

明日、12月6日はスペインの民主憲法が施行されてから40年を迎える記念日となるが、カタルーニャのキム・トーラ州知事はこれに合わせて行われる式典への参列を拒むだけでなく、この日にスペイン国内に居ることを避けるため、スロベニアを訪れる予定。
州知事は同国における演説を予定しており、そのタイトルは「カタルーニャ:スペイン憲法と言う檻から自由へ」となっており、スペイン国憲法の記念日に合わせる形で、海外向けの独立宣伝を行なう模様。


2018年12月4日(火)

11月の失業者数、1836人減少

労働省の発表によると、先月の失業者数は前月比1836人減少、総数は325万2867人で、11月としては2015年以来3年ぶりの減少となった。
これらの数値を業種別でみると、最も減少したのは工業で、これに農業と建設業が続く。
一方、サービス業では増加している。
男女別では、男性の失業は増加しているが、女性のそれは減少している。
年齢層別では、25歳以下で減少しているが、それ以上では増加した。
また、外国人の失業者数は、EU圏内、圏外出身者ともに増加した。
自治州別では7州で減少しているが、特にマドリッド、アンダルシアとバレンシアでの減少が顕著だった。
逆にバレアレスとカタルーニャでは最も増加している。

スサーナ・ディアス氏、党代表辞任を否定

日曜日に投開票が行われたアンダルシア自治州選挙で議席を大きく落とした与党社労党アンダルシアのスサーナ・ディアス代表は昨日、辞任する考えはない事を表明した。
ラジオ番組に出演した同氏は、同党の中央執行部から州知事選出討議への出馬を辞退すべきという発言が出た事について質問を受けた。
これについてディアス氏は、執行部からのコメントはメディアによって歪曲されているむきがあり、ペドロ・サンチェス首相から選挙後も支持を得ている事を強調した。
また、敗北したのなら出ていくが、党は議席を減らしたとはいえ、トップを維持していると強気の発言を行った。
一方で、討議への立候補はあくまで十分な支持を得られた場合に限ると明言した。
また、極右政党ボックスの躍進について尋ねられると、(同党に投票した)有権者の意向は尊重するが、党そのものは有害な存在であると切り捨てた。

今月14日に国鉄車掌スト

大手労働組合CCOOは、来週金曜日に全国で国鉄車掌のストライキを招集した事を発表した。
同労組の担当者によると、今回のストは車掌の労働環境改善と人員増加を訴えるもので、ここ数年中・長距離列車の本数が増便されているのに反比例して車掌が減らされていると訴えた。
車掌が乗っていない列車も増加しつつあり、不測の事態に対応できない可能性があると指摘した。
また、人手不足による無理なシフトや労働協定の不履行などが起きていると述べた。
さらに、14日に決着がつかなければ、クリスマスシーズンにも行う構えがあるとコメントした。


2018年12月3日(月)

アンダルシア州選挙、PSOE大敗、極右が躍進

昨日即日投開票が行われたアンダルシア自治州選挙、与党社会労働党(PSOE)は議席でトップとなったものの、33議席に終わり、絶対過半数の55議席には遠く及ばなかった。
2位は民衆党(PP)の26議席、3位はシウダダノスで21議席だった。
今回の選挙では、極右政党ボックスの動向が大きな注目を浴びていたが、0議席から12議席と予想外の大躍進を遂げた。
一方、左派連合とポデモスの連立は票を伸ばせず、17議席に留まった。
このため左派政党による連立政権は実質不可能となった。
これに対し中道右派に位置づけられるPPとシウダダノスがボックスと組めば絶対過半数を超え、右派政権の誕生も可能となる。
これにより40年に渡る社労党政権は終焉を迎える事になるのはほぼ確実とみられる。
この結果を受けて、中央政府のペドロ・サンチェス首相は、総選挙の前倒しなど厳しい選択を迫られる事になる。

独立派議員ら、刑務所でハンスト開始

カタルーニャの独立派政党JxCat選出の議員でバルセロナの刑務所に収監中のジョルディ・サンチェス、ジョルディ・トゥルル両氏は、無期限のハンガーストライキを開始した。
両氏に代わって記者会見を行った関係者によると、ハンストの理由は現在の状況に対する抗議で、欧州連合の人権裁判所に訴える権利をスペイン司法裁判所が阻止している事を訴えるものであるという。
カタルーニャ州のキム・トーラ知事やバルセロナのアダ・コラウ市長らはこのハンストを支持する声明を発表しているが、中央政府は、カタルーニャ問題で収監中の議員らは皆公正な法の裁きを受ける事が保障されているとコメントした。。

14県で20度以上の気温

気象局の発表によると、本日イベリア半島南部を中心とした14県で最高気温が20度を超え、この時期としては異例の暖かさとなる見込み。
それによると、グラナダとムルシアでは最高気温は24度に達するという。
また、マラガとメリージャでは23度、それ以外にも8県とカナリアスで21度となる模様。
さらに夜間の気温も地中海沿岸部で上昇するという。
一方、南北メセタ、エクストレマドゥーラとカタルーニャ内陸部では気温はやや下がるか変わらない見込みで、霧も発生するという。


2018年11月30日(金)

マドリッド・セントラル交通規制法、本日より施行

マドリッド市中心部の持続的車両交通規制が今朝、0時より開始された。
今後、電気カーなど、排気ガス100%カットの車種以外は、車種によって様々な通行制限の対象となるため、中心部への進入が可能かどうか要確認。
同政策に対し、配送業界、レストラン業界、商店、観光業界など、多方面からの苦情が殺到しているが、更には弁護士組合、ガス工事や水道工事業界からの苦情も加わりつつある。
マドリッド市行政のマニュアルには、路上での水道管トラブルがあった時の対処法は記されているが、一般家庭での水漏れ、ガス漏れなどの緊急事態に関する項目が無く、そう言った緊急時に工事人が現場へ駆けつける事が出来ず、大事故を招く可能性があると指摘。
また弁護士組合も、マドリッド中心部に住む顧客への緊急を要するアテンドや、中心部にある警察署から急な呼び出しを受けた場合に自家用車でアクセスすることが出来ないでは、緊急時の対応に支障が生じるとして、市行政に通行許可証を申請しているが、それが認められるのか認められないのかの返答すら無いとのこと。

麻薬「エンジェル・ダスト」、イビサで20年ぶりに出現

副作用が大きい事から医療用麻酔としては使用されなくなったフェンサイクリジン(俗称 エンジェル・ダスト)は、70年代、80年代にブラックマーケットで氾濫し、イビサ島で猛威を振るっていたが、その後、姿を消して行った。
この20年間忘れ去られていたが、今年になって、20年ぶりにこれによる患者がイビサ島で2名、報告されている。
1人目が今年6月末に入院した32歳の女性で、2人目は24歳の男性で8月に入院。
イビサ島のカン・ミセス病院の救急サービスでは、今年の5月から10月までの間に麻薬関連のアテンド数が837件に上っており、約5時間に1件のペースで麻薬中毒患者が運び込まれた計算となる。

バルセロナ:電動キックスケーターによる死亡事故、運転中の携帯電話が原因か

今年8月にバルセロナで起きた、スペイン国内初のキックスケーターによる死亡事故では、電動式キックスケーターで二人乗りをしていた19歳の男性が、92歳の女性に衝突した際に女性が転倒し頭部を打撲。
病院へ運ばれたが、その数日後に死亡している。
この事件を巡り、スペイン全国で電動スケート全般についての交通法規緊急改正の必要性が取り沙汰されているが、現在、バルセロナの法廷では、同事故当時、スケーターを運転していた男性が携帯電話を注視していた疑いがあるとして、街頭に設置された防犯カメラなどが捉えた映像の解析を行っている。


2018年11月29日(木)

スペイン人の4人に1人が年金はもらえないと予想

IESEビジネススクールと信託会社Bestinverが共同で行った調査によると、スペイン人全般の特徴として、「預貯金が少ないわりには、将来的に年金の受給は期待出来ない」、また、「リタイヤ後の生活レベルを維持するためには、 年金以外の何かを準備しておく必要がある」と考えている人が多いとのこと。
35歳以上で預金、積み立て年金、不動産など、少なくとも1種以上の何らかの投資を行なっている人々1000人強を対象にアンケート調査を行なった結果、その78%が年金だけでは不十分であると考え、また、35歳〜44歳の枠で見ると、4人に一人は将来的に年金の受給は期待出来ないと予想している。
また、回答者の72.5%が国の年金以外に何らかの積み立て年金などの商品に投資しており、その内の15.2%は勤め先企業を通じての加入となっている。

カタルーニャ:医者、消防士、学生、教師、その他公務員等によるデモが続発

カタルーニャ自治州政府が独立運動のみに熱中し続ける中、カタルーニャ住民の「住民の生活を無視した政治」への怒りが爆発しつつある。
2011年に当時の州知事を務めていたアルトゥール・マス氏が医療、教育など、住民の生活に直接かかわる様々な予算をカットし、カタルーニャの対外向け宣伝費や独立運動のための経費に充てた結果、学費の高騰、社会保険による病院での医師不足、薬局における医療用薬品の不足など、カタルーニャ住民の日常生活を脅かす事態が深刻化していたが、これに耐えきれなくなってきた住民等による不満が爆発しつつある。
社会保険による医療施設で働く医師等によるストに続いて、昨日、そして今日と医師、消防士、学生、教師、各種公務員等によるデモが行われており、昨日のデモでは、カタルーニャ州議会の前に集結したデモ隊は一部、州議会内部へ乱入するに至った模様。
カタルーニャ警察の特別機動隊の介入により、大事には至らなかったが、今日も同様のデモが予定されており、更に12月12日には公務員等によるストが予定されており、これにはカタルーニャ警察も参加することが予想される。


2018年11月28日(水)

マドリッド中心部の通行制限、今月30日より開始

マヌエラ・カルメナ市長が発表した、マドリッド市内中心部を対象とした車両通行制限条例は、今月30日より施行される。
対象となるエリアはアルベルト・アギジェラ、カランサ、サガスタ、ヘノバ、パセオ・デ・レコレトス、パセオ・デル・プラド、ロンダ・デ・アトーチャ、ロンダ・デ・バレンシア、ロンダ・デ・トレド、グラン・ビア・デ・サン・フランシスコ、バイレン、プラサ・デ・エスパーニャ、プリンセサ、セラーノ・ホーベルなどの通りに囲まれる約472ヘクタールで、通行許可を持っていない一般の車は通行不可となる。
通行許可証には様々な種類があるので、希望者は要確認。
今月30日に施行されたあと、来年1月いっぱいまでは警察官による監視と誘導が行なわれ、違反した場合でも通知があるだけで罰金の支払い義務は伴わないが、2月より監視カメラを利用した自動取り締まりシステムが稼働し、違反者には90ユーロの罰金が科せられる。


2018年11月27日(火)

政府、ライアンエアーに対する制裁を検討

スペイン政府は、アイルランドの格安航空ライアン・エアーに対して制裁措置を行う構えがあることを明らかにした。
それによると、同社は今年数回に渡って実施された客室乗務員のストライキにおいて、労働者のストの権利を侵害する行為を行った疑いがあるという。
その内容は、乗務員一人ひとりにメールや電話でストへの参加意志を尋ねたり、ストの直前にフライトスケジュールの変更や当直の増員を不正に行うなど、15件の重大違反と1件の非常に重大な違反を犯したとみられる。
さらに機内販売の強制などの違反も犯している模様。
労働局のインスペクターは、今回の制裁は、劣悪な労働条件での勤務を強いられている同社の客室乗務員の労働環境を改善するための重要な一歩であると述べた。

王室、前国王とサウジ皇太子の写真について釈明

スペイン王室は、報道で話題となっているフアン・カルロス前国王とサウジ・アラビア皇太子が挨拶を交わす写真について、昨日釈明した。
この写真は先週日曜日にサウジで開催された自動車のF1グランプリ、アブダビ戦で撮影されたもので、前国王は引退を表明したスペイン人ドライバー、フェルナンド・アロンソの激励に駆け付けていた。
王室の広報は、挨拶はあくまで儀礼的なものであり、公式なものではないと説明している。
また、前国王は退位後毎年アブダビ戦を観戦しており、今回は偶然VIP席で皇太子の隣となったため挨拶を行ったが、その後会合などは一切行われなかったと釈明した。
しかしながら、同国の新聞記者殺害教唆の疑いで世界的に注目されている同皇太子との挨拶の写真は、近年スキャンダルが絶えない王室のイメージをさらに損なうものになるとみられる。

複数の貸し切りバス、予告なしに市役所前に集結、マドリッド

昨日正午頃、マドリッド市役所前のシベレス広場で、主に団体旅行などで利用される貸し切りバス数十台が集結した。
マドリッド市警察によると、この集会は事前の届け出なしに行われたため、一時周辺で渋滞などが起きた。
この集会は、先週金曜日から施行された新しい条令により、目抜き通りのグランビアを一般車両が通行できなくなった事に抗議するもので、ドライバーたちは、グランビアには複数のホテルがあり、せめて乗客の乗り降りや荷物の上げ下ろしだけでも許可してほしいと訴えている。


2018年11月26日(月)

首相、brexit合意案同意を正式発表

ペドロ・サンチェス首相は、英国のEU離脱問題において、スペインの拒否権を撤回することを正式に発表した。
南米諸国訪問から帰国した同首相は会見を行い、スペインにとっての争点である英領ジブラルタル問題については、Brexitの交渉項目から外し、英国とスペインの2国間交渉を続けることをEU及び英国が承認したと発表し、これを大きな成果であると評価した。
しかしながら野党各党はこれについて、法的拘束力に欠けた曖昧な口約束であると激しく批判している。
今回の措置が有効であるかどうかについては、専門家の間でも意見が分かれている。

34県で強風などによる警報・注意報

気象局は本日、強風や高波などによる警報・注意報を16自治州34県に発令している。
それによると、ガリシアではア・コルーニャとポンテベドラで、またアストゥリアスでも最大風速は90キロに達する見込み。
また、アルメリア、グラナダ、ハエン、マラガ、サラゴサ、テルエル、ウエスカ、アルバセテ、クエンカ、グアダラハラ、アビラ、レオン、セゴビア、サモラ、タラゴナ、メリージャ、マドリッド、アリカンテ、カステジョン、カセレス、ルーゴ、イビサ、フォルメンテーラ、マジョルカとムルシアでも最大風速は70〜80キロに達するという。
さらにタラゴナでは3メートル以上の高波が予測され、海上警報が出ているほか、カディス、グラナダ、マラガ、カンタブリア、ジローナ、メリージャ、アリカンテ、カステジョン、バレンシア、ア・コルーニャ、ルーゴ、ポンテベドラ、バレアレス諸島、バスクの沿岸地域とアストゥリアスでも同注意報が発令されている。
一方、アラゴン、カタルーニャとナバラの各州では大雪注意報も出ており、標高1000〜1300m以上では24時間で5〜8センチ程度の積雪が予測されている。

マドリッド地下鉄、金曜日に史上4番目の乗客数

マドリッド地下鉄は先週金曜日、ブラック・フライデーにより多くの市民の利用を見込んでいたが、同地下鉄によると、その利用者数は260万5613人で、史上4番目、今年最大の利用者数に達した。
ブラック・フライデーの利用者が年間1位となるのはこれで2年連続となるが、毎年伸びを見せており、前年比では4.36%増加している。
尚、1位は2008年2月29日で266万4895人が利用、2位は同年3月7日、3位はやはり同年4月18日であった。
ただしこれらの日にちは市バスのストライキと重なっており、バス利用者が地下鉄に流れたためである。


2018年11月23日(金)

新グラン・ビア オープン

首都マドリッドの目抜き通りとして知られるグラン・ビアでは、今年3月からその大改造工事が進められてきたが、当初の予定どおり、クリスマス前に工事が終わり、本日の午後、マドリッドのマヌエラ・カルメナ市長によりその完工式が執り行なわれる予定。
同工事にかかった費用はおよそ650万ユーロ。

マドリッド:アマゾン社員、ブラックフライデーに合わせてスト

本日、ブラック・フライデーに合わせる形で、マドリッドにある通販会社大手アマゾンの物流センターの従業員等による24時間ストライキが行われており、同社商品の配達に混乱が生じている。
組合側によると、ストライキへの参加率は80%に達しているとのこと。
今後も、憲法記念日を含む飛び石連休に合わせた12月7日〜9日、クリスマスシーズンに合わせた12月15日〜30日、エル・ニーニョの振り替え休日を含む連休前の1月3日と、まさに書き入れ時に合わせた更なるストが予定されている。


2018年11月22日(木)

マドリッドのクリスマスイルミネーション、明日より点灯

首都マドリッド市内を飾るクリスマス・イルミネーションは、明日、23日の開始となり1月6日まで続く。
今年の新デザインによるイルミネーションを楽しめるのはグラン・ビア、ホルヘ・フアン、マルセロ・ウセラ、ペドロ・ラボルデ、ボルタ―ニャなどの各通り。
また、クリスマス・ツリーが置かれるのは例年通りで、プエルタ・デル・ソル広場、マジョール広場、カジャオ広場、コロン広場、サン・フアン・デ・ラ・クルース広場、そしてフエンカラル通り。
また、イルミネーションが点灯する時間帯は次のとおり。
日、月、火、水曜日:18時〜23時
木、金、土、祝日の前日:18時〜24時
12月25日、1月1日、1月6日:18時〜24時
12月24日:18時〜翌朝3時
12月31日:18時〜翌朝6時
1月5日:18時〜翌朝3時


2018年11月21日(水)

スペイン、イギリス両政府、Brexit後の関係についての仮合意へ

BrexitについてイギリスとEUとの間で続けられている交渉の中で、イギリス領であるジブラルタルの今後の扱いについて、同地と隣接するスペインにとっては合意出来ない部分もあり、そのため、スペイン政府はイギリスーEU間の協定内容に反対の姿勢を示している。
しかしながらスペイン他、少数の反対票があってもEUの方針が変わる事は無いため、ジブラルタル問題については、EUとは別に、スペインとイギリス両政府間での協議が行なわれ、仮合意を得るに至った。

同協議で扱われた主なテーマは4つあり、その一つがタバコの価格で、今後、ジブラルタルはスペイン国内で販売されているタバコとの値段の格差を減らし、密輸を防ぐためにジブラルタル内でのタバコ販売価格を上げる事。
二つ目が、両領土間の国境をまたいで働く人々(毎日国境を越えて出勤するスペイン人は約1万人)に関する諸々の問題に触れるもので、三つめが自然環境問題についての約束事(ジブラルタル側で見られる廃液の海への垂れ流し問題など)。
そして4つ目が警察機構と税務機構上の協力と協定で、実際にはスペインで活動を行なっている企業であっても、その住所をジブラルタル内で登録しているものが多く、事実上、スペインから見ればジブラルタルはタックスヘブンとなっており、これを正常化するための協力を行なうと言うもの。

これらの仮合意は当面、Brexitによる移行期間とされる2019年3月から2021年1月まで有効となるもので、移行期間が終了し、イギリスがEUから完全に離れたあとについては、また今後の課題となる。
しかし、2016年に行なわれたジブラルタルの住民投票で、EUから離れるのではなく「ヨーロッパの一員であり続けたい」と離脱反対に投票した人が96%を占めた事から、スペイン政府は、ジブラルタルとの関係は将来、より友好的なものになるとの見通しを持っているとのこと。

カタルーニャ警察、バルセロナ市内でチラシを配布:「警察官不足につき、要注意!」

バルセロナでは犯罪発生件数が他府県に比べて大きく増大しており、今年1月から8月にかけて、実に19%の増加を見せ、その多くが強盗、置き引き、スリなどの盗難事件となっている。
そう言った中で、カタルーニャ警察は警察官不足と、それに伴う労働条件の悪化、更には給与支払いの遅延や未払いなどについての解決を求める運動を続けているが、同問題を州政府がより深刻にとらえるよう、次なる手段として、バルセロナ市内の主要観光地に集まるツーリストに対し、あるチラシの配布を開始した。
その内容は、「携行品に充分に気を付けてください。この町には充分な数の警察官が配備されていません」と言ったもので、カタラン語、スペイン語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語の各言語で書かれている。


2018年11月20日(火)

首相、総選挙前倒しの可能性を示唆

ペドロ・サンチェス首相は、来年度予算について合意が得られなければ、総選挙の前倒しも視野にあることを表明した。
本日マスコミ主催のイベントに出席した首相は、会見で外国の記者からの質問に答えた。
それによると、政府の意向は来年度予算の可決であるが、議会で合意に達するのは非常に困難な状況であることを認めた。
そして合意がなければ、議会の解散総選挙はやむを得ないと述べた。
しかしながら時期に関しては、国のために有益であると判断した時である、と明言を避けた。
一方で政府の予算案を認めようとしない民衆党(PP)やシウダダノスに対し、「極右の芽を育んでいる」と批判した。

首相、モロッコ初訪問

ペドロ・サンチェス首相は昨日、モロッコを公式訪問した。
同国の首相との会談でサンチェス首相は、欧州連合(EU)が移民政策においてモロッコに経済支援を行う事を伝えた。
また、来月マラケシュで開催される砂漠化対策の国連会議に出席する事を約束した。
その後の会見で両首相は、2国間の関係が非常に友好的であることを強調した。
尚、モロッコはスペインの首相が就任直後に訪問する事が慣例となっているが、サンチェス氏の場合は5カ月後という異例の遅さとなり、野党から批判を浴びた。

着衣のマハ、裸のマハよりも長距離を旅行

マドリッドの国立プラド美術館所蔵のゴヤの名作「着衣のマハ」と「裸のマハ」。
海外での特別展示の場合も同時に貸与される事が多いが、同館の資料によると、着衣のほうが貸与回数が少ないにも関わらず、移動距離は約2万キロ多いことが分かった。
この理由は、2011年から12年にかけて東京で開催されたゴヤの特別展によるもので、この時は着衣だけが貸与された。
一方、1814年の宗教裁判の際には両絵画共に公序良俗に反するとして、お蔵入りとなった。


2018年11月19日(月)

アンダルシア州選挙世論調査、PSOEが勝利

エル・パイス紙の調査によると、来月2日に実施されるアンダルシア自治州選挙において、与党社労党(PSOE)が勝利するという。
ただし、予想議席数は37〜40で、2015年に獲得した47議席には及ばない。
一方、シウダダノスにはPSOEの票が流れる模様で、前回の9議席から22〜24議席へと一気に上昇する見込み。
また、民衆党(PP)は前回より9議席落として24議席となるが、こちらの票もシウダダノスに流れる模様。
さらに左派の連立政党アデランテ・アンダルシアも24議席でPPに並ぶと予測されている。
最近支持者の増加が報道される極右政党ボックスは、アンダルシア州議会での議席獲得は困難であるとみられるが、それでも州全体の3%程度の得票率が見込まれている。

アリカンテとバレンシアに大雨特別警報発令

気象局は本日、バレンシア州のアリカンテとバレンシアに豪雨による特別警報を発令し、警戒を呼び掛けている。
このためこれらの地域の小中校の一部では休校が発表されている。
また、アビラ、タラゴナ、マドリッドとカステジョンでは大雨注意報が、イビサ、フォルメンテーラ、マジョルカとメノルカでは同警報がそれぞれ出ている。
さらにしけなどの海上警報がイエロ、フエルテベントゥーラ、ランサロテ、ラ・パルマとテネリフェに、同警報がルーゴ、ア・コルーニャとアストゥリアスに出されている。

ゴミ回収のスト、直前に回避、マドリッド

マドリッド市では本日午前7時よりゴミ回収業者の無期限ストライキが予定されていたが、昨日の会合で労使が合意に達したため、中止となった。
今回のストは、消費者物価指数による賃金のベースアップや契約形態など、労働条件の改善を訴えるものであった。


2018年11月16日(金)

マドリッド ゴミ回収サービスのスト、ミニマムサービスを50%に設定

週明け19日から予定されている、マドリッド市内ゴミ回収サービスのストライキについて、同市行政は、そのミニマムサービスを通常サービスの50%に設定すると発表した。
これにより、通常ゴミと有機ゴミについては48時間に1度の回収、リサイクルゴミについては週2度の回収となる。
ただし、例外として医療施設や市場などのゴミ、大規模工場の有機ゴミ、動物の死体回収などについては、通常通り100%のサービスを義務付けるとのこと。

19日以降1週間の各地区の回収日は次のとおり。
通常ゴミと有機ゴミの回収については、中心部、アルガンスエラ地区、サラマンカ地区、チャマルティン地区、フエンカラルーエル・パルド地区、チャンベリ地区、モンクロアーアラバカ地区、カラバンチェル地区、ウセラ地区、シウダ・リネアル地区、ビカルバロ地区、サン・ブラスーカニジェハス地区などでは19日、21日、23日、25日。
レティロ地区、テトゥアン地区、ラティナ地区、プエンテ・デ・バジェカス地区、モラタラス地区、オルタレサ地区、ビジャベルデ地区、ビジャ・デ・バジェカス地区、バラハス地区などでは20日、22日、24日。

リサイクルゴミについては、アルガンスエラ地区、チャマルティン地区、チャンベリ地区、フエンカラルーエル・パルド地区、モンクロアーアラバカ地区、カラバンチェル地区、ウセラ地区、モラタラス地区、シウダ・リネアル地区、サン・ブラスーカニジェハス地区などでは19日と23日。
レティロ地区、サラマンカ地区、テトゥアン地区、ラティナ地区、プエンテ・デ・バジェカス地区、オルタレサ地区、ビジャベルデ地区、ビジャ・デ・バジェカス地区、ビカルバロ地区、バラハス地区では20日と24日。

カタルーニャで初の地元発生型デング熱感染

デング熱が発生している国へ旅行をした結果としてこれに感染した患者については、今年、カタルーニャ全域ですでに50人を超えているが、今月9日、初めて旅行先での感染ではなく、カタルーニャで蚊に刺された事による感染が認められた。
デング熱の感染源となっている蚊の一種「ヒトスジシマカ」は、カタルーニャで発見されて以来14年が経つが、今年になって同州内の506市町村でその存在が確認されており、昨年よりその数は45村落の増加となっている。


2018年11月15日(木)

危険レベル高のサイバーアタック、1日に3回

スペインの国立暗号解析センターによると、今年に入ってから11月8日までの間に同センターが 探知し調査したサイバーアタックの数は32.294件にのぼり、昨年1年間のトータル数より 6000件の増加となっている。
また、年末には38.000件を越え、前年度比43.5%増しとなる予想。
そのうちの2.8%がハイレベルの危険度を伴う攻撃で、スペインは一日に約3回の頻度で、これら深刻な攻撃を受け続けている事となる。
センターでは、これらハイリスクアタックの出どころについての言及を避けているが、100か国以上がデジタルテクノロジーを利用したスパイ工作を行なっており、昨年は、それらの国家が後ろ盾となって行なう「第3国の選挙結果」の誘導が明白に認められる年だったとしている。
また、世界各国の政党がこう言った攻撃の対象となっているが、スペインの場合では、カタルーニャ独立問題についてのフェークニュースを含む誇大報道のバックに、ロシアの公的機関によるバックアップがあることがほぼ確実だと考えて良いとのこと。


2018年11月13日(火)

内務大臣、マドリッド市長候補の可能性を否定

フェルナンド・グランデーマルラスカ内務大臣は、来年5月に実施されるマドリッド市議会選挙において社会党選出の市長候補となる可能性を否定した。
スペイン訪問中のフランスの内務大臣と会談後記者会見に応じた同大臣は、最近浮上したこの話題について記者団から質問を受けた。
マルラスカ氏は、自分は一か所で一つの仕事に従事することで、自分の価値を示す事を好むと答え、当面は現在の職に集中する事を示唆した。
一方で、大臣就任直後は、自分はあくまで社労党政府の技術者のひとりである、と政治色を否定していたが、現在は社労党政権の政治家であることを認めた。

PP提出の国家象徴保護法案、下院で討議

野党民衆党(PP)が先日提出した国家象徴の保護法案が、本日下院議会で討議される。
これは、基本的には公務員や高官を対象とした法案で、国の象徴である国王、国旗や 国歌に対して敬意を表し、これを拒否する者には公務員法に基づいた罰則を科すというもの。
また、カタルーニャのように独立のシンボルである黄色いリボンを装着したり、これを外すのを拒否することも罰則の対象となる。
但しこれらは公立の施設においてのみ適用され、州知事を含めた政府高官などが対象となる。
先日、キム・トーラ州知事がマドリッドの首相官邸を訪問した際に黄色いリボンを装着していたことが話題となったが、この法案にはこのような事態を回避する狙いがあるとみられる。

9月の住宅売買、9.7%上昇

国家統計局(INE)の調査によると、今年9月の住宅売買数は4万2766件で、前年同月比9.7%上昇した。
これで6カ月連続の上昇となる。
このうち中古物件の売買は3万4750件で前年同月比9.6%、新築物件は8016件で同9.8%それぞれ上昇している。
一方、人口10万人あたりの売買件数が最も多かったのはバレンシアで、これにムルシア、バレアレスとマドリッドが続く。


2018年11月12日(月)

首相暗殺計画の容疑者、カタルーニャ州で勤務経験

スペイン政府は、ペドロ・サンチェス首相暗殺計画の容疑で男を逮捕していた事を先週明らかにしたが、報道によると、この男はカタルーニャ自治州により警備員として臨時採用されていたことが分かった。
それによると、この男はマヌエル・ムリージョ・サンチェス容疑者(63歳)で、警備員として豊富な経験があり、特に射撃ではオリンピック選考会レベルの大会での優勝経験もあるという。
家宅捜索により多数の武器を所有していた事が発覚したが、これらは合法的に取得したものであり、なかにほ容疑者自身によって改造されたものもあった。
殺害計画の理由は、首相が独裁者フランシスコ・フランコの遺体を発掘して移動することを表明した事によるとされ、父親も独裁政権時代にカタルーニャの自治体で市長を務めており、非常に保守的な思想の持主であったといえる。
しかしながら犯罪歴はないため、警察の監視は行われていなかった。
計画発覚のきっかけは、同容疑者が参加していた携帯電話のグループメッセージで、首相暗殺を表明した事により、同じグループに参加していた極右政党ボックス支持者の女性が警察に通報した。
尚、この男は数週間前に逮捕されていたが、政府は先週木曜日まで発表を控えていた。

エア・ノストゥルム、今月ストを発表

バレンシアを拠点とする地域航空会社エア・ノストゥルムの労働組合は、パイロットによるストライキを行うと発表した。
それによるとストは24時間で、今月23、26と30日に予定されている。
ストの理由は、同社がフライトを傘下の他航空に回している事に抗議するもので、エア・ノストゥルムが消滅する可能性があると危惧している。
これが決行された場合、同社としては初めてのストとなるが、バレアレス、カナリアス、メリージャなどの離島、遠隔地については、運航を保証するとしている。

テレフォニカ財団でナショナル・ジオグラフィック展

マドリッドのテレフォニカ財団の展示場では、ナショナル・ジオグラフィックの特別展を開催中。
130年前に米国のワシントンで33人の科学者らによって私的クラブとして設立されたこの団体は、科学だけでなく考古学、自然などと言ったあらゆる分野を扱った雑誌の刊行のほか、ドキュメンタリー制作やテレビのチャンネルを持つなど、幅広い活動を行っている。
また、マチュピチュや沈没したタイタニック号の発見など、歴史的な出来事を世界に報道した。
今回の展示の目玉は、ナショナル・ジオグラフィック誌に掲載されたこれら歴史的な写真であるという。
この展示は来年2月24日まで開催される。


2018年11月9日(金)は、アルムデナの聖母の祝日のためニュースはお休みとさせていただきます。 


2018年11月8日(木)

マドリッド、ゴミ回収サービスが19日より無期限ストライキへ

CCOO、UGT、CGT等の大手労働組合は、今月19日よりマドリッド市のゴミ回収サービスの無期限ストを開始すると発表した。
約1700人が同サービスに従事しており、ストは19日の朝7時開始予定。

マドリッドーグラナダ間TALGO 26日より運行開始

新幹線開通工事が予定よりもはるかに長引き、3年半の間、鉄道網から孤立していたグラナダであったが、AVE開通に先だって、今月26日より特急TALGOの運行が開始されることを、ホセ・ルイス・アバロス勧業省が自身のツイッターで発表。
同便は途中の停車駅「リナーレス」を挟んでマドリッドとグラナダをつなぐもので、一日に一往復となり、グラナダ発が8時、そしてマドリッド発が17時となる模様。
また、新幹線AVEの開通は来年6月が予定されている。

カタルーニャ、26日より公立病院の医師によるスト

カタルーニャの公立医療センターで働く5700名以上の各分野の医師等が、その労働環境の改善を求めて、今月26日から5日間のストライキを行なう。
カタルーニャでは2012年から医師の人減らしが行われ、2018年までに850名減となった。
これにより公立医療センターでは、診察予約を依頼してから診察を受けられるまでの推奨待ち時間が48時間以内とされているにも関わらず、場合によっては数週間後の予約しか取れないこともあると言う状況に置かれている。
また、医師等は一人の患者につき、必要な診察時間として平均12分を要求しているが、実際には同じ時間に平均5名の診察予約が入れられていることも日常茶飯事であるとのこと。


2018年11月7日(水)

サンツ駅、アトーチャ駅で爆弾騒動?

今朝8時頃、バルセロナのサンツ駅内、AVE乗り場のセキュリティーコントロールを行なっていた警備班より、カタルーニャ警察に対し、「AVE利用者の荷物の中に手榴弾のような爆発物と思われるものが見られる」との報告があった。
これを受け、カタルーニャ警察はサンツ駅内にいた市民を駅の外へ避難させ、爆発物処理班による捜査を開始した。
サンツ駅内に停車していた2台のAVE、そして乗り場では爆発物は発見されず、その荷物の所持者が乗ったAVEがすでにマドリッド方面へ向けて出発した可能性があったため、マドリッドのアトーチャ駅に10時15分到着予定で走行中であったAVEを、その途中で停止させた。
その内部に積まれた全ての荷物を調べたところ、ある女性が所持していた手荷物の中から、手榴弾の形をデザインしたベルトのバックルを発見。
セキュリティーコントロールの警備員が見たものと同じ形状のものであったため、バックルと手榴弾の誤認と判明した。
非常時に備え、マドリッドのアトーチャ駅でも駅内部にいた市民の避難が行なわれていたが、アトーチャ駅、サンツ駅の両駅ともに避難令が解かれ、平常に戻った。


2018年11月6日(火)

イグレシアス氏、「解散・総選挙は間近」

来年度予算の政党間の合意が停滞するなか、左派政党ポデモスのパブロ・イグレシアス代表は、解散・総選挙は時間の問題であるとコメントした。
国営放送のラジオ番組に出演した同氏は、カタルーニャの独立派政党が収監中の仲間への求刑に反発し、彼らの支持を得られなかった事に触れ、火に油を注ぐような行為、と検察を批判した。
そして今後も話し合いを続け、解散・総選挙以外の解決索を模索するとしたものの、総選挙前倒しを避けるのは困難であるとした。
また、総選挙を恐れる必要はなく、ポデモスは勝利を確信していると述べ、首相就任への意欲があることを強調した。
一方で、次期総選挙は、自身の進退問題の岐路となることは明白で、思わしくない結果となれば、党内で去就を問う会議の場が設けられる事になると述べた。

政府、フランコ埋葬問題で法改正検討

スペイン政府は、独裁者フランシスコ・フランコの遺体移送先について、公的施設での埋葬を禁止できるよう歴史記憶法の改正を検討している。
政府は先日、フランコの遺体を戦没者の谷から移送する事を勅令で決定したが、遺族が「遺体発掘が行われた場合にはアルムデナ大聖堂に埋葬する」と宣言した。
この大聖堂は首都マドリッドの中心地にあり、支持者やファシストたちの聖地となることが危惧されるが、遺族は同大聖堂に永代墓所を所有しており、現行法では阻止するのは実質不可能と見なされていた。
カルメン・カルボ副大臣は先日バチカンを訪問して、教皇庁幹部と会談したが、最終決定権は大聖堂にあるという。
政府関係筋によると、改正案は一般人が入場できる公的施設での埋葬を禁止するほか、これを阻止しなかった教会や墓地などに対する罰則も検討されている。

DGT、交通違反取締強化キャンペーン開始

総合交通局(DGT)は、昨日より中央分離帯などが存在しない中規模以下の自動車道で、交通違反の取り締まりキャンペーンを開始した。
これらの道路では、年間の死者・負傷者数が全体の77%に上るとされ、飲酒・薬物摂取、スピード違反、通話やチャットの使用など、あらゆる違反を取り締まる。
全国の自動車道には、治安警備隊の交通隊員や地方警察官ら1000人以上が配備され、取り締まりにあたっている。
また、地上だけでなく空からもDGTのヘリコプターが監視を行なっている。
このキャンペーンは日曜日まで続けられる。


2018年11月5日(月)

10月の失業者数、5万2195人増

労働省の発表によると、先月の失業者数は前月比5万2195人増加した。
前年同月比では4650人減少しており、総数は325万4703人となった。
職業別では、教育での減少が目立っているが、サービス業、医療と社会福祉では増加している。
自治州別では、バレンシアで最も減少しており、これにマドリッドとパイス・バスコが続く。
逆に最も増加したのはアンダルシアとカタルーニャだった。

ベニドルムのホテルに偽の訴えを起こしたツーリスト敗訴

夏期のバカンスシーズンに多くの英国人が滞在することで知られるリゾート地ベニドルム。
ここのホテルの食事で食中毒にあったという偽の訴えを起こしていた英国人4人に対し、同国の裁判所は偽証であると判断し、逆に842ユーロの罰金と3カ月の刑(執行猶予2年)を言い渡した。
この4名は家族で、3年前に同地のホテルで食事をした後、腹痛や吐き気など食中毒の症状を訴え、帰国後に地元リバプールの裁判所に訴えを起こした。
偽証の判断の決め手となったのは、滞在中にこの家族がSNSにアップした写真で、楽しそうにアルコールを飲んでいる様子が撮影されており、体調を崩した様子はまったく見られなかったという。
被害に遭ったホテルの広報担当者は、弊社では法律に基づいたコントロールだけでなく、独自のチェックを行い、提供する食事の安全対策は万全であるとコメントした。
スペインでは、英国人が多く訪れるリゾート地のホテルで同様の訴えが数年前から多発しているが、ほとんどの場合は返金及び賠償金目当ての詐欺であるという。
ホテル側にとっては英国で高額の裁判費用を支払うよりも、内々に賠償金を払う方が安上がりであることから、偽の訴えを起こすよう顧客に薦める旅行会社すらあるという。

18県で悪天候による注意報

昨日よりガリシアに到達した大西洋前線の影響により、本日はほぼ全国的に雨模様の天気となるが、特にイベリア半島北部及び南東部を中心とした18県に注意報が発令されている。
気象局によると、バルセロナ、レリダとタラゴナには大雨注意報が、レオンとナバラには大雪注意報が、アルメリア、グラナダ、マラガ、カンタブリア、ジローナ、ポンテベドラ、ビスカヤ、ギプスコアとムルシアには波浪注意報が出ている。
さらにウエスカには大雨及び大雪、コルーニャには大雨と高波、ルーゴにも大雨と高波、アストゥリアスには大雨、大雪と高波注意報がそれぞれ出ている。


2018年11月2日(金)

最高検察庁、ジュンケラス氏に25年、フォルカデル氏、両ジョルディ氏等に17年の求刑

最高検察庁は本日、1−O事件(カタルーニャ違憲住民投票)により予防収監されていた独立派メンバー等に対し、それぞれに該当する罪状に応じた起訴状を提出した。
これによると、独立派政党ERCの元党首であり、カタルーニャ独立運動の首謀者の一人と見られるオリオル・ジュンケラス氏は内乱罪、公金横領罪、そして不服従の罪で25年、カルメ・フォルカデル元カタルーニャ州議会議長(ERC所属)、ジョルディ・サンチェス元ANC会長(JxCat所属)、ジョルディ・クイシャルト元Omunium会長等には内乱罪で17年、ジョセップ・ジュイス・トラペロ元カタルーニャ警察長官、セサル・プーチ元内務局事務局長、ペレ・ソレール元カタルーニャ警察局長には内乱罪で11年、独立派政党JxCat党員で元カタルーニャ内務局長のジョアキム・フォルン氏、元カタルーニャ官房局長を務めていたジョルディ・トゥルール氏(JxCat所属)、ジョセップ・ルル元カタルーニャ勧業局長(JxCat所属)、ラウル・ロメバ元外務局長(ERC所属)、ドロールス・バサ元労働局長(ERC所属)等には同じく内乱罪、公金横領罪で16年、メリチェル・ボラス元統治局長(CDC所属)、カルラス・ムンド元法務局長(ERC所属)、サンティ・ビラ元経済局長(JxCat所属)には公金横領罪と不服従の罪で7年、更に、元カタルーニャ州議会執行部の各メンバー、ジュイス・コロミナス氏(CDC)、アンナ・シモ氏(ERC)、ラモナ・バルフェ氏(CDC)、ジュイス・ギノ氏(JxCat)、ミレイア・ボヤ氏(CUP)、ジョアン・ジョセップ・ヌエ氏(ECP)等については1年8カ月の懲役と10カ月の公務就任欠格期間での公訴となった。
 一方、ペドロ・サンチェス首相率いる中央政府の下部機関に当たる政府弁護局は、全てのメンバーの起訴状から内乱罪を外し、これよりもはるかに軽度なものとなる騒乱・扇動罪による起訴状を提出。
これにより、求刑期間は最高検察庁が行ったものと比較すると半減するものが多く、与党PSOEが政権維持のため、カタルーニャ独立派勢力に対し媚びを売ったとの味方も強い。


2018年11月1日は、諸聖人の祝日のためニュースはお休みとさせていただきます。 


2018年10月31日(水)

スペイン経済、第3・四半期の成長率0.6%

国家統計局の本日の発表によると、今年の7月〜9月にかけての3か月間における国民総生産は、4月〜6月間と比較して0.6%の成長となり、9カ月間連続で同レベルの安定した成長率を維持している。
また、前年度同時期比較では、今年第3・四半期も第2・四半期とほぼ同様の成長率、2.5%のプラスを示した。
雇用についても、前四半期の0.8%プラスには至らなかったが、0.7%の増加となっており、過去12カ月間におけるトータルとしては2.5%のプラス、45万件の増加となった。

コカ・コーラ、セビージャ工場を拡大しヨーロッパ最大規模へ

コカ・コーラ ヨーロピアン パートナーズ社は、セビージャのラ・リンコナーダ市にある同社工場に今年から2019年にかけて更なる4400万ユーロの投資を行ない、ヨーロッパ最大の工場とすることを決定。
同工場は現在19万平米の面積を持ち、年間7億4千万リットルの製品を生産しているが、今回の拡大プランにより総面積は21万3千平米となる。
これによる地域産業へのインパクトは大きく、現時点でアンダルシアの総生産額の0.8%を占め、直接・間接的なトータル雇用数は16000人にのぼる。


2018年10月30日(火)

レンフェ、ストで295本運休

スペイン国鉄レンフェの労働組合は、諸聖人の祝日の前日にあたる明日ストライキを予定している。
これを受けてレンフェは、高速列車AVEを含む長距離87本と中距離208本の計295本を運休すると発表した。
今回のストは公共事業の保護と週37.5時間労働の導入を訴えるもので、23時間にわたって行われる予定。
尚、勧業省によって設定されたミニマム・サービスは、長距離が78%、中距離が65%。
この日のチケットをすでに購入済みの利用客には、可能な限りキャンセルされた列車に近い時間帯の便をオファーするという。
レンフェのストは今年7月27日以来。

アストゥリアス、悪天候で被害

冬型の気圧配置により北部を中心に各地で悪天候が続いているが、特にアストゥリアスでは、列車の運休や道路寸断などの被害が相次いでいる。
報道によると、アストゥリアスとレオンを結ぶ列車の路線では大雪のため線路がふさがり、運休を余儀なくされた。
また、枝の落下や倒木により自動車道が寸断され、軍隊が出動して復旧作業に当たっている。
さらに本日午前の時点で4500軒で停電が続いている。
気象局は本日も27県に警報・注意報を発令しており、注意を呼び掛けている。

マドリッドでエジプト秘宝展

マドリッドのカイシャ・フォーラムでは「ファラオ、エジプトの王」展を開催中。
この展示では、大英博物館の協賛により、同館から貸与された紀元前3000年からローマの侵略までのものとされる164点が公開される。
この特別展は来年1月20日まで、入場料は一般4ユーロ、カイシャバンクの顧客は無料。


2018年10月29日(月)

サンチェス政権への期待感減少

マリアノ・ラホイ前首相に対する不信任動議可決により発足した社労党(PSOE)のペドロ・サンチェス政権が3カ月を迎えた。
20minutos紙が行った世論調査によると、発足直後の調査では期待感が19.58ポイントと同調査開始以来最高値であったのに対し、今回は16.42ポイントに下がっている。
また政治以外では、雇用や住居に対する失望感、さらには環境保護の不備についても不満が高まっている。
一方で医療や教育の質に関しては評価が上がっている。

28県で悪天候による警報・注意報

冬時間開始とほぼ同時に全国的に気温の低下が見られ、北部地域などを中心に悪天候となっているが、気象局では本日も28県に暴風雨や大雪などによる警報・注意報を発令している。
それによると、カンタブリア、ブルゴスには大雪警報が、レオン、パレンシア、セゴビア、ナバラ、リオハ、アラバ、ビスカヤ、ギプスコアとアストゥリアスにも同注意報が出ている。
特にアストゥリアスでは、南西部を中心に15の学校を本日休校となった。
また、カステジョンとタラゴナには強風警報、アルメリア、グラナダ、ウエスカ、サラゴサ、アルバセテ、メリージャ、アリカンテ、バレンシア、バレアレスとムルシアには同注意報が発令されている。
このうちバレアレスでは大雨注意報が、ウエスカとレリダでは低温注意報も出ている。
さらに、カタルーニャのタラゴナ、アンダルシアのアルメリアとグラナダ、カナリアスのラス・パルマス、バレンシアのアリカンテとバレンシア、バレアレス、メリージャとムルシアには高波などの海上注意報も発令されている。

レアル、クラシコで大敗、監督解任は必至

昨日バルセロナで行われたサッカースペインリーグの伝統の一戦、クラシコ。
FCバルセロナとレアル・マドリッドという2大チームの対戦とあり、その時点の順位や成績に関係なく常に世界的な注目を集める闘いである。
特に今回は不調のレアルを指揮するジューレン・ロペテギ監督の進退が問われる試合でもあった。
結果はバルサがルイス・スアレスの2得点を含む5点を挙げ、5対1で圧勝した。
ロペテギ監督は、スペイン選抜の監督を務めていたが、、今年のワールドカップで代表の初戦直前に今季からレアルの監督に就任する事を発表し、スペインサッカー協会からまさかの解雇通告を受けた。
各方面から批判を浴び、鳴り物入りで就任した同監督であったが、思わしい結果を出すことなく解任となる模様。
尚、後任にはイタリア人のアントニオ・コンテ氏が就任と報道されている。


2018年10月25日(木)

第3四半期の失業率、2008年以来の低い数値に

国家統計局(INE)の調査によると、今年の第3四半期の失業率は14.55%で、2008年の第4四半期以来約10年ぶりに15%台を割った。
また、前年同期比では1.83ポイント減少している。
これらの数値を業種別でみると、夏の観光シーズンの影響により、サービス業での減少が最も顕著で、これに建設業と工業が続く。
逆に農業では増加している。
年齢別でみると、若年層の失業が増加しており、昨年の第4四半期と比較して6100人増加している。
自治州別では、最も失業率が下がったのはバレアレス、カタルーニャ、カナリアスといった観光地で、4位はラ・マンチャだった。
一方、パイス・バスコでは最も増加している。

被害者団体、フランコのアルムデナ埋葬阻止を政府に要求

独裁者フランシスコ・フランコの遺体が戦没者の谷から発掘された場合、アルムデナ大聖堂に埋葬すると遺族が発表したことを受け、独裁政権の被害者団体らが、これを阻止するよう政府に要求している。
訴えを起こしているのは同団体のほか、労働組合、市民団体、文化協会など47団体で、本日午後7時よりマドリッドの中心にあるソル広場から同大聖堂までのデモ行進を予定している。
集会の主催者は、フランコをマドリッドの中心地にあるカテドラルに埋葬するのは、被害者家族だけでなく、スペイン社会に対する侮辱であると訴えた。
さらに、埋葬されればこのカテドラルがフランコ支持者やファシストたちの聖地となることは明らかで、そうなれば我々は反ファシズム運動で反撃すると述べた。
一方、カルメン・カルボ副首相は、埋葬を法的に阻止する事は難しいとコメントしている。

マドリッド市、新しい交通法規施行開始

マドリッド市では、議会で可決された新しい交通法規の施行を昨日より開始した。
歩行者や障害者に優しい街づくりを目指す同市では、狭い道での自動車の制限速度を下げた他、バイク、自転車やキックボードなどが、歩行者、車いすやベビーカー利用者の妨げにならないよう法規を改正した。
具体的には、1車線または上下1車線ずつしかない車道の制限速度は基本的に時速30キロに下げられた。
これは市内車道の85%にあたるという。
また自転車は原則歩道の通行は禁止となり、車道もしくは自転車専用道のみとなるが、12歳以下の子供については、徒歩の保護者同伴であれば歩道や遊歩道の通行が許される。
さらに電動キックボードも同様に歩道の通行が禁止され、車道及び自転車専用道での利用となる。
電動でない場合は歩道の通行が認められるが、最高時速は5キロに制限される。
一方駐輪スペースについては、基本的には専用の駐輪場の利用が義務付けられるが、それがない場合は歩道に止める事が許される。
ただし歩行者用のスペースとして最低3メートルの余裕がある場所が前提となる。


2018年10月23日(火)

ポデモスとERC、軍事パレード廃止を要求

左派ポデモス党とカタルーニャ独立推進派のERCは本日の下院議会において、軍事パレードの廃止を訴えた。
ポデモスは、先日行われたイスパニア・デーの経費が80万ユーロに上った事を挙げ、5月には「軍隊の日」の式典で同様のパレードがあり、何度も行う必要性が見当たらないとし、10月の式典から軍事パレードを除くよう要求した。
一方ERCは、医療や教育予算が削減されるなか、軍事式典の経費は不要であり、また、調査では国民の半数が、このような式典を喜んでいないとし、イスパニアデーだけでなくあらゆる軍事式典の廃止を要求した。

ライアン・エアーがオランダでスト、スペインにも影響か

アイルランドのローコスト航空ライアンエアーの客室乗務員によるストライキが、本日 オランダの都市アイントフォーフェン発着便で予定されている。
スペインでの影響はまだ未知数であるが、この空港からはマラガ、マドリッド、イビサ、バレンシアなどで計13便運航している。
今回のストはアイントフォーフェン線を同社が一方的に廃止したことに抗議したもので、中には数か月前に契約し、この町に引っ越してきたばかりの乗務員もいるという。
尚このストは、アムステルダムなどほかの都市からの発着便には影響しないという。

週末から気温低下

スペイン各地では先週まで悪天候に見舞われたが、今週に入ってからは穏やかな天候が続いている。
しかしながら気象局によると、今週金曜日から寒冷前線の発生により、極端な気温の低下が見られるという。
特に土曜日にはイベリア半島ほぼ全域とバレアレス諸島の一部で低下が際立つ模様。
また、半島北部を中心に雨も予想され、ピレネーなどの山間部では標高1000メートル以上で積雪が見込まれるなど、この時期としては比較的低地でも雪となる模様。


2018年10月22日(月)

世論調査、PSOE首位キープも得票率減少

エル・パイス紙の世論調査によると、今選挙が行われた場合の得票率は、与党社労党(PSOE)が25.2%で首位をキープしたものの、9月に行われた前回の調査より2.5ポイント減少した。
PSOEは、主要政党の中で最も減少率が高い政党であったが、相次ぐ大臣の不祥事や首相自身の博士論文疑惑などが影響したとみられる。
2位の民衆党(PP)は22.6%で、前回より0.2ポイント、3位のシウダダノスは1.6ポイント落として19.2%だった。
同調査によると、前回の選挙でPPに投票した人がシウダダノスに流れ、シウダダノス支持者の票が極右政党ボックスに流れているという。
尚ボックスは5.1%で5位につけている。
左派のウニ―ドス・ポデモスは4位を維持したうえ、2.6ポイント上昇している。
一方、党首に対する評価では、PSOEのペドロ・サンチェス首相とシウダダノスのアルベール・リベラ氏が同点で首位、3位のパブロ・カサードPP党首と4位のパブロ・イグレシアス代表(ウニ―ドス・ポデモス)は順位は変わらないものの、前月比6ポイントと2ポイントそれぞれ上昇している。

似てなさすぎと話題の王女硬貨、本日より販売

スペイン造幣局は、アストゥリアス王国建国1300年の記念硬貨を本日より販売する。
この硬貨は、銀と銅でできた300ユーロの銀貨で、今年から正式に王位継承者としての公務を開始したレオノール王女の横顔が、父であるフェリペ6世のそれと共に刻まれている。
硬貨のデザインは今年7月に発表されたが、国王の肖像に比べ、王女のそれは本人であることを判別できないとの批判がでていた。
この記念硬貨は100万枚限定で販売される。

マルケス、7度目の世界選手権優勝、日本GP

日本で行われたオートバイの世界選手権第16戦モトGPで、優勝に王手をかけていたスペインのマルク・マルケス選手が2戦を残して今年の総合優勝を手にした。
同選手の優勝は通算7度目、このうち5回は最高峰カテゴリーのモトGPである。
これによりマルケス選手は、歴代優勝者のトップ5に入ったが、まだ25歳で、これからもランクを上げていく可能性が期待される。


20年10月19日(金)

元大臣、アンダルシアの子供たちを中傷

マリアノ・ラホイ政権で農業大臣を務めた民衆党(PP)のイサベル・ガルシア・テヘリノ氏が、アンダルシアの子供たちを中傷する発言を行い、波紋を呼んでいる。
国営放送の朝の報道番組に出演した同氏は、PPが統治する自治州の子供たちは学力が非常に高いとしたうえで、社労党(PSOE)が長期に渡って統治するアンダルシアの10歳の子供の学力は、カスティージャ・イ・レオンの8歳と同等であると発言した。
この発言により、ただちに各界から批判の声が挙がったが、PP内部からもアンダルシア出身の党員を中心に反発が広がっている。
PPでは以前にも当時の保健大臣であったアナ・マト氏が、アンダルシアの子供たちは実質的に非識字者である、とコメントして物議を醸したことがある。

気象局、カステジョンなどの特別警報を引き下げ

大西洋からの低気圧により、地中海沿岸部を中心に悪天候が続いているが、気象局は本日、カステジョン、テルエルとタラゴナに発令していた暴風雨特別警報を警報に引き下げた。
これらの地域では家屋の浸水が起き、体育館などに住民が避難した地域もある。
また、一部の道路では水が溢れ、消防隊員は乗っていた車に閉じ込められた人達の救出作業などに追われた。
同局では引き下げたとはいえ、警報は続いているため、十分警戒するよう呼び掛けている。

バルセロナでロートレックとモンマルトルのエスプリ展

バルセロナのカイシャ・フォーラムでは「ロートレックとモンマルトルのエスプリ」展を開催中。
この展示ではフランスの画家トゥールーズ・ロートレックと彼が主に活動したパリのモンマルトルに集った画家たちの作品345点が公開されている。
このうちロートレックの作品は61点で世界中のコレクションから貸与されたもの。
同展は来年1月20日まで。


2018年10月18日(木)

バルセロナ市議会選、世論調査でERCがトップ

カタルーニャの地方紙エル・ペリオディコは、市議会選挙に関する世論調査の結果を発表した。
それによると、今選挙が行われた場合、独立推進派のERCが全41議席中、10〜11議席を獲得してトップとなる。
これに続くのは現職のアダ・コラウ市長が所属するBコムで8〜9議席。
また、マヌエル・ヴァルス元フランス首相が設立し、シウダダノスが後援する市民団体は3位で、前回の選挙のシウダダノスの議席より2議席多かった。
さらに社労党カタルーニャも前回より2議席増加すると予測される。
一方、民衆党(PP)はこの調査によると、1議席も獲得できず、これはスペイン民主化後、初めてとなる。
この調査通りの結果となれば、コラウ市長の政党の単独政権も、独立派の連立も困難であるとみられる。

保健省、禁煙の公共スペース拡大を検討

スペインでは現在、屋内の公共施設、飲食店などのレジャー施設などでの喫煙が禁止されているが、保健省はこれを屋外施設にも拡大する事を検討しているという。
同省が、専門医や主要政党の担当議員らと作る諮問機関は、国民の健康とタバコに関する会議を行った。
その中で、これまでの屋内施設だけでなく、ビーチや飲食店のテラス席、病院の周辺や自家用車内などでも禁煙にすることが提案された。
スペインでは屋内公共スペースが全面禁煙になって以来、多くの国民がタバコを止めたが、それでも喫煙者は全国民の25%にあたるという。
また、昨年禁煙を試みた人の95%がいかなる公的支援も受けてないとしており、禁止政策だけでなく援助の面でもサポートしていく事で一致した。

国王地下鉄乗車、記念式典で

来年操業100周年を迎えるマドリッド地下鉄では、1年間にわたって様々なイベントが行われるが、99年目にあたる昨日、記念行事開始の特別式典が行われた。
出席したフェリペ国王夫妻は、アンヘル・ガリード州知事と共にソル駅から乗車した。
駆け付けた報道陣から、地下鉄のユーザーではないですね、と尋ねられた国王は、「手近にないものですから」とユーモラスに答え、その場を沸かせた。
国王は、皇太子時代に路線の延長の式典などで乗車経験はあるものの、国王としては初乗車であった。
同駅の1番線ホームで一般乗客と同じように電車を待っていた国王は、特別にリザーブされた一番前の車両に乗り込んだ。
殆どの人は国王が同じ電車に乗っている事を知らず、他の車両がガラガラなのになぜ1号車だけ混んでいるのかわからなかったとコメントした乗客もいた。
また、バルデアセデラス駅から一駅だけ国王と同じ車両に乗ることを許された女性は、良い記念になったと喜んでいた。
尚、国王夫妻らはチャマルティン駅で下車した。


2018年10月16日(火)

スペイン人の7人中6人が汚染された空気を呼吸

環境保護団体の調査によると、スペイン国民の24.6%が大気汚染に晒された状態で生活しているという。
それによると、約1150万人の国民が悪い空気を吸っており、これは7人中6人という計算になる。
今年は特にラ・マンチャ、エクストレマドゥーラ、マドリッドとムルシアでの汚染が際立っているという。
逆に汚染が低かったのは、カンタブリア、エブロ峡谷、カスティージャ・イ・レオンとカナリアスであった。
この団体の代表らによると、スペインでは、大気汚染が急激に悪化した際の緊急対策が無いに等しいという。
また、大気汚染のレベルや健康被害の危険性に対する情報が乏しいうえ、専門家でないとわからないような難解なデータしか提示されていないと批判している。
そのため、公的機関は市民にわかりやすい情報提供を行う努力をするべきだと強調している。

政府、カタルーニャ州議会の王室非難決議を上告へ

スペイン政府は、カタルーニャ自治州議会が先週可決した国王及び王室制度に対する非難決議を司法裁判所に上告すると発表した。
この決議は王制の廃止を要求するものであるが、王室問題は自治州の管轄ではないため、法的有効性はない。
中央政府のカルメン・カルボ副大臣は、前述の点を踏まえたうえで、法的有効性はないが、政治的責任は重大であると指摘した。

スペイン、イングランドに敗れる、ネーションズ・リーグ

セビージャのベニート・ビジャマリンサッカー場で昨日、ネーションズ・リーグのスペイン対イングランド戦が行われた。
ルイス・エンリケ監督就任以降、大量得点で順調に勝ち星を挙げてきたスペイン選抜であったが、昨日は2対3で敗北を喫し、同監督にとっては初黒星となった。
これにより、スペインがグループ・リーグを突破するには、次回のクロアチア戦が大きなカギとなる。


2018年10月15日(月)

イスパニア・デーの式典、首相に罵声

イスパニア・デーの祝日であった先週金曜日、毎年恒例の軍事式典がマドリッドで行われた。
ペドロ・サンチェス首相にとっては就任以来初の式典であったが、詰めかけた観衆からは、拍手もあったものの、その多くは罵声であり、不信任動議により選挙なしで首相に就任したことから、「不法占拠者」、「出ていけ」などとヤジる声が挙がった。
これについて首相は、フェリペ・ゴンサレス氏やホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ氏といった歴代の社会労働党選出首相は皆、この日に罵声を浴びており、自分も例外には当たらないとして、さほど重要視しないとコメントした。
式典にはサンチェス政権の閣僚がほぼ全員出席したほか、野党のパブロ・カサードPP党首やシウダダノスのアルベール・リベラ党首らも出席したが、ポデモスのパブロ・イグレシアス代表は今年も欠席した。
一方、レオノール王女は、貴賓席においてこれまでは母レティシア王妃と妹のソフィア内親王との間に座っていたが、王位継承者として、今年は父であるフェリペ6世国王の右側に着席した。
式典とその後の軍事パレードは恙なく進行したが、雨天のため軍用機による航空ショーは中止となった。

16県で悪天候による警報・注意報

気象局は本日16県に大雨や強風などによる警報・注意報を発令している。
それによると、ウエスカ、バルセロナ、ジローナ、レリダ、マジョルカとメノルカには大雨警報が出されている。
また、バルセロナ、ジローナ、マジョルカとメノルカには高波注意報が、ジローナとレリダには強風注意報も出ている。
さらに、カディス、サラゴサ、ナバラ、イビサとフォルメンテーラにも大雨注意報が出ているが、特にフォルメンテーラでは暴風雨に対する注意報も発令されている。
アルメリア、グラナダ、タラゴナ、マジョルカ、ポンテベドラとア・コルーニャにも時化による注意報が出ているが、コルーニャでは強風にも注意が必要という。

マドリッド地下鉄、列車ブレーキで発電

マドリッド地下鉄は、列車がブレーキをかける際に発生するエネルギーを地下鉄運営の電源に再利用するプロジェクトを発表した。
このエネルギーの利用はこれまで非常に限定的なものであったが、新しいシステムにより、他の車両への利用以外にも、駅の照明、エスカレーター、改札などあらゆる設備の電源として利用が可能となった。
このシステムは第一段階として10B線のラ・モラレハ駅に設置され、来年夏までには バリオ・デル・プエルト、ラ・ペセタとオスピタル・デ・モストレスの各駅に設置される予定。
同地下鉄の関係者によると、このシステムにより、1年間で一般家庭1千軒の年間電気消費量分を節約できるという。
尚、これと類似したシステムは、国内ではビルバオやバルセロナ、海外ではベルギーのブリュッセルなどですでに導入されている。


2018年10月9日(火)

アンダルシア、自治州選挙の前倒し発表

アンダルシアのスサーナ・ディアス州知事は昨日、自治州選挙の前倒しを発表した。
同州知事は、州議会の閣僚会議で選挙実施の勅令にサインした後に記者会見を行った。
それによると、会期満了は来年3月であるが、州選挙は今年12月2日に実施するという。
前倒しはかねてから噂されていたが、連立政権を樹立していたシウダダノスが、約1カ月前に協定破棄を通告して以来、解散は時間の問題とみられていた。
シウダダノスのアルベール・リベラ党首は破棄の理由について、州政府が公約を守らず、また歩み寄りの努力を怠ったためなどとしている。
ディアス州知事は、このままでは自治州予算の成立に支障をきたすため、解散・選挙に踏み切ったとしている。

連休のお天気、低気圧の発達で荒れ模様

今週金曜日はイスパニア・デーの祝日であるため3連休となるが、気象局によると大西洋上で低気圧が発達するため、多くの地域で悪天候に見舞われる模様。
それによると、木曜日には大西洋前線の到来により、雨雲がイベリア半島を西から東へと移動、そのため半島中央以西、特にガリシアではかなり激しい雨となる模様。
この前線は地中海沿岸部まで達するものの、そのころには勢力を弱めており、局地的な小雨程度となる見込み。
また、最高・最低気温ともに全国的に上昇するという。
金曜日から土曜日にかけて、前線通過後は、天気も徐々に回復に向かうが、日曜日には大西洋上でサイクロンが発生するため、再び不安定な天候が見込まれるが、イベリア半島に接近するかは不明。

イスパニア・デー、軍事パレードのルート発表

今週金曜日にマドリッドで開催されるイスパニア・デーの軍事パレードの時間やルートなどが発表された。
それによると、午前11時には、フェリペ6世国王夫妻がリマ広場に到着し、ここから式典が開始、軍事礼式、国旗掲揚やパラシュート部隊の演習後にパレードが始まり、上空では航空ショーも行われる。
パレードはクスコ広場から始まり、国王夫妻や政府閣僚らが列席するリマ広場に到着し、式典の終了は午後1時頃となる。
パレードや式典が行われるのはカステジャーナ大通りの北部クスコ広場から、リマ広場の間で、国王夫妻らの来賓席はサンティアゴ・ベルナベウサッカー場の正面付近に設置される。
この付近では当日だけでなく木曜日も警備や予行演習のために通行止めとなり、市バスのルートも変更される。
このため政府は、木曜から金曜にかけてはなるべく地下鉄を利用するよう呼び掛けている。


2018年10月8日(月)

モンセラット・カバジェさんの葬儀、首相と州知事も出席

先週土曜日に死去した世界的ソプラノ歌手、モンセラット・カバジェさんの葬儀は本日正午よりバルセロナの葬儀場で行われるが、芸能界だけでなく政界からも多くの人が参加を表明している。
特に現在中央政府とカタルーニャ州の関係が緊迫状態にあることから、ペドロ・サンチェス首相とキム・トーラ州知事の接触が注目されている。
また、そのほかにも政府からはホセ・ギラオ文化大臣、野党民衆党(PP)からはパブロ・カサード党首、シウダダノスからはカタルーニャ代表のイネス・アリマダ氏、バルセロナ市長のアダ・コラウ氏、ソフィア皇太后らが出席する予定。
カバジェ氏は85歳で死去、世界最高のソプラノ歌手の一人として知られ、40年以上のキャリアを持つ。
クラシック音楽だけでなく、ポップス歌手らとも共演、バーブラ・ストライザンドやフランク・シナトラ、またバルセロナ・オリンピックのテーマソングでは故フレディ・マーキュリーとコラボしたことでも知られる。

7県で悪天候による注意報

本日はイベリア半島の多くの地域で雨や強風に見舞われると予測されているが、気象局は7県に注意報を発令している。
それによると、ナバラとギプスコアには大雨注意報が出されている。
またカタルーニャのバルセロナ、ジローナとタラゴナ、バレアレスのマジョルカとメノルカにはそれぞれ暴風雨による注意報が発令されている。
同局では、それ以外の地域でも外出や車の運転時には十分注意するよう呼び掛けている。

マドリッド、極右集会に1万人

マドリッドのビスタ・アレグレコンベンションセンターでは昨日、極右政党ボックスの集会が開かれ、主催者発表によると1万人が参加した。
サンティアゴ・アバスカル党首が、次期選挙での議席獲得を目標に掲げ、不法移民の送還、反女性蔑視法や歴史記憶法の廃止などを訴えると、スペイン国旗で染まった会場からは、大きな歓声が挙がった。
また同党首は、カタルーニャの独立派や社労党政権を批判するだけでなく、民衆党やシウダダノスなどの中道右派についても日和見主義である、と槍玉にあげた。
会場には著名人の姿もみられ、作家のフェルナンド・サンチェス・ドラゴ氏、ジャーナリストのヘルマン・テルツィ氏、闘牛士のモランテ・デ・プエブラ氏、さらには左派政党ポデモス創始者のひとりであるフアン・カルロス・モネデロ氏の父親、サルバドール・モネデロ氏も参加していた。
尚、ビスタ・アレグレはポデモスが初めて集会を行った場所としても知られている。


2018年10月5日(金)

アギーレ元知事「9万ユーロのために収監は残念」

民衆党(PP)のエスペランサ・アギーレ元マドリッド州知事は、地方テレビ局テレマドリッドのインタビューに応じた。
その中でアギーレ氏は、先日横領罪で4年半の実刑判決を受けたロドリゴ・ラト元経済大臣について語った。
同氏は、最高裁の判決は尊重するとしたうえで、「9万ユーロのために、しかも返還したにも拘わらず、収監されるのは残念な事である」とコメントした。
さらに、ラト氏が判決を受けたブラックカード事件では、PPの政治家だけでなく、社会労働党(PSOE)、左派連合(IU)や労働組合関係者なども名前を連ねているにも拘わらず、ラト氏の事だけを取り上げるのは不公平であると締めくくった。

ライアンエアー告訴のカップルが敗訴

バルセロナの地方裁判所は、ストによるキャンセルで被害を被ったとしてローコスト航空ライアンエアーを告訴していたカップルの訴えを退けた。
このカップルは去る4月1日にポルトガルのポルトからバルセロナに飛ぶはずであったが、客室乗務員のストに巻き込まれてフライトがキャンセルとなった。
そのためこのカップルは他の航空会社のチケットを新たに購入して旅を続けたが、その後ライアンエアーを相手取って500ユーロの損害賠償を求める訴訟を起こした。
これに対し同社は、内部ストライキは不可抗力であると反論、さらに利用客には事前にメールでキャンセルを通知し、代替案の提案やチケット代の返金など、航空会社としての責務は果たしている事を強調した。
判決文によると、政情不安、悪天候や今回のようなストライキなど安全な運航に支障が出る可能性があるケースの欠航は不可抗力であり、免責事項であるとし、損害賠償の支払い義務を否定した。
この判決は決定的なものであり、上訴は出来ないという。
尚、スペイン国内では同航空会社に対する訴訟において、バダホス、オレンセとポンテベドラでも同様の判決が下されている。

ティツィアーノの宗教画が落下、エル・エスコリアル

マドリッドのエル・エスコリアル修道院の聖具室に保管されているティツィアーノの「キリストの磔刑」が落下するアクシデントが起きた。
国家遺産局によると、原因はこの絵画が飾られていた壁のしっくいの劣化によるものとみられ、絵の部分を下にしてうつぶせに倒れたという。
242x137センチのこの油彩画は、下部にかなり大きな傷がついたが、キリストが描かれている部分には損傷はないという。


2018年10月4日(木)

欧州人権裁判所、独立派の訴え「根拠なし」

欧州人権裁判所は、カタルーニャの違憲州民投票に関連して、独立推進派の女性がスペイン政府に対して起こした訴えを棄却した。
この女性は州民投票の選挙管理委員の一人であったが、投票自体が違憲であることから、国の憲法裁判所から出頭命令を受けていた。
だが女性がこれに応じなかったため、同裁判所は違反に対する罰金支払いを命じた。
これに対してこの女性は、個人的に支払い命令を受け取っておらず、また個人では支払えない高額の罰金であることから、国から差別的行為を受けたとして、欧州連合の人権問題を扱うこの裁判所に訴えを起こしていた。
同裁判所は、最終的な罰金の通告を個人的に受け取っていなかったのは事実であると認めたが、それまでの過程において個人宛てに文書が送付されていたと指摘。
また他のメンバーはこれらの通告に対して控訴しており、この女性も裁判所令に従わないとどのような結果が生じるかを把握できたはずであるとしている。
さらに、この女性が選挙管理委員の職を辞した時点で憲法裁判所も訴えを取り下げており、罰金も発生しなかった事から、経済的困難な状況にも陥らなかったと指摘した。
そして、人権無視という訴えは「全く根拠がみられない」としている。

元経済大臣、横領で4年半の実刑

スペイン最高裁は、ロドリゴ・ラト元経済大臣に対し「ブラックカード事件」における横領罪で4年半の実刑判決を言い渡した。
この事件では、金融機関カハ・マドリッド(現バンキア)の頭取であったミゲル・ブレサ氏(故人)が、役員らの経費の支払いのために特別にクレジットカードを作製したもので、限度額がなく、利用明細や領収書の提出も必要なかった。
ブレサ氏の後任となったラト氏は、このシステムを継続しただけでなく、利用者などの拡大を行った。
ラト氏は、元々あったものを利用しただけであると、責任を否定したが、最高裁はこのシステムにより1200万ユーロ以上が流用され、カハ・マドリッドの資産に甚大な損害をもたらした、民衆党政権で経済大臣、その後IMFの総裁を務めた同氏がこの状況を把握していなかったとは考えにくいとしている。
ラト氏は直ちに収監されるのではなく、最高裁が判決の執行を命じてから数日以内に自主的に入所することとなる。

戦没者の谷訪問者、113%増

独裁者フランシスコ・フランコ将軍が埋葬されている戦没者の谷を訪問する人が、急増している。
このモニュメントは、ペドロ・サンチェス政権が、内戦で犠牲となった人たちと同じ地に埋葬されているフランコの遺体を移転させようとしていることで大きな注目を浴び、7月ごろから徐々に増加していった。
そして、遺体掘り起こしに関する勅令が出された8月に急増し、先月の訪問者数は5万3097人に達した。
これは前年同月比113%の増加である。
尚、このモニュメントの入場料は9ユーロとなっている。


2018年10月2日(火)

CDRの抗議活動、さらに激化

昨日早朝よりカタルーニャ州内各地で道路や線路の封鎖などの抗議活動を行っていたCDRのメンバーら独立推進派は、キム・トーラ州知事の激励を受けたものか、その行為は午後以降さらに激化していった。
午後8時半過ぎには州議会前に集結したメンバーらが州知事らを罵倒し、議会を囲っているフェンスを外し、侵入しようとする者もいた。
自治州警察は事態の収拾に努めたが、メンバーらは外したフェンスや塗料などを投げつけて応酬した。
さらに午後9時頃には、国家警察本部に向かうグループもあり、州警察の機動隊と衝突が起きた。
騒ぎは午前零時過ぎまで続いた。

9月の失業者数、2万441人増

 労働省は本日、9月の失業者数のデータを発表した。
それによると先月の失業者数は前月比2万441人増加した。
これは9月としては2014年以来の低い増加率であるという。
これらのデータを業種別でみると、サービス業で増加したものの、農業、建設業と工業で減少した。
男女別では、2万441人のうち男性は6157人、女性は1万4284人と圧倒的であった。
年齢層別では25歳以下の失業者が増加したのに対し、26歳以上は減少している。
また外国人労働者の失業も増加した。
自治州別では、バレアレスで5.49%、カンタブリアで4.88%と最も増加している。
一方、リオハ、ラ・マンチャ、カナリアス、パイス・バスコ、カタルーニャとマドリッドでは減少している。

8月の外国人観光客減少

国家統計局(INE)によると、8月にスペインを訪れた外国人観光客は、1020万人で、前年同月比1.9%減少した。
同局によると、減少の主な原因は、英国とドイツからの観光客が減少したためという。
それでも訪問者の国籍別ランキングでは英国が1位をキープ、これにフランスとドイツが続く。
観光客の訪問先を自治州別でみると、カタルーニャが1位で、全体の23.9%を占めた。
ただし、訪問者数については前年同月比5%下がっている。
2位はバレアレス、3位はアンダルシアだった。


2018年10月1日(月)

CDR、カタルーニャの交通網寸断、各地で混乱

当時のカタルーニャ州政府による違憲州民投票から1年を迎えた本日、独立推進団体CDRのメンバーが、州内で交通妨害を行っており、各地で混乱が起きている。
タラゴナでは高速道路の一部に古タイヤなどが置かれ、約2キロにわたって寸断されている。
バルセロナでは、午前7時よりカタルーニャ広場をはじめとする市内3か所で無届のゲリラ集会が行われた。
また、同市内では早朝から主要道路の一部が封鎖されたため、路線バスが急遽ルート変更するなどした。
さらに高速鉄道AVEでもフィゲラスーマドリッド間の線路を複数のメンバーが占拠したため、一時運行不能となった。
キム・トーラ州知事は、1周年を受けてカタルーニャ州民に、「その日」が来るまで最後まで戦うよう求め、またCDRの交通妨害などを称えるメッセージを送った。

フランコの遺体、発掘ならアルムデナ大聖堂に埋葬

マドリッド郊外の戦没者の谷に埋葬されている独裁者フランシスコ・フランコの遺体の処遇について、遺族が法務省に文書を送付した。
それによると、フランコの孫にあたるフランシスコ・フランコ・マルティネス・ボルデュウ氏は、遺体の所有権は遺族に限定されており、掘り起こしと移送は違法行為であると訴えている。
さらに、最終的に移送が決まった場合は、アルムデナ大聖堂の納骨堂に埋葬するとしている。
同大聖堂は、市の中心部に位置し、現国王の挙式が行われた事でも知られている。

ライアンエアーのスト、スペインでも大きな影響

先週金曜日に欧州6カ国で、アイルランドのローコスト航空ライアンエアーの客室乗務員のストライキが実施された。
スペインでは100便近いフライトがキャンセルとなったが、このうち64便はストを見越して事前に欠航扱いとなっていた。
それ以外の便は当日キャンセルとなり、事情を知らずに空港に出向いた利用客が、同航空会社のカウンターに長蛇の列を作った。
この突然のキャンセルは、同社が労働組合に対してミニマムサービスの設定を通達しなかったためで、従業員らはキャンセル便を自由に設定した模様。
スペイン国内だけでも1万7000人の乗客に影響が出たとされるこのストであるが、同航空会社は、事前キャンセルを数値に含めていないため、遅延や欠航はごくわずかであったと説明している。


2018年9月27日(木)

AVE グラナダ線 2019年6月に開通

高速列車AVEの開通工事が長引き、グラナダが鉄道網から孤立して3年半になるが、ようやく開通時期の発表が行われた。
ホセ・ルイス・アバロス勧業大臣によれば、来年6月にはAVEグラナダ線が運行されているとのこと。
実際には必要な工事は完了しており、セキュリティー面での試験運転が行われている。
安全の確認が終わったあと、スペイン国鉄RENFEは運転士の準備に必要な期間として14週間を予定しており、これら全ての準備が整ったところで、鉄道安全局への運行認可申請が行われることとなる。
AVEの運行が開始されるまでの間、今年11月から、マドリッドとグラナダを結ぶ便としてタルゴ特急のサービスが提供される模様。

マドリッド自治州の2019年祝祭日カレンダー確定

マドリッド自治州政府は、2019年の自治州内共通祝祭日カレンダーを可決した。
それによると、1月6日(主の御顕現)の祝日が日曜日に当たるため、翌7日の月曜日が振り替え休日となる。
また、12月8日(無原罪の御宿り)の祝日が日曜日に当たるため、これも翌9日の月曜日が振り替え休日となる。
これにより、2019年度のマドリッド自治州内共通の祝日は次の12日に決定となる。

1月1日(火)新年、1月7日(月)主の御顕現の祝日の振り替え、4月18日(聖木曜日)、
4月19日(聖金曜日)、5月1日(水)労働者の日、5月2日(木)マドリッド自治州の日、
8月15日(木)聖母被昇天、10月12日(土)イスパニアデー、
11月1日(金)諸聖人の日、12月6日(金)憲法記念日、12月9日(月)無原罪の御宿りの振り替え休日、
12月25日(水)クリスマス。

これら12日の祝日に、マドリッド自治州内の市行政がそれぞれに決める祝日が2日、追加されることとなる。


2018年9月25日(火)

PSOE、PPに10ポイント差

社会学研究所(CIS)が行った世論調査によると、与党社会労働党(PSOE)の予想得票率は30.5%で、2位の民衆党(PP)の20.8%を10ポイント近く上回った。
この調査は今月1日〜11日の間に行われており、パブロ・カサードPP党首にとっては就任後初の国家レベルの世論調査となる。
3位はシウダダノスで19.6%、ウニ―ドス・ポデモスは16.1%で4位だった。
前回の調査と比較すると、PSOEとPPは、0.6ポイントと0.3ポイントそれぞれ上昇、シウダダノスは0.8ポイント下がり、ウニ―ドス・ポデモスは0.5ポイント上昇している。
1996年以降、予想得票率は4か月ごとに発表されていたが、CISの新しい責任者の意向により毎月発表される事となった。

各政党党首評価、サンチェス首相が首位キープ

エル・パイス紙が全国の有権者に対して行った調査によると、社会労働党(PSOE)党首のペドロ・サンチェス首相を評価すると回答した人は44%で、7月の調査より1ポイント上昇した。
2位は中道右派シウダダノスのアルベール・リベラ氏で、こちらは前回より2ポイント落としている。
一方、有権者のイデオロギー別でみると、左派系の有権者の76%がサンチェス氏を支持しているのに対し、左派連合と連立しているポデモスのパブロ・イグレシアス氏への評価は29%に留まった。
右派系の有権者の間では、リベラ氏が79%で1位、民衆党(PP)のパブロ・カサード氏は68%だった。

6県で悪天候による注意報

気象局は本日、6県に悪天候による注意報を発令している。
それによると、バレンシア州のアリカンテとバレンシアには大雨注意報が、バレアレス諸島のマジョルカ島及びメノルカ島とガリシアのア・コルーニャには海上注意報が出ている。
さらにカディスでは海上注意報の他に強風注意報もでているため、同局では注意を呼び掛けている。


2018年9月24日(月)

世論調査、PSOEがトップ

エル・パイス紙は、今総選挙が行われた場合どの政党に投票するかという世論調査を実施した。
それによると、不信任動議により政権の座についた社会労働党(PSOE)は得票率27.7%でトップであったが、7月に行われた前回の調査より僅か1ポイント上昇しただけであった。
一方民衆党(PP)は22.2%で2位だったが、前回より2.2ポイント下がっており、パブロ・カサード新党首の就任は現在のところ功を奏していない模様。
また、これまではPPの票は新進右派のシウダダノスに流れる傾向にあったが、今回の調査では新進極右のボックスにも流れている。
3位はシウダダノスがキープしており、こちらは比較的安定を保っている。
逆にウニ―ドス・ポデモスは前回より1ポイント落として15.1%、この調査の結果通りとなれば、党としては史上最低の得票率となる。
左派連合と新進左派の連合であるウニ―ドス・ポデモスの票はPSOEに流れたとみられる。
尚、この調査は今月17〜19日に行われている。

マドリッド地下鉄、早朝に2路線で故障騒ぎ

マドリッドの地下鉄では本日早朝、10番線のカサ・デ・カンポ ー プエルタ・デル・スール駅間で故障が起き、上下線とも一時不通となった。
また、同6番線もレガスピ ー サインス・デ・バランダ駅間でやはり故障のため不通となった。
10番線は市の南北を横断する長い路線で、6番線も環状線であることから、月曜の早朝から多くの通勤客の足が乱れる事となった。
尚、どちらの路線も正午前には復旧したという。

8月のホテル宿泊率、0.6%減少

国家統計局(INE)によると、先月の宿泊率は前年同月比0.6%下がった。
このうちスペイン居住者の宿泊率は2.9%上昇したが、非居住者のそれは2.5%減少している。
これで3カ月連続の減少となるが、この期間でみても、居住者の宿泊は増加し、非居住者は減少している。
一方、居住者の訪問先で最も人気が高かったのは、アンダルシア、カタルーニャ、バレンシアとカナリアスで、非居住者ではバレアレスが1位だった。
旅行者を国籍別でみると、英国とドイツがそれぞれ全体の25.4%と18.2%を占めたが、英国は前年同月比4%、ドイツも同11.3%減少している。


2018年9月21日(金)

検察局、カサード事件審理の棄却を要求

検察局は、修士号不正取得の疑いがある民衆党(PP)のパブロ・カサード党首に対する審理の棄却を最高裁判所に要求した。
この事件では、予審判事が修士号取得過程に不正があった可能性が高いと判断し、下院議員としての特権に守られている同氏の審理のため最高裁に申し立てを行っていた。
検察の要求は決定的なものではないが、審議の際重要視される事が多い。
最終的な判断は最高裁によって決定されるが、審議を行う5人の裁判官のうち4人が保守系である。
カサード氏の修士号については、授業に出席した形跡がなく、論文も公開しないなど、不透明な点が多い。

今秋の天候、気温は高め

スペイン本土では今週日曜日の午前3時54分から秋となるが、気象局はこれに伴い今秋の長期予報を発表した。
それによると、イベリア半島全域とバレアレス諸島では予想平均気温は15〜16度で、平年よりやや高めの気温となる模様。
尚、今夏の平均気温は23.6度で平年より0.6度高いものであったが、熱波の到来は1度だけであった。
また非常に湿度が高く、暴風雨が多い夏であった事も特徴的である。

プラド美術館、200周年のイベント発表

マドリッドのプラド美術館は来年200周年を迎えるが、これを記念して様々なイベントが計画されている。
それによると、まず今年11月19日よりプラド美術館の歴史をテーマにした特別展が開催され、開会セレモニーには国王夫妻の出席も予定されている。
また、プラドの至宝はマドリッド市民だけでなく全国民のものであるという観点から、全自治州とセウタ、メリージャを巡回して特別展を行う。
期間中には17の特別展が開催される他、27の書籍も刊行される。
さらに国内外の専門家によるセミナーなども開催されるという。
尚、華々しいイベントの唯一の汚点は同美術館の正門のファサードに修復工事のための足場が組まれている事だが、同館の館長は、200歳という高齢なので致仕方ないとコメントした。


2018年9月20日(木)

改修工事中のホテル・リッツで事故

全面改装中のマドリッドの高級ホテルリッツの床スラブが倒壊し、作業員1名が死亡、11人が重軽傷を負った。
事故が起きたのは今週火曜日の午後4時過ぎで、床スラブが倒壊し、その勢いで足場の一部が崩れ、そこで工事を行っていた作業員らが巻き込まれた。
負傷者のうち5人はその場で治療を受けたが、残り6人は市内の複数の病院に搬送された。
消防ではまだ事故の原因を特定するに至っていないが、建物の6階部分で過積載があった可能性があるとみて調査を続けている。
同ホテルはマドリッドで最も有名な歴史的ホテルのひとつであるが、今年2月28日より完全に閉鎖され、大規模な改修工事が行われていた。
工期終了は来年末とされているが、この事故の影響で遅れる可能性もでてきた。

オペラ、シーズン初日にカタルーニャ騒動

マドリッドの王立劇場では、昨日がオペラ「ファウスト」の公演初日で、今シーズン最初の上演とあり、国王夫妻も観劇に来ていた。
上演後、観衆の拍手喝采を受けて歌手やスタッフが再び舞台に現れたが、そのうち舞台監督などスタッフ2名がカタルーニャの独立のシンボルである黄色いリボンをつけて登場したため「出ていけ」などの怒号と、他のメンバーや国王に対する拍手が入り混じり一時騒然となった。
一方劇場から出てきた国王夫妻に対しては、観衆や通りがかりの野次馬の間から拍手や「スペイン万歳」などの声が挙がった。

判事、汚職疑惑の元マドリッド州知事の公職復帰許可

エル・ムンド紙の報道によると、マドリッド地方裁判所のマヌエル・ガルシア・カステジョン判事は、イグナシオ・ゴンサレス元同州知事の公務員復職に問題はないとの判断を下した。
ゴンサレス氏は、収賄疑惑などで昨年201日間収監されていたが、政治活動のため1996年より休職していた市役所で公務員職への復帰を申請していた。
同市役所は、同氏の収監歴などが、問題となるかどうかを裁判所に照会していた。
この結果により、同市役所はゴンサレス氏のカテゴリーなどに応じた職に任命する事となる。
尚、同氏が中心人物の一人とみなされているレソ事件は現在も国家裁判所が捜査中である。


2018年9月18日(火)

バルサ会長、カタルーニャ問題におけるクラブの姿勢を説明

サッカースペイン・リーグの名門、FCバルセロナのジョセップ・マリア・バルトメウ会長はラジオ番組に出演し、カタルーニャの独立問題について語った。
同会長は、バルサはカタルーニャのクラブであり、伝統的にカタルーニャの独立、自分で決断する権利のために投票を行う事を擁護してきた、と述べた。
しかしながら、バルサは世界中に会員を持つクラブであり、どの政党にも所属せず政治的思想に偏向することもないと述べた。
さらに、同クラブは表現の自由を最も尊重しており、本拠地カンプ・ノウは開かれた場であるとし、法律を冒すことがない限りは、あらゆる主張を受け入れる事ができる場所であると述べた。
またクラブとしては、これまで紛争の解決には常に対話を行うよう要求してきた事を付け加えた。

22県で悪天候による警報・注意報

気象局は本日も引き続き、悪天候による警報・注意報を11自治州の22県に発令している。
それによると、バレンシア州ではカステジョンとバレンシアに大雨警報が出ており、沿岸地域では40立方メートルの降雨が予測されている。
またカタルーニャではタラゴナで同様の警報が出ているほか、バルセロナ、ジローナとレリダにも注意報が出されており、20立方メートル程度の降雨となる模様。
さらにムルシア、パイス・バスコ、リオハ、バレアレス、ナバラとアラゴンの各州、アンダルシアのアルメリアとグラナダ、ラ・マンチャのアルバセテとクエンカ、カスティージャ・イ・レオンのブルゴスとソリアにもそれぞれ大雨注意報が出ており、予想降雨量は15〜20立方メートル。

汚職事件で収監の元州知事、市役所への職場復帰申請

マドリッド州をとりまく汚職疑獄レソ事件の中心人物として収賄容疑で201日間収監されていたイグナシオ・ゴンサレス元州知事が、マドリッド市役所の公務員職への復帰を申請していた事がわかった。
ラジオ局カデナ・セールの報道によると、申請は7月に行われ、市の人事担当課は、同氏にその資格があるかを裁判所に照会中であるという。
問題がないと判断されれば、ゴンサレス氏が有する公務員資格のカテゴリーに応じた職に任命される。
元州知事は水道局長時代、公共入札において巨額の手数料を不正に受け取ったとされ、昨年11月まで収監されていた。


2018年9月17日(月)

首相、博士号論文の不正疑惑を改めて否定

就任から100日を迎えたペドロ・サンチェス首相は昨日、民放テレビ局の報道番組に出演した。
1時間程インタビューを受けた首相は、野党シウダダノスのアルベール・リベラ代表が訴えた首相の博士論文の疑惑についてその一切を否定した。
首相は、この論文は自らが執筆したもので、無断で引用した部分もなく、論文を提出した大学における特別扱いも受けていないと断言した。
またリベラ氏や民衆党(PP)のパブロ・カサード党首に対し、自分の政策への批判や意見はいつでも受け入れるが、個人的な学術論文に対する根拠のない攻撃はすべきでないと批判した。
そして、盗作疑惑を報道した保守系のABC紙やエル・ムンド紙に対して撤回を要求した。
ただし一部で報道されているように、これらのメディアに対して法的措置に訴える予定はないとしている。
この件は、議会での質疑の際、リベラ氏が急遽内容を変更し論文に対する疑惑について問うたもので、この時点では大学の図書館での閲覧のみが許可されていたこの論文を政府はウェブページで公開、不正引用のチェックも問題なくパスしたとして、この問題は解決済みであると発表した。
しかしながら、リベラ氏は不明瞭な点がまだあるとして首相に議会で説明するよう求めている。
尚、リベラ氏もプロフィールに学歴詐称の疑惑があがっているが、所属する党の広報官は、大きな問題ではないとコメントしている。

サン・クガット・デル・バジェス、広場の名前を10月1日広場に改称

バルセロナ県のサン・クガット・デ・バジェス市は、先週土曜日から市内にあるレイ(国王)広場の名称を10月1日広場に変更した。
改称の式典にはキム・トーラ州知事も出席し、昨年10月1日に行われた違憲州民投票を誇りに思うとコメントした。
また、収監中の前州議会議員らについて、法の裁きを受け入れることは共和国推進のプロセス自体を否定する事であるとし、無罪以外は容認しない事を改めて訴えた。
広場には市長をはじめとした関係者や改称を祝う人が集まったが、一方でスペイン国旗を手にした反対派も抗議集会を行ったため、両者の間で怒号が飛び交い、州警察が介入する騒ぎとなった。

マドリッド地下鉄、車内で携帯発火、けが人の情報も

マドリッド市の地下鉄9番線で今朝、利用客の携帯電話(ノートPCとの報道もあり)が発火する事件が起きた。
この事件は午前9時15分ごろ、同線のプリンシペ・デ・ベルガラ駅付近を通過中に起き、鞄に入れられた携帯が突然発火し、煙が立ちこめたという。
これにより、持ち主の女性やその付近にいた乗客数人が軽い怪我を負った模様。
また、爆発音によりテロと勘違いした乗客らは一時パニックとなり、駆け付けた救急隊員の手当を受ける人もいた。
同線はサインス・デ・バランダ ー アベニーダ・デ・アメリカ駅間で一時運行を見合わせたが、午前10時ごろには平常に戻った。


2018年9月14日(金)

フランコの遺体、バジェ・デ・ロス・カイードスから移動決定

マドリッドから約55キロ離れたところにあるエル・バジェ・デ・ロス・カイードスは、スペイン内戦時代の戦没者の霊を祭るための国のモニュメントとなっているが、その中にフランコ総督の霊廟が置かれている。
国のモニュメントに、多くの犠牲者を出したかつての独裁者が埋葬されている事について異議を持つ人は多く、昨日の国会で、その遺体の移送についてのエクスプレス決議が行われた。
結果は賛成172票、棄権164票、反対2票で可決された。
賛成票を投じたのはPSOE,Podemos,ERC,PDeCAT,PNV,CC,Compromis,Bildu等所属の議員で、棄権票を投じたのがPPとCiudadanos。
2票の反対票については、PP所属の議員が間違って投票したとのこと。
PP,そしてCiudadanosは、フランコの遺体がエル・バジェ・デ・ロス・カイードスにあること自体、適正なことだとは言えないかもしれないが、その移送をエクスプレス決議を行なってまで決める必要性は無く、それよりも重要な議題が山積みになっていると主張。
同決議は、PSOEのペドロ・サンチェス首相が、その無能な政治の粗隠しに利用しているだけであると強く批判している。
今回の移送可決により、ミイラ処理されているフランコの遺体をどこへ移すのかなど、今後、フランコの親族との話し合いにより進められる事となる。


2018年9月13日(木)

2019年の祝日情報

スペインにおける来年の祝日についての公式発表は10月に行われる予定となっているが、現時点ですでに確定しているものがある。
スペインでは1年に14日の祝日があり、基本的にその内の12日が全国共通の祝日で、残り2日が各地方行政が決めるローカル祝日となっている。
12日ある全国共通の祝日の中で、2019年分としてすでに確定しているのは1月1日(火曜)、4月19日(金曜)、5月1日(水曜)、8月15日(木曜)、10月12日(土曜)、11月1日(金曜)、12月6日(金曜)、12月8日(日曜にあたるため地方によっては他の日に振り替えとなる)、12月25日(水曜)の計9日で、残り3日分と、地方別祝日としての2日分は今後の決定となる。
これらすでに確定している全国共通の祝日から、来年は11月1日、2日、3日、4月18日(多くの州で祝日)、19日、20日、21日、そして12月6日、7日、8日、9日(多くの州で振り替え休日) が連休となる。

7月の不動産売買、16.2%の増加

国家統計局本日発表によると、スペインにおける7月の不動産売買件数は45900件で、昨年同時期比較16.2%のプラスとなり、前月の僅か1.8%プラスに比べ飛躍的に増加した。
この契約数は2007年7月の63731件、2008年6月の46533件に次いで、過去約10年間における3番目の記録となった。
長く続いた経済危機のあと、マドリッド、カタルーニャ、そして一部の島々などだけで見られた復旧に続き、その動きがスペイン全国規模に広がりつつあり、7月の統計では、前年度と比べて最も増加したのがアラゴン(32%増加)で、これにガリシア(28.6%)、カスティージャ・ラ・マンチャ(27.1%)、バレアレス(21%)が続いた。


2018年9月12日(水)

サンティアゴの大聖堂、栄光の門見学を有料化

サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂の修復工事が続く中、建物の正面を覆っていた工事用足組やネットなどが取り外され、正門から入ったところにあるロマネスク様式による「栄光の門」の再公開が、去る7月27日から開始されている。
修復された「栄光の門」は、再公開以降、すでに65000人の入場者を数えており、これを見るためには大聖堂にある幾つかの出入り口の内、正門から入る事となり、長蛇の列に並ばなければならない。
このまま9月18日まで現状の入場システムが維持されるが、その翌日より「栄光の門」へのアクセスは再び閉ざされることとなる。
今後も続けられる聖堂内の修復工事によって損傷を受けることを防ぐため、木製の壁のようなものを設置し、大聖堂のその他のスペースと分離される予定となっており、この作業が完了するのが11月ごろの予定とのこと。
そしてその後は、所要時間45分程度のガイド付き見学のシステムが導入され、それに伴って有料化される模様。
入場料は現時点ではまだ発表されていないが、入場券は予め、大聖堂のHPよりオン・ライン購入出来るようになるとのこと。


2018年9月11日(火)

カタルーニャ州政府、首相に政治的解決を要求

カタルーニャの日である本日、州内各地で記念行事が行われている。
州政府のエルサ・アルタディ広報官は、カタルーニャ軍総司令官であったラファエル・カサノバの像に献花を行った。
メディアのインタビューに応じたアルタディ氏は、中央政府に対し収監中の前州議員らの即時釈放を求めた。
また、カタルーニャの独立は政治的目標であるとし、政府にも政治的解決の実現を訴えた。
さらに本日午後に予定されているデモ行進は、大規模で平和的かつ公共心に富んだものになるであろうと述べ、少なくとも200万人が自主的決定権を訴えるために参加するであろうと付け加えた。
一方、シンボルである黄色いリボンを掲げる独立推進派とそれを撤去する反対派との諍いについては、どちらも表現の自由である、カタルーニャの公道はニュートラルではなく多元性を有するとコメントした。

保健相、修士課程取得に関する疑惑を否定

カルメン・モントン保健大臣は、先日浮上した修士課程取得に関する疑惑について改めて釈明した。
ラジオの報道番組に出演した同大臣は、言い訳をしに来たのではない、正式な修士号取得を証明するための書類はすべて揃っている、文書を作成したパソコンも保持しており、公式文書もある、と訴えた。
さらに、特別扱いを申請した事はなく、もし書類提出後に誰かがその内容を書き換えたのだとしたら、それは自分の責任ではないと主張した。
同大臣の修士号は、フアン・カルロス・1世大学で取得したものであるが、同大学ではこれまでも修士号に関する不正疑惑が浮上しており、辞任したクリスティーナ・シフエンテス前マドリッド州知事やパブロ・カサード民衆党党首なども不正取得の疑いが持たれている。

サエンス・デ・サンタマリア前副首相、政界引退

マリアノ・ラホイ政権で副首相などを務めたソラジャ・サエンス・デ・サンタマリア氏が、政界引退を発表した。
ラホイ前首相の右腕として重要な役割を果たしてきた同氏は、一時期スペインで最も権力を持つ女性と謳われ、党首選挙でも有力候補とされていた。
一方で、民衆党をめぐる一連の汚職事件で疲弊したラホイ政権の中心的人物であった事から、党のイメージを一新するのは困難とみなされ、事実、若手のカサード氏に敗れる結果となった。
引退の報告を受けたカサード党首は、前副首相のこれまでの功績を称え、引退しても、我々は彼女に対する援助を惜しむ事はないであろう、と自身のツイッターでコメントした。


2018年9月10日(月)

独立推進派、児童向け書籍発行

カタルーニャ公民権協会は、物語を通じて子供たちにカタルーニャ独立教育を行うための書籍を出版した。
「自由になるための物語」と題されたこの書籍には、挿絵入りの11の短編が含まれており、著者は前オムニウム代表のジョルディ・クイシャール氏、シンガー・ソング・ライターで前州議会議員のルイス・ジャック氏、レストラン経営者のアダ・パレジャダ氏ら。
クイシャール氏は、集会やグループに参加する権利について語り、ジャック氏は公的な事象に参加する権利について話す。
一方のパレジャダ氏は自由の権利を、さらにジャーナリストのエンパル・モリネル氏は、結婚や家庭を築くことに触れている。
ジャック氏の作品では、人間が理性や文化を持つようになり、いかにして野蛮な生き物から社会性や人権、公民権といったものを得るようになったかを皮肉交じりに語る。
「民主主義がなかった頃には、国王を批判する詩を謳った吟遊詩人らは火あぶりにされた。
現代の偽りの民主主義の王たちは、道化師、ラッパー、市長、議員や物語の語り部たちを刑務所に閉じ込めようとする。」
そしてジャック氏は子供たちに向けて、「この物語には続きがある、そしてそれは君たちが作り出していくのだ」と呼び掛けている。
一方、料理人のパレジャダ氏は、南国産の黄色い果物「スターフルーツ」を主人公にして、自由の権利について語る。
「それまで楽しく暮らしていたスターフルーツたちは、黄色い糞が頭に落ちてきた事に立腹した皇帝が、あらゆる黄色い物を禁止する国に来てしまいました。
そこでは黄色い物は壊され、廃棄され、牢屋に閉じ込められてしまうのです。
そしてスターフルーツたちも冷蔵庫に閉じ込められ、ジュース工場に送られる事になりました。
でも工場の人たちは彼らを助ける事にし、おいしい缶詰にして外国に送りました。
そこでは、世界で最もおいしい黄色いフルーツとして重宝されました」
尚、この書籍の収益は、収監中及び海外逃亡中の独立推進派の家族の援助に充てられるという。

悪天候、各地で被害

先週末イベリア半島に到達した局地的低気圧の影響により、各地で浸水などの被害が起きた。
最も大きな被害を受けたのはトレドのセボージャで、川が氾濫し家屋などの浸水が起きた。
またグラナダ県では、大雨によりモトリルの海岸沿いの建物が浸水した。
一方、リオハでは崖崩れにより国道の一部が通行止めになっており、通行可能な道路でも十分に注意するよう呼び掛けている。
さらにクエンカでも国道の通行止めが起きたほか、ひまわり畑が大きな被害を受けている。
さらにマジョルカ島の空港では、安全確保のためフライトの調整が行われたため、一部で遅延が起きた。

マドリッド市長、来年の選挙に出馬表明

マドリッドのマヌエラ・カルメナ市長は、来年5月に行われる同市長選に出馬し、続投を目指すと発表した。
本日記者会見を行った市長は、再出馬について迷っていた事を認めたが、現在の任期にやり始めたプロジェクトは全て終わらせるべきである、と周囲に説得されたという。
市長は、まだ選挙キャンペーン期間ではないので、詳細のコメントは避けるとしたうえで、選挙運動のために支援グループを発足させる事を提案するが、自分は無所属で出馬し、グループの人選にも関与しないとしている。
さらに市政の運営にはイデオロギー云々ではなく、仕事をする人が必要であるとし、どの政党に所属していても参加する資格はあると述べた。


2018年9月7日(金)

バルセロナのホテル、今夏の収益14%減

バルセロナホテル協会によると、今年7〜8月の収益平均は前年同期比14%減少した。
同協会によると、宿泊率は前年の数値とさほど変わらないが、高級ホテルを中心に集客のために値下げした事により収益が下がったという。
そのため特に高級ホテルの減益が目立っており、7〜8月は前年同期比18.5%、今年1〜8月の平均も同9.6%下がっている。
同協会のジョルディ・クロス会長は、これら高級ホテルの利用客が減少した理由について、政情不安によりメディアがカタルーニャは危険であると報道したこと、安いホテルや民泊の台頭で、街が騒がしくなり、道を汚染したり、半裸で歩き回るなど非道徳的な行為が頻発し、これらの利用客がバルセロナを敬遠したことなどを挙げた。
さらにこれらの行為をうけて観光客をボイコットする地元民が増え、自治体もこれを支持しているためとしている。
クロス会長は、バルセロナの評判が著しく下がり、現に世界で最も魅力的な観光地ランキングで、8位から15位に後退したと嘆いている。
そして自治体は観光税の100%をバルセロナの再活性に充てるべきであると主張した。

カタルーニャ派遣の機動隊、住環境のひどさを告発

国家警察の労働組合は、公式ツイッター上で、カタルーニャに派遣された機動隊員の住環境の劣悪ぶりを告発した。
それによると、特にひどいのはそのスペースで、狭い官舎の部屋に20台以上の2段ベッドが所せましと設置され、なかには廊下に置かれているものもあるという。
バス・トイレの数も非常に少なく、大人数で共有しなければならないという。
カタルーニャでは今月11日のディアダ以降、独立問題に関連したあらゆる事態を想定し、内務省が警官の増員を始めているが、同労組は大切な住環境がこのような状態では士気も上がらないと批判している。

気象局、低気圧による大荒れに注意呼びかけ

気象局は土曜日以降、ハイレベルの局地的低気圧の到来により、各地で大雨や強風の予報を出している。
特にイベリア半島東部及び南東部とアルボラン海付近では暴風雨となる見込みで、十分注意するよう呼び掛けている。
この低気圧は大西洋側から侵入し、地中海の熱く湿った気流と交わって不安定な天候が発生する。
特にカタルーニャ、バレアレス、バレンシア、アラゴン南部とその周辺では警戒が必要という。
さらにセントラル山系付近、ラ・マンチャ東部とムルシアでも規模はさほどではないが、大雨に見舞われる模様。
この悪天候は少なくとも週末いっぱい続く見込み。


2018年9月6日(木)

カタルーニャ州知事、無罪放免以外の判決受け入れず

ベルギー逃亡中のカルレス・プーチデモン前カタルーニャ州知事との会合のため現地を訪問中のキム・トーラ州知事は、カタルーニャで予防拘束中の前州議員らについて改めて言及した。
その中でトーラ氏は、裁判の判決は、無罪放免以外はいかなるものも理解しないし受け入れないと述べた。
ただし、カタルーニャ・ラジオのインタビューで言及した、独立問題による「政治犯」専用の刑務所建設については触れなかった。
また、今月11日のディアダにおいて、「政治犯」の解放を訴える集会に、より多くの人が参加するよう、州民に呼び掛けた。
さらにトーラ氏は、「亡命中」の前州知事との前回の会談はベルリンであった事を挙げ、今回はブリュッセルで会合ができたことは、欧州内を自由に行き来できるということで、非常にポジティブな点であると評価した。
そしてプーチデモン氏と同様、州民のために最後まで戦う覚悟であると断言した。
一方、共同会見を行ったプーチデモン氏も、カタルーニャは「政治犯」と「政治亡命者」を抱える特異な状況にあると述べ、集会への参加を呼び掛けた。

ミネラル・ウォーター大手、黄色いキャップと独立支持の関係を否定

大手ミネラル・ウォーター製造企業フォン・ベジャ社は、最近発売された製品のデザインについてSNS上で釈明した。
新しいデザインではボトルのキャップにカラーバリエーションがあり、消費者は好みの色を選ぶ事ができる。
この中に黄色があったことから、ツイッター上でこれを指摘し、カタルーニャ独立のシンボルカラーである事から、同社製品の不買運動を訴える声が挙がっている。
これを受けて同社は、カラーバリエーションは様々であり、黄色はその一つに過ぎない、これは販売キャンペーンの一環であり、独立問題とは無関係である、と反論しているが、現在の所不買運動のツイートは削除されていない。
尚、同社の製品はカタルーニャ州ジローナの水を原料としている。

マドリッド州、薬局の営業時間を自由化

マドリッド自治州は今週、薬局法の改正法案を可決した。
この法案は1998年の現行法に代わるもので、これまで細かい制限のあった営業時間について、基本自由化する。
また、高齢者や動けない病人などを対象に薬剤師が家庭を訪問し、薬品を届けるだけでなく、薬の効果の状態をみるなど、補助的な医療行為も許可される。
同州では法改正により、それぞれの地域に即した薬局の展開を目指すとしている


2018年9月4日(火)

下院議長、「トーラ州知事は議会で説明を」

スペイン議会のアナ・パストール下院議長は、カタルーニャのキム・トーラ州知事に、下院議会で政治的姿勢を説明するよう求めた。
今朝報道番組に出演した同議長は、州知事が説明を行うべき場所は議会である事を強調した。
また、話し合いは非常に重要であるとし、他の政党の意見にも耳を貸す必要があると訴えた。
さらに議会では合憲である限りはあらゆる政治的提案を受け入れる余地があり、必要であるとみなされれは、改憲が行われる可能性もあるとした。
一方で不信任動議により政権に就いた社労党のペドロ・サンチェス首相について、非常に脆弱な政府であると批判した。

8月の失業者数、4万7047人

労働・移民・社会保健省の発表によると、先月の失業者数は4万7047人で、これは8月としては2011年以降最も高い数値であった。
これで失業者の総数は318万2062人となった。
これらの数値を自治州別でみると、ムルシア、バレアレス、カタルーニャといった海辺のリゾート地がある地域で失業増加が目立っている。
これは夏のバカンスシーズン終了とともに短期雇用契約が終了したためで、例年この時期に見られる傾向であるが、外国人観光客の減少も影響しているとみられる。
職業別でみると、サービス業と建設業で増加しているが、農業では減少している。

元ブラジル代表ロナウド、バジャドリの経営権獲得

サッカーの元ブラジル代表でレアル・マドリッドやFCバルセロナなどでプレーしたロナウド・ルイス・ナサリオ氏が、スペイン・リーグ1部のレアル・バジャドリの株を51%購入し、筆頭株主となった。
バジャドリ市役所で記者会見を行ったロナウドは、ファンのために競争力があり、率直で革新的かつ社会性のあるクラブを目指すと述べた。
これによりロナウド氏はクラブの経営権を獲得したが、会長職については17年間務めてきたカルロス・スアレス氏が引き続き行うという。


2018年9月3日(月)

93%のスペイン人が夏・冬時間廃止に賛成

先日欧州委員会が各国の市民を対象に行った調査では、84%が、夏・冬時間の変更廃止に賛成していると発表されたが、このうちスペインでは93%が賛成している事がわかった。
その理由の多くは、健康被害や交通事故の増加、さらにはこれまで言われてきたほどには、省エネ効果が実感できない、というものであった。
ペドロ・サンチェス首相は、これは非常に重要な懸案であるとし、専門家による評議会を設置して、EUにスペインの姿勢を示すと述べた。
一方、ジョセップ・ボレル外務大臣はさらに踏み込んで、スペインはこの地に適合した時間帯に戻るべきではないかと意見している。
スペインでは1940年、フランシスコ・フランコ独裁政権時代に、ドイツと同じ時間帯に変更されたが、本来は英国、ポルトガルやカナリアス諸島と同じグリニッジ標準時に属している。
尚、廃止が決まった場合、夏・冬どちらの時間を採用するかも議論の対象となるが、地域によっては午後10時ごろまで明るい夏時間を希望する人が多い模様。

7月の外国人観光客、7.2%減

国家統計局(INE)の調査によると、今年7月にスペインを訪問した外国人観光客は998万人で、前年同月比7.2%減少した。
同局によると、減少の理由は英国、ドイツ、フランスといった最もスペイン旅行者の多い国からの訪問が減ったためで、英国は5.6%、ドイツは6.2%、フランスは11.4%それぞれ下がっている。
同局では、中東などのリゾート地が、最近比較的安定している事を受けて、スペインより割安のこれらの国に戻りつつあるのではないかとみている。
また、一連の独立問題で揺れているカタルーニャを避けるツーリストも多いとみられる。
それでもカタルーニャは7月に最も外国人観光客が多かった自治州のひとつであった。
また1位はバレアレス州で、全体の24.4%を占めた。

マドリッド新グランビアの歩道開通式は11月

マドリッド市役所は、歩道の拡張などの工事が行われているグランビア通りについて、11月24日に開通式を行う予定であると発表した。
市の担当者によると、工事は予定よりやや早いペースで進んでおり、11月15日ごろ終了する予定であるという。
このため、24日に予定されているクリスマスのイルミネーション点灯式に合わせて開通のセレモニーを行うとしている。
グランビア通りは、歩道の拡大以外にも街路樹やベンチ、街灯なども新たに設置される。
尚、歩道については工事が終了した部分から順次通行可能となっている。


2018年8月31日(金)

各国政府、カタルーニャへの旅行に注意喚起

独立問題によるカタルーニャにおける政情不安、社会不安は依然続いており、独立派政党は「平和的な運動」のみを行なうと強調しているが、実際にはそうとは言い切れず、各地で事ある毎に独立派と反独立派との間で暴力を伴った衝突が起きている。
更に最近は、独立派のシンボルとも言える黄色いリボンを街中の公共スペースに設置する事をカタルーニャ行政が許可しているため、これを善しとしない反独立派住民との間に深い亀裂が生じ、緊張が高まりつつある。

そう言った中で、間もなく9月11日、 「カタルーニャの日」を迎えようとしている。
「カタルーニャの日」は、カタルーニャ全体の記念日であるが、特に民族主義、独立主義者によってカタルーニャ民族の独自性、そして独立の必要性を訴える日として、近年、その様相を変えつつある。
また、これに続く10月1日には、昨年の10月1日に行われた、違憲州民投票と一方的な違憲独立宣言から1周年を迎える事となり、これらの記念日に合わせ、独立派勢力による大規模な運動が繰り広げられる事が予測される。

そう言った状況下で、ドイツ、英国、米国、オーストラリア、カナダなどの政府は、カタルーニャへの旅行には充分に注意するよう警告を発しており、特に、9月11日、10月1日にカタルーニャ滞在が重なる場合は、より慎重な行動をとるようにと指導している。

キム・トーラ州知事、独立州民投票開催を要求

カタルーニャのキム・トーラ州知事は、9月4日に予定されている集会で、カタルーニャ独立の賛否を問う州民投票の開催要求と、独立派州民による路上での独立運動の活発化を求める演説を行なう模様。
これにより、その後にやって来る9月11日(カタルーニャの日)、10月1日(違憲州民投票と違憲独立宣言1周年)などの記念日を利用した、大規模な反政府運動を繰り広げるのが狙いと思われる。


2018年8月29日(水)

国家警察、黄色いリボン撤去の女性に暴行を加えた男性を逮捕

先週末、バルセロナ市内のシウタデラ公園で、公園を囲む鉄柵に結びつけられていた黄色いリボンを幾つか取り外した女性に対し暴行を働いた男性が、本日、国家警察により逮捕された。

カタルーニャ各地の公共スペースに見られる夥しい数の黄色いリボンは、近年、違憲独立運動を勧めて来た政治家で収監されているメンバーの釈放を求めて、独立派州民が取り付けたもの。
公共の場に政治的意味合いを持ったシンボルを設置する事に対し、反独立派州民から苦情が殺到しているが、独立派政党によって構成されるカタルーニャ州政府は、これを「表現の自由である」として、放置している。
これに対し、反独立派州民が「リボンを設置するのが自由であるなら、撤去する自由もあるはず」として、独立擁護のシンボルであるこの黄色いリボンを撤去しようとする姿も見られ、そこにそれを阻止しようとする独立派州民との争いが各地で生じている。
また、独立派政党率いるカタルーニャ州政府の元で機能しているカタルーニャ警察も、リボンの設置行為については黙認しているが、リボンの撤去作業を行なう者には身分証明書の提示を求めて、「嫌がらせ」をされたなどのクレームが出されている。

そう言った状況下で先週末、バルセロナ市内の公園を夫と二人の子供と一緒に散歩していた40代女性が、公園の鉄柵に結ばれた多数のリボンの幾つかを取り外したところ、傍を通りかかった男性が彼女に暴行を加えた。
被害者の訴えによると、去る土曜日の12時20分ごろ、彼女とその夫が幾つかのリボンを取り外したところ、車椅子を押しながら通りかかった男性が彼等の行為を批判し、警察に通報すると脅した。
夫が、「リボンを付けるのが自由ならば、撤去するのも自由だろう。 警察を呼ぶなら呼べばいい」と返答。
女性はロシア出身のスペイン国籍保有者で、居合わせた二人の子供達にロシア語で先に家へ帰るように指示したところ、男は彼女に向って 「このクソ外人め、さっさとお前の国へ帰れ!」などと怒鳴りつけた模様。
カタルーニャでは近年、独立運動だけでなく、極端に加熱した民族主義が異民族差別、そして外人ツーリスト追放運動へと広がりつつある一面が見られる。
男の悪態に対し女性が返事をしなかったため、男は「答えろ!」と再び叫び、これに対し女性が「私はロシア人だがスペイン人でもある」と応えた途端、男が彼女に飛びかかり、顔面を殴りつけたため、彼女は転倒。
起き上がった彼女に、すぐにまた男は顔や身体を殴りつけ、再び転んだ彼女に乗りかかって暴行を続けた。
夫は周囲の通行人等の力を借りて、何とか男の身体を妻から離す事に成功。
その後、男は車椅子を押しながら慌てて逃亡を開始したが、被害者がその後を追い、見失わないようにして警察へ通報した。
国家警察は憎悪犯罪として捜査を進めている。


2018年8月28日(火)

首相、判事の擁護は国家的問題

南米諸国を歴訪中のペドロ・サンチェス首相は、チリの首都サンティアゴで同国のセバスティアン・ピネラ大統領と会談後、共同会見を行った。
会見では、記者団からカルレス・プーチデモン氏らがパブロ・ジャレナ判事を民事裁判で告訴した件について、政府の見解に変化があったかとの質問があった。
これに対して首相は、スペインの法制度を擁護するのは個人的なものではなく、国家的問題である、従って当初から判事を擁護する立場を取ってきた、と政府の姿勢の変化を否定した。
この件については、ドローレス・デルガド法務大臣が告訴は個人的問題であると発言、保守系野党を中心に強い批判を受け、政府として判事を支援すると改めて表明した。
これに対しプーチデモン氏は、国費で弁護士費用が賄われる事を批判している。

州警察、黄色いリボン撤去者だけを事情聴取

カタルーニャ州内では、独立推進のシンボルである黄色いリボンを公道などに掲げる推進派とこれを撤去する反対派の市民の間で諍いが多発、傷害事件に発展したケースもある。
このさなか、今月17日と24日の夜、これらのリボンを外そうとした人物に対して自治州警察の警官が身分証の提示を求めるなどした事が発覚し、波紋を呼んでいる。
反対派からは、外そうとした人だけを聴取するのは不公平との批判が挙がっているが、キム・トーラ州知事は、州警察を擁護、逆にこの件を捜査しようとしている検察を批判した。
州知事は、独裁者フランコの墓参りをする人の捜査はせず、州警察官の行為を調べるのはおかしいと批判した。
また、国家警察官が独立推進派の議員に罵声を浴びせたとされる事件や非番の治安警備隊員がリボンを撤去した件について、武装グループがカタルーニャに入り込んで、州民の安全を脅かしていると自身のツイッターでコメントした。

バジェカス・スタジアム、10月半ばまで閉鎖

スペインサッカー協会とマドリッド州は、スペイン・リーグ1部のラジョ・バジェカノと協議の結果、10月中旬まで本拠地のバジェカス・スタジアムを閉鎖することを決定した。
同チームは今期1部に返り咲いたが、スタジアムの損傷が著しく、シーズン開始からクレームが出ていた。
特に第一節のセビージャ戦では、スタジアムの一部が剥がれ落ちたり、子供が穴に落ち込むなどの事故が起きており、速やかな対応を求める声が挙がっていた。
閉鎖が決まったため、工事期間中に行われるホームでの試合は、他のマドリッドのスタジアムで行われるか、または対戦相手の本拠地でホームとしてプレーする事になるという。


2018年8月27日(月)

政府、ジャレナ判事の全面的擁護を表明

スペイン政府のドローレス・デルガド法務大臣は、カルレス・プーチデモン前州知事らによってベルギーで告訴されたパブロ・ジャレナ判事について、全面的に擁護すると表明した。
この訴えはベルギー逃亡中の前州知事及び前州議会議員らが起こしたもので、一連のカタルーニャ独立問題において、公正な審議を怠り被告人の推定無罪の権利を侵害したというもの。
デルガド大臣は、現地の法律事務所と契約を交わしたと述べ、判事の擁護が強固なものであることを強調した。
しかしながら告訴が発表された直後は、個人的な問題であるとの見解を示したため、特に保守系の野党から強い批判の声が上がっていた。

各自治体、電動キックボードの歩道走行禁止を検討

若者やツーリストを中心に利用が急増している電動キックボードやセグウェイについて、各自治体が取り締まりを始めている。
これらの乗り物については、取り締まるための交通法規が存在しなかったため、歩道を走行する利用者が多く、増加に伴い、歩行者や商店主からのクレームも急増している。
取り締まりに最も早く取り組んだのはバルセロナ市で、これらの乗り物について、歩道の走行を禁止し、自転車専用道がある場合はそれを利用するよう促している。
しかしながらこの条令については、利用者だけでなく、自転車の利用者やレンタサイクルショップからも事故に?がるとの批判がでている。
一方で、環境を汚染せず、車の交通量削減にも貢献しているとして、規制強化を疑問視する声も上がっている。
バルセロナ以外の主要都市でも取り締まり条令を準備中、または施行済みであるが、概ねバルセロナの法規と類似している。
尚、グラナダでは世界遺産のアルハンブラ宮殿付近での利用も制限されている。

マドリッド地下鉄1番線、2019年までに全駅で2カ国語表記

マドリッド自治州政府は、地下鉄1番線の全駅にスペイン語に加えて英語での表記を併設すると発表した。
市の中心を通り、外国人ツーリストの利用も多いこの路線で全面的に英語表記が設置されるのは来年初めとなるが、空港と直結している8番線では昨年すでに全駅で2カ国語表記となっている。
同州の交通担当官は、英語表記以外にも、表示する看板の色や大きさ、デザインなどを変更し、利用者によりわかりやすいものにするとコメントしている。


2018年8月23日(木)

バスク警察、テロ警戒レベル維持を要求

バスク行政はスペイン中央政府に対し、同州警察によるテロ警戒レベルを「レベル4」から「レベル3」へ下げる許可申請を繰り返し行なっていたが、先日、月曜日にバルセロナのコルネジャ・デ・ジョブレガッツで起きたイスラム教徒による警察署襲撃事件を受け、バスク警察官組合は現行の警戒レベル「4」の維持を強く要求。
警戒レベルが「3」に下がると、勤務時間外の警察官は銃器の携帯が出来なくなるため、非常時の対応に大きな支障をきたす事となる。
また、「レベル4」と「レベル3」とでは、非常事態への対応速度が所用時間3分から15分へと長くなり、その差が何を意味するかは、ロンドンで起きたテロを見れば理解出来るはずとコメント。

デービスカップのマドリッド開催に向け、1千万ユーロの予算を確約

各国代表選手によって世界一が競われるテニスのデービスカップは、来年2019年度より、スペインサッカー代表選手として、またFCバルサの選手として知られるジェラルド・ピケ氏率いるコスモス社が提案した新システムにより生まれ変わるが、その開催地として、マドリッドが強力な候補地となっている。
これに向け、マドリッド州行政とマドリッド市行政はそれぞれ450万ユーロの予算組を確約した。
これにIFEMA(マドリッド公営催事管理機関)が100万ユーロを用意する事により、コスモス社は計1千万ユーロの予算の取り付けに成功。
マドリッドでは、2019年に続いて2020年もその開催地となれることを期待している。
新システム導入により、デービスカップでは18か国の代表等が1週間で優勝を競うこととなる。
新システム導入後の初のデービスカップは、2019年11月18日〜24日開催の予定。


2018年8月21日(火)

検察官、黄色いリボンの付け外しは犯罪にあたらず

スペイン国家検察のマリア・ホセ・セガラ検事は、カタルーニャ独立のシンボルである黄色いリボンを公共の場で掲げたり、またはそれを撤去したりする行為は、犯罪には当たらないという見解を示した。
同検事によると、いずれも表現の自由の範囲にあり、刑罰の対象にはならないと述べた。
一方で独立を推進するカタルーニャ州政府が、黄色いリボンや旗を撤去する市民に治安法を適用させようとしている事については、検察の管轄外であり、州政府がより適切な判断を下すことを期待するとコメントするにとどまった。
また、キム・トーラ州知事が「スペインを攻撃せよ」と呼び掛けた事については、これはあくまで、一政治家の発言に過ぎない、検察は実際に起こった事について捜査を行う機関であると述べた。
カタルーニャではこれらのシンボルを掲げる推進派と、それを撤去する反対派の諍いが各地で相次いでいる。

政府、モンクロア宮殿を9月から一般公開

首相官邸があり内閣の審議会なども行われるモンクロア宮殿の一部が、9月から一般公開される。
これはオープン・モンクロアというキャンペーンの一環で、入場は登録制で人数制限があり、ガイド付きで行われるという。
政府の広報によると、モンクロア宮は公共のスペースであり、市民に閉ざされてはならない、多くの人に国政が行われる場所がどのようなものかを知ってほしいとコメントしている。
尚、入場予約は、ウェブページで受け付けるが、詳細についてはこれから随時同ページで発表されるという。

英国人女性、スペインのリゾート地にスペイン人が多すぎると訴え

バレンシア州アリカンテの有数のリゾート地ベニドルムは、英国をはじめとした欧州各地の外国人観光客が多い事でも知られている。
この地で今年6月にバケーションを過ごした英国人女性が、スペイン人が多くいた事に立腹し、旅を購入した母国のエージェントに返金を訴えている。
この女性は81歳で、友人と2週間の休暇を同地で過ごしたが、滞在先のホテルには予想外に多くのスペイン人が滞在しており、騒がしくて品がない彼らに非常に不快な思いをさせられ、せっかくの休みを台無しにされたと訴えた。
そしてこの旅行会社に支払ったおよそ1200ユーロの全額返金、もしくは同等の旅行への招待を要求している。
尚、地中海沿岸のリゾート地では、英国人の主に若者が、泥酔して大騒ぎし、迷惑行為や事故などが毎夏後を絶たず、これらの地域では社会問題となっている。


2018年8月20日(月)

カタルーニャ州知事「スペインを攻撃せよ」

カタルーニャのキム・トーラ州知事は、先週金曜日、バルセロナのテロ1周年追悼式典に出席後、同県の刑務所に収監中のジョアキム・フォルム氏を訪問した。
この刑務所では、テロ事件の際に州政府の内務担当官を務めていたフォルム氏を称える式典が開かれ、トーラ州知事もこれに出席した。
演説を行った州知事は、独立推進派は日ごとにその力を増しており、共和国を実現するまで戦い続けると述べ、「不平等な政治を行うスペイン政府を攻撃せよ」と呼びかけた。
一方、オムニウムのマルセロ・マウリ氏は、事件当時のフォルム氏や自治州警察の対応を称賛、そのような人物を収監しているスペイン政府を批判した。
州知事のこの発言について中央政府のカルメン・カルボ副首相は、あるまじき発言であると苦言を呈した。

マドリッド空港警備会社、労使交渉決裂

マドリッドの空の玄関アドルフォ・スアレス・バラハス空港の警備を請け負う企業の社員が所属する労働組合は、先週金曜日に会社側と交渉を行ったが、物別れに終わった。
このため今月24日から来月3日までのストライキは予定通り行われる見通しとなった。
今回のストは勧業省と空港公社の間で取り決められた空港警備員の待遇改善が実施されていたい事に抗議するもので、労組は本来介入すべき公社が無関心であることも批判している。
一方、この労組によると、マドリッドのほかに、サンタンデールとバルセロナの空港警備員もストに参加する可能性があるという。

地下鉄グラン・ビア駅、工事で8カ月閉鎖

マドリッドの目抜き通りグラン・ビアにある同名の地下鉄駅が、工事のため本日から来年4月13日まで閉鎖される。
この工事は同駅のエレベーターや付近を通る近郊線の工事などによるもの。
同駅は1番線と5番線が乗り入れているが、列車は同駅には停車せず通過するため、路線の運行自体には大きな支障はない。
但し1番線に関しては、今週水曜日から来週29日までの間は通過ができないため、北はピナール・デ・チャマルティンからトリブナル駅まで、南はソルからバル・デ・カロス間の運行となる。


2018年8月16日(木)

カタルーニャ州知事、明日の追悼式典に出席表明

カタルーニャ州のキム・トーラ州知事は、明日行われるバルセロナのテロ1周年を受けて行われる犠牲者追悼式典に 参加すると発表した。
それによると、午前中州議会議員らと会合を行った後、ランブラス通りのミロのモザイク前で献花を行い、その後バルセロナ市が主催する追悼式に出席する。
当初は国王夫妻の列席を拒否し、式典出席の代わりに、収監中の前州議会議員らを訪問するとしていたが、これは午後に延期された。
明日の式典には国王夫妻の他、ペドロ・サンチェス首相以下、シウダダノス党のアルベール・リベラ党首、PPのパブロ・カサード党首らが出席する予定。

7州で悪天候による注意報

気象局は本日、7自治州の15県に、大雨、強風、雹などによる注意報を発令している。
アンダルシアではアルメリア、グラナダとハエンに大雨注意報が出ている。
また、ラ・マンチャではアルバセテ、クエンカ、グアダラハラ、カスティージャ・イ・レオンではソリア、カタルーニャではレリダにそれぞれ注意報が発令されている。
さらにムルシア、バレンシアとアラゴンでは全ての県に注意報が出ている。

UEFAスーパーカップ、アトレティコが優勝

チャンピオンズ・リーグとヨーロッパ・リーグの勝者が対戦するUEFAスーパーカップの決勝が昨日、エストニアで行われた。
今回の決勝はレアル・マドリッド対アトレティコ・デ・マドリッドというマドリッド・ダービーであったが、アトレティコが2対4で試合を制した。
試合ではブラジルとスペインの2重国籍を持つディエゴ・コスタが2点を挙げるなど優勝に大きく貢献した。
一方のレアルは、国際大会の決勝における連続優勝記録が13でストップした。
また、今年のワールド・カップ開始前にレアル監督就任を発表し、W杯開始直前に代表監督を解雇されて話題となったジューレン・ロペテギ監督は、就任後初の公式戦を白星で飾ることは出来なかった。
今回は両クラブ間で、優勝後に祝勝を行わないという取り決めがなされていたが、試合終了後多くのアトレティコ・ファンがネプチューンの噴水に集まって、優勝を祝った。


2018年8月14日(火)

バラハス空港、警備員スト

マドリッドのバラハス空港の警備を担当する会社の社員らが所属する労働組合は、今月24日からストライキを行う予定であると発表した。
これは、勧業省と空港公社が昨年空港勤務の警備員の労働条件改善の合意に達したにも関わらず、この決定が順守されていない事に抗議するもので、来月3日まで毎日午前5時から午後2時まで行われる予定。
尚、これらの警備員は、金属探知システムを含む、搭乗前のセキュリティ・チェックも担当している。
現在のところストはマドリッドでのみ予定されているが、それ以外の空港にも拡大する可能性があるという。

フォルム氏も記念式典での表彰を辞退

カタルーニャの独立に関する一連の事件により収監中のジョアキン・フォルム前州議会議員は、今週金曜日に行われるバルセロナのテロ事件1周年記念式典において、表彰を受ける事を辞退した。
ラジオ番組のインタビューに応じた同氏の夫人は、この式典は被害者とその家族や救助などに携わった人々、そしてテロを糾弾した市民のためのものであり、表彰を受ける場ではないとのメッセージを伝えた。
この式典での表彰については、やはり独立問題で捜査を受けている前州警察長官のジョセップ・ルイス・トラペロ氏も同様の理由で表彰を辞退している。
この式典での表彰は、独立推進団体などが要求していたもので、州議会野党からは式典の政治化であると強い批判が出ている。

DGT、お祭りシーズンで飲酒運転取り締まり強化

総合交通局(DGT)では、昨日から明日15日の祝日まで、飲酒運転取り締まり強化キャンペーンを行う。
聖母被昇天の祝日である15日には、多くの自治体で祭りが行われ、飲酒や薬物摂取後の運転が増加する。
特に交通の便が悪い地方の村などでは、飲酒運転が極端に増加する傾向にあるため、これらの村を結ぶ一般道を中心に取り締まりを行うという。


2018年8月13日(月)

バルセロナで配車サービス中の車襲撃の男逮捕

カタルーニャ州警察は、先月サービス中の運転手付きレンタカーを襲撃した容疑で39歳の男を逮捕したと発表した。
この事件は先月25日、バルセロナのアラゴン通りで起きたもので、抗議集会を行って道路を封鎖していたタクシー運転手らによって襲撃された。
レンタカーのドライバーが、子供が乗車していることを訴えて車から降りると、襲撃者の一人がスプレー塗料を吹き付け、その缶をドライバーに投げつけるなどした。
このレンタカーを所有する会社の訴えによると、この襲撃による修理費は7000ユーロにのぼるという。
同警察によると、捜査は継続しており、それ以外の容疑者も特定されているため、さらに逮捕者が出る模様。

11県で悪天候による注意報

気象局は本日、7自治州の11県に大雨や高気温による注意報を発令している。。
それによると、アンダルシアではマラガで高温注意報が出ており、最高気温は38度に達する見込み。
カナリアスではテネリフェ島に大雨注意報がでており、北部では15立方メートルの降雨量に達するという。
ラ・マンチャではアルバセテで36度に達する模様で、注意報が出されている。
カタルーニャでは、バルセロナ、ジローナとタラゴナで大雨と暴風雨の注意報がでており、こちらは20立方メートル程度となる見込み。
一方バレンシア州ではアリカンテとバレンシアで高温注意報が、カステジョンでは大雨注意報がそれぞれ発令されている。
またバレアレスのマジョルカでも大雨注意報がでているほか、ムルシアでは高温注意報が出ており、最高気温は38度に達するとみられ、日中の外出には注意するよう呼び掛けている。

アトレティコ本拠地、クルトワのプレートに落書き

先日スペイン・サッカーリーグの名門レアル・マドリッドに入団したベルギー出身のティボ・クルトワ選手だが、アトレティコ・デ・マドリッドのファンはこれに大きな不満を抱いている模様。
英国のチェルシーに在籍していた同選手は、一時期アトレティコにレンタルされ、同チームのリーグ優勝にも貢献している。
このため、アトレティコの新本拠地ワンダ・メトロポリタノサッカー場には、他の選手とともに同選手を称える記念プレートが埋め込まれている。
先日このスタジアムで行われた親善試合では、このプレート付近に警備員を配置して警戒していたが、それでもスプレー塗料で同選手を罵倒する落書きが見つかった。
クルトワ選手は入団会見で、レアルのファンであり、ここでプレーするのが夢であったなどとコメントしている。
尚、今週水曜日に行われるヨーロッパ・スーパーカップでは、この2チームが対戦するが、クルトワがスタメン出場する可能性は低いとみられる。


2018年8月10日(金)

ガリシア州知事、「カサード事件」に言及

ガリシア州のアルベルト・ヌニェス・フェイホー知事は、所属する民衆党(PP)のパブロ・カサード党首の修士号などの不正取得疑惑について言及した。
マリア・ヘスス・モンテロ税務大臣との会談後に記者会見を行った州知事は、「カサード事件」についてメディアから質問を受けた。
知事は、カサード党首とは党首選前後に話し合っており、その際カサード氏はこの件については非常に落ち着いた気持ちでいると語ったという。
そのため、「本人が平静であるなら、私も同じである」と述べた。
但し他の党幹部のように、他の党を攻撃するようなコメントはしなかった。
その一方で、メディアに対してどの政治家についても平等な報道を行うよう求めた。
フェイホー知事は、PP統治の自治州で唯一絶対過半数を維持しており、党首選の最有力候補とされていたが、結局出馬しなかった。
このため、新党首の疑惑を利用して改めて党首の座を狙うのではとの声も一部から出ている。

一部屋の賃料が最も高いのはバルセロナ

住宅情報ポータルサイトのイデアリスタの調査によると、他の人と共同スペースをシェアするタイプの住居で、一部屋当たりの賃料が最も高いのはバルセロナで、平均429ユーロだった。
これに続くのがマドリッドの403ユーロ、マジョルカ島のパルマ(402ユーロ)とサン・セバスチャン(390ユーロ)だった。
逆に最も安いのはサモラで150ユーロ、2位はルーゴの156ユーロ、3位はカセレスで160ユーロだった。
一方、最も値段が上昇したのはトレド、マラガ、ムルシアとバレンシアだった。
賃料が下がったのは2都市だけで、レリダとログローニョで、1%と0.9%それぞれ下がっている。
全国平均は331ユーロで、昨年より7%上昇している。
また、店子の平均年齢は31歳で、昨年よりわずかに上昇している。

ライアン・エアーのスト、スペインでは82便が欠航

アイルランドの格安航空ライアン・エアーのパイロットは、本日24時間のストライキを行っている。
ストに参加しているのはドイツ、ベルギー、スウェーデン、アイルランドとオランダのパイロットであるが、 スペイン発着の82便にも影響が出ている。
キャンセルが出ているのはテネリフェ・スール、グラン・カナリア、マドリッド、バルセロナ、ジローナ、アリカンテ、マラガ、セビージャ、パルマ、イビサ、アルメリア、へレス、サンタンデール、ビトリアとサラゴサの各空港で、このうち最も影響を受けているのはアリカンテで14便が欠航となっている。


2018年8月9日(木)

企業研究所、新設部門の責任者に首相夫人起用

企業研究所(IE)は、今秋から新設されるアフリカ・センター所長に、ペドロ・サンチェス首相夫人であるベゴーニャ・ゴメス氏を起用すると発表した。
同研究所はIE財団に属し、公的援助を受けている機関であり、同センターは、アフリカ大陸の技術革新や企業創設などを援助する。
ゴメス氏はこれまでも、NGO団体の資金集めのプランナーなどの職歴があり、こういった分野には20年以上の経験がある。
しかしながら野党からは、首相のコネによる起用であると強く批判が出ている。

サンティアゴ大聖堂の落書き消去完了

世界遺産であるガリシアのサンティアゴ・デ・コンポステーラ旧市街にある大聖堂で、今週月曜日に落書きが発見された。
落書きが見つかったのは12世紀に製作された大理石の像で、目の周りなど顔がマジックペンで塗られ、胸元にはKissと書かれていた。
これはアメリカの往年のロックバンドKissのメンバーのメイクアップを模したものとみられている。
この事件を受けて、ただちに落書きの消去が始まり、昨日午後に終了した。
作業中に設けられていたフェンスは本日より撤去されるが、像に触れないよう書かれた看板が設置されるという。
この大聖堂には数か所防犯カメラが設置されているが、ちょうどこの付近にはカメラがないため、犯人の特定は非常に困難であるが、見つかった場合は6001〜15万ユーロの罰金が科せられるという。
尚、このロックバンドは、7月に行われた同州の音楽祭に出演していた。

レティーロ公園のクリスタル宮とベラスケス宮、夜11時までオープン

マドリッドのレイナ・ソフィア美術館は、レティーロ公園内にあるクリスタル宮殿とベラスケス宮殿のオープン時間を夏の間夜11時まで延長すると発表した。
クリスタル宮では、スペイン初公開のイランの芸術家の作品を展示中で、来月30日まで時間延長が行われる。
一方のベラスケス宮ではボップアートのパイオニア、ベアトリス・ゴンサレスの作品が展示されており、こちらは来月2日まで。
同美術館によると、夏期に時間延長することにより、日中とはまた違った雰囲気でアートを楽しんでもらう狙いがあるという。


2018年8月8日(水)

カタルーニャ独立主義者等、国王ボイコットの準備

昨年8月17日にバルセロナ、カンブリルスでイスラム系テロが起きてから間もなく1年を 迎えようとしており、来る17日、金曜日にはバルセロナにおいて同テロで無くなった方々への 追悼式が予定されている。
これにフェリペ6世国王、そしてペドロ・サンチェス首相の両名も出席の意を表明しているが これに対し、カタルーニャのキム・トーラ州知事は、「フェリペ6世は招かれざる客であり、 スぺイン王家が主催する全ての行事に参加するつもりは無い。」と、自らの国王ボイコット の意思を表明するだけでなく、「カタルーニャは国王を持たない。」として、カタルーニャ住民 全体による国王ボイコットを勧めている。
これを受け、各独立主義団体は組織的な国王ボイコットの準備を進めており、 その始まりとして国王がバルセロナを訪れる17日の前日からバルセロナの中心部、 グラシア地区での大規模デモが計画されている。
CUPなどの過激派政党他、ANC、Omnium、CDRなどの独立派団体がこぞって ボイコット運動の計画を立てているが、その詳細は未だ公表されてない。
カタルーニャ州政府は、「平和的デモである限り、国王へのボイコットは推奨されることである」と しているが、大勢の独立派住民の参加が予想されるため、16日、17日における バルセロナ市内での行動には注意が必要。

最大速度1200キロのハイパーループ列車、マラガで開発へ

ハイパーループ列車を開発中の米国企業Virgin Hyperloop One社とスペイン鉄道インフラ管理局、スペイン鉄道事業団との間で、浮遊式超高速列車ハイパーループの開発センターを マラガに置く事でサインが交わされた。
ハイパーループは、減圧されたチューブ内を走る磁力を利用した浮遊式列車で 時速1200キロで旅客、そして軽量の貨物を運ぶ事が出来るとのこと。
19000平米の敷地を持つ開発センターは2020年の稼働予定で200名から300名程度の 技術者の雇用が見込まれている。


2018年8月7日(火)

PP党首の修士不正取得疑惑、最高裁へ

先月民衆党(PP)の党首に就任したパブロ・カサード氏だが、選出される前から浮上していた修士号不正取得疑惑を捜査しているカルメン・ロドリゲス判事は、犯罪の可能性が高いと判断し、最高裁に上訴した。
これは、カサード氏が上院議員であるため、特権により最高裁判所以外では裁くことができないためである。
カサード氏は、修士号取得に必要な授業への出席や試験などを受けた形跡がないほか、議員に当選した直後に驚異的な速さで学士号を取得するなど、様々な疑惑がもたれている。
また、同氏と同じ時期に修士号を取得した女性は、先日裁判所に出頭して不正を認め、修士号は「プレゼント」であったと証言している。
一方、渦中のカサード氏は、外遊直前に記者会見を行い、自分は潔白であり、精神的にも非常に落ち着いた状態であると述べ辞任の可能性を否定した。

ライアン・エアー、今度はパイロットのスト

アイルランドのローコスト航空ライアン・エアーのベルギーとスウェーデンのパイロット組合は、今週金曜日にストライキを行うと発表した。
また、ドイツとオランダのパイロットもストを検討しているという。
現在の所、スペインのパイロットはストを予定していないが、ベルギーの労働組合は、世界各国のパイロットに参加を呼び掛けている。
また前述の国々とスペインとの発着便にも影響が出るとみられている。

23県で悪天候などによる警報・注意報

気象局は本日、10自治州の23県に悪天候や高気温による警報及び注意報を発令した。
それによると、アンダルシアのセビージャとコルドバには高温警報が出ており、最高気温は41度に達する見込み。
またカディス、グラナダ、ウエルバとハエンには同注意報がでている。
アラゴンのウエスカ、テルエルとサラゴサには大雨・暴風雨注意報が出ており、気温も37度に達する模様。
カナリアス諸島でも高気温による注意報が発令されており、各島で34度程度まで上がると予測されている。
ラ・マンチャでは高気温と大雨注意報が各県に出ており、37度に達する地域もあるという。
カスティージャ・イ・レオンではアビラにだけ高気温注意報が出ている。
マドリッドでも南部を中心に最高気温は38度に達する。
それ以外にもバレンシア、ムルシア、カタルーニャ、ナバラ、リオハで高気温による注意報がでているため、屋外での活動には十分注意するよう呼び掛けている。


2018年8月6日(月)

カタルーニャ州、バルセロナテロ1周年に国王招待せず

カタルーニャ州のキム・トーラ知事は、今月17日に1周年を迎えるバルセロナとカンブリルスのテロのいかなる記念式典にもフェリペ6世国王を招待していない、と述べた。
同州知事は、我々カタルーニャ人には国王はいない、これらの式典は被害者とその家族、彼らの救助に当たった人々のためのものである、と断言した。
さらに昨年10月に国王が行った演説の内容についての謝罪を待ち続けているが、いまだに何の返事もないと、不満を示した。
一方、州政府の広報担当官も国王を招待していない事を明言したが、メインの式典はバルセロナ市役所との共同開催であるため、同市役所が国王を招待するかどうかは、州の管轄外であると述べている。
尚、ペドロ・サンチェス首相はすでに自身と国王の式典出席を表明している。

内務省、プーチデモン氏の警護要請を却下

スペイン内務省は、国外逃亡中のカルレス・プーチデモン前カタルーニャ州知事の警護をカタルーニャ州警察が要請していたが、これを拒否したと発表した。
拒否の最大の理由の一つは、同氏が現在公職についていない事、さらにスペイン国内では指名手配を受けており、配属された警察官は、警護ではなく同氏の逮捕を行うべき立場にあると説明した。
プーチデモン氏はベルギー逃亡後、ドイツで拘束されるまでは州警察の警官によって警護されていたが、この警官は休暇を利用して同氏に同行していたため、公職法違反で政府より処分を受けた。

地下鉄で移民少女差別の女性、ビデオがネットで話題に

先日マドリッドの地下鉄で起きた移民少女差別事件が、ネット上で大きな話題となった。
この事件は、同地下鉄5番線で起きたもので、駅から母親と共に乗ってきた6歳の少女が、譲られた席に座ろうとした瞬間、その付近にいた女性が、「この娘を座らせるの?外国人に座る権利はない」と怒鳴りつけた。
それを聞いた別の女性が、「この娘に座る権利がないというなら、あなたは人種差別者だ。」となじった。
するとこの女性は、ここはスペイン人の居場所であり、今スペイン人がどれほど大変であるか、と反論した。
そこでさらに別の乗客が、あなたのような人がいるからスペインは大変なのだと叱責、さらに多くの乗客が加勢し、車内は一時騒然となった。
この騒ぎで移民の少女が怯えたため、母親は予定より早く下車した。
この時の様子がビデオに撮影され、SNSにアップされたため、小さな子供に対す女性の尊大な態度がネット上で大きな話題となった。


2018年8月2日(木)

タクシーのスト解除

バルセロナやマドリッドなど大都市を中心にタクシーのストライキが続いていたが、勧業省の提案をタクシー組合が受け入れた事により「一時休戦」となった。
これによりマドリッドのカステジャーナ大通りやバルセロナのグラン・ビアを封鎖していたタクシー車両も撤退した。
勧業省は、争点となっている運転手付きレンタカーの調整を各自治州の管轄とする事を提案した。
ただし、これを受け入れるかどうかは各州の判断に委ねられ、拒否した場合は引き続き中央政府の管轄となる。
タクシー運転手らは、「勝利」に喜びつつも、9月に行われる政府と自治州州知事らの会合をじっくり見守っていくと慎重な姿勢を示し、取り決めに納得がいかなければさらなる闘いも辞さないと訴えた。
尚、スト期間中、バルセロナでは小さい子供を伴った外国人観光客を乗せた運転手付きレンタカーがタクシー運転手らによって襲撃されるなど多数の事件が起きており、現在のところ3人の運転手が逮捕され、レンタカー車両の破壊などが160件の被害が通報されている。

救急車などの回転灯、青に統一

総合交通局は、昨日より道路交通法の改正を実施した。
そのひとつは、救急車や消防車など緊急事態に対応する車両の回転灯をこれまでの黄色から青に変更する事。
これは、これまでパトカーなど警察の車両にのみ許可されていた青に変更する事で、その緊急性と道路の優先順位を明確にする狙いがある。
また黄色灯は、道路工事や清掃など、ゆっくり移動したり停車している車両にも使われているため、ドライバーなどの混同を避けるためでもある。
これらの変更は2年間かけて行われる。
それ以外にもタクシーや運転手付きレンタカーのナンバープレートを青地にする事も改正に含まれているが、タクシー運転手からは、これらのレンタカーと同等扱いされる事に拒否感を訴える声も上がっている。

レイナ・ソフィア、今秋「戦後」や「民主化」をテーマに特別展

マドリッドのレイナ・ソフィア美術館ではこの秋に2つの特別展示を開催する。
ひとつは第2次世界大戦終了直前の1944年から1968年にかけてパリで活躍した外国人アーティストに焦点をあてたもので、ピカソやカンディンスキーなどの作品が展示される。
一方、今年スペインの憲法制定から40年を迎えるのを記念し、独裁政権から民主化への過渡期に活動したアーティストらを取り上げる。
また同美術館ではこれらの展示に関連した映画の上映やセミナー、講演会なども予定している。


2018年7月31日(火)

交渉決裂、引き続きタクシーのスト

バルセロナやマドリッドなどの大都市を中心にタクシーのストライキが続いている。
昨日大手タクシー組合は管轄の勧業省と話し合いの場を持ったが、物別れに終わった。
今回のストは、運転手付きレンタカーへの処遇に抗議して、バルセロナで開始、その後マドリッドをはじめとした大都市を中心に拡大している。
特にこれら2大都市では、空港や駅などで利用ができないだけでなく、バルセロナのグラン・ビアやマドリッドのカステジャーナ大通りといった大動脈がタクシー車両によって封鎖され、旅行者だけでなく一般市民の日常生活にも支障をきたしている。
さらに本日から明日にかけては、バカンスで行楽地などに向かう人とUターンラッシュが重なり、より大きな混乱が予測される。
一方で運転手付きレンタカー会社を運営する大手2社は、タクシーの「脅迫」に屈しないよう 政府に求めている。

熱波到来、最高39度の地域も

気象局は本日、13県に高気温による注意報を発令している。
それによると、アンダルシアのコルドバ、ウエルバ、ハエン、アラゴンのウエスカ、テルエル、サラゴサ、ラ・マンチャのアルバセテとクエンカ、カタルーニャのバルセロナ、ジローナ、レリダとタラゴナ、バレアレスのマジョルカにそれぞれ発令されている。
この熱波は当分続く模様で、同局では日中の行動には十分注意するよう呼び掛けている。

マラガにアントニオ・バンデラス監修の劇場オープン

マラガ出身のハリウッド・スター、アントニオ・バンデラス氏は、同地に自身がプロデュースする劇場をオープンすると発表した。
オープンは来年9月の予定で、工事中の現場を訪れた同氏は、メディアに対しプロジェクトの内容について説明した。
それによると、同劇場は大手銀行がスポンサーとなり「ソーホー・カイシャバンク劇場」と名付けられる。
同劇場では、ブロードウェイのミュージカルをまず字幕付きの英語で上演し、その後スペイン語に訳されたバージョンを上演する予定で、このような試みはスペインでは初めてという。
またそれ以外にも、オペラ、サルスエラ、バレエなども上演、ガルシア・ロルカやロペ・デ・ベガといったスペイン人作家による戯曲の上演も予定しているという。
バンデラス氏は、マラガ発、マラガのための劇場を目指したい、と抱負を語った。


2018年7月30日(月)

スペイン、主要政党党首の平均年齢でEU2位の若さ

先日民衆党(PP)の新党首にパブロ・カサード氏が選出された事により、スペインの主要政党党首の平均年齢は、欧州連合内で、クロアチアに次ぐ2番目の若さとなった。
4大政党の党首の年齢は、与党社労党(PSOE)のペドロ・サンチェス首相が46歳、PPのカサード氏は37歳、ポデモスのパブロ・イグレシアス氏が39歳、シウダダノスのアルベール・リベラ氏が38歳。
マリアノ・ラホイ前首相(63歳)がPP党首であった時期は平均年齢が46.5歳であったが、カサード氏の就任により41.5歳と一気に引き下がった。
1位のクロアチアには、EU全域の主要112党で最年少(27歳)の党首がいる。
尚、EU平均は49.5歳で、最年長はイタリアのシルビオ・ベルルスコーニ元首相(81歳)。

マドリッドのタクシー、予告なしに無期限スト

マドリッドのタクシーは、先週土曜日から急遽無期限ストライキを開始した。
これは、運転手付きレンタカーへの処遇に抗議してストを行っているバルセロナのタクシーと連動したもので、事前の予告なしに開始した。
タクシードライバーが所属する大手組合によると、ミニマムサービスは、障害者や病院に行かなければならない利用者などに限定され、特にバラハス空港や鉄道のアトーチャ駅などに大きな影響がでている。
ストは本日も続いており、抗議集会を行うために空港などの乗り場から勧業省に向かっているタクシーが多数ある模様。

飲酒運転の男性、警官の目前で屈伸運動

ムルシアの市警察によると、昨日市内の大通りで、男性が運転していた車が衝突する事故があった。
駆け付けた警察官は、男性が負傷していない事を確認した後、1回目のアルコール探知検査を行った。
結果は許容値の3倍以上であったため、規定通り2回目の検査を受けるよう命じた。
すろとこの男性は、いきなり警官の目の前で屈伸運動を始めた。
2回目の決定的な検査の数値を下げる試みであったとみられるが、数値に影響が出る事はもちろんなく、罰金と減点が課された。


2018年7月17日(火)

首相、フランコの墓移転は「すみやかに」

本日下院議会で演説を行ったペドロ・サンチェス首相は、フランシスコ・フランコ将軍の遺体の掘り起こしと移動について説明を行った。
それによると、掘り起こし作業は決定的なもので、最終的な調整が終わり次第開始するとし、「すみやかに」行われるとした。
首相は、あまりにも長い間癒されずにいた傷口がある、とフランコ独裁政権の犠牲者や遺族について触れ、民主主義においては、いかなる理由でも独裁者が称えられる事があってはならないと述べた。
また我々の過去は平和裏に静謐さを持って終わりを迎えなければならないと結んだ。
フランコ将軍の遺体は、1975年の死没後、マドリッド郊外の戦没者の谷に埋葬されているが、ここには多くの共和制側で戦った人々の遺体も埋葬されており、これまでも再三その処遇が取り沙汰されてきた。
一方で、ネオナチなどの極右団体にとっては聖地として扱われている。

PP、サンタマリア候補攻撃のビデオを批判も調査はせず

党大会における新党首選出を今週末に控えた民衆党(PP)。
先日何者かによって作製された、有力候補であるソラジャ・サエンス・デ・サンタマリア氏を攻撃するプロモーションビデオが出回り、反響を呼んだ。
これについて党大会運営本部は、強く非難したものの、出所についての調査は行わないと発表した。
このビデオは、サンタマリア氏の支持を公にしている党の重鎮らが登場し、汚職事件や不祥事などに関わった人物らである事を伝えている。
また、バックには独裁政権後半以降のスペインの日常を扱った人気テレビドラマの主題歌が流され、「過去」を象徴している。
このビデオがネットで流された直後、サンタマリア氏は、ライバルのパブロ・カサード陣営に説明を求めるとともに、党大会運営本部にも調査を要求していた。
一方のカサード氏はビデオについて、一切の関与を否定している。

バルセロナで今秋ピカソ・ピカビア展

バルセロナのマフレ財団は、今秋ピカソーピカビアの特別展を開催すると発表した。
この特別展では、キュービズムの父パブロ・ピカソとダダイズムの第一人者であるフランシス・ピカビアに焦点を当て、それぞれの作風の共通点や相違点、ダダイズムがピカソに、キュービズムがピカビアに与えた影響などにも注目する。
今回の展示では絵画、グラフィック・アート、書簡や写真など150点以上が公開される。
この展示は10月11日から開催予定。


2018年7月16日(月)

前防衛相、カサード候補支持表明

新党首の選出が行われる党大会を4日後に控えた民衆党(PP)幹事長で前防衛大臣のマリア・ドローレス・デ・コスペダル氏は本日、パブロ・カサード候補の支持を正式に表明した。
朝の報道番組に出演したコスペダル氏は、カサード氏について「強く、結束して確固たる信念を持った党を目指すためには理想的な選択肢である」と評した。
一方のカサード氏もコスペダル氏を「自分の指導者であり、良き友人である」として関係の良さをアピールした。
党首選は、第一回投票で2位につけたカサード氏と1位のソラジャ・サエンス・デ・サンタマリア前副首相との決戦となったが、3位に終わったコスペダル氏は、サンタマリア氏と犬猿の仲とされ、その動向が注目されていた。

マドリッドで日本の百鬼夜行展

マドリッドの王立サン・フェルナンド・アカデミーでは、明日より日本の百鬼夜行絵巻展を開催する。
この展示は日西外交樹立150年記念イベントの一環で、スペインではまだあまりなじみのない日本の妖怪が初めて紹介される。
今回の展示品は民俗学者湯本豪一氏のコレクションの一部で、江戸時代の絵巻の他、浮世絵、印籠、着物なども展示される。
公開は9月23日まで。

アンダルシア沿岸部で850人の移民救助

海難救助隊は今週末、アンダルシアの沿岸地域に到着した移民850人を保護したと発表した。
その多くはジブラルタル海峡付近で発見されたが、アルボラン沖でも見つかっている。
救助隊によると、最も多く到着したのは土曜日で339人、このうち269人はジブラルタル海峡付近に到着している。
これらの移民の中には、年少者や妊婦も含まれているという。
これらの地域の国家警察や治安警備隊の労働組合は、移民の殺到により、収拾がつかない状態になっていると指摘、政府に状況の改善を訴えている。


2018年7月13日(金)

空港でストの可能性高まる

今月29日より、スペイン全国の空港で、地上ハンドリングスタッフ等によるストが行なわれる可能性が高まりつつある。
来週、再度の交渉が行われる予定であるが、これで大きな進展が見られない場合はストに突入するとのこと。
ストの期間など、詳細はまだ発表されていないが、スペイン全国の空港で計60万人が参加すると見られ、空港におけるチェックイン、搭乗、荷物の積み下ろしなどのサービスに深刻な影響が出る事が予想される。

プーチデモン元カタルーニャ州知事の反逆罪による引き渡しを拒絶

ドイツ、シュレースヴィヒ・ホルシュタインの高等裁判所は、プーチデモン元カタルーニャ州知事の身柄をスペインの法廷へ引き渡すことについて、公金横領罪でのみ裁かれることを条件とした。
  スペイン最高裁は国家反逆罪による同氏の引き渡しを要求しているため、条件付きのドイツからの引き渡しを拒否する構え。
スペイン最高裁は、今回のドイツの対応を受け、EU法廷に対し「EU指名手配」の意義やそのあり方についての説明を要求する模様。


2018年7月10日(火)

首相とカタルーニャ州知事、初めて会談

ペドロ・サンチェス首相とカタルーニャ自治州のキム・トーラ知事は昨日それぞれの就任以来初めての会談をモンクロア宮の首相官邸で、行った。
トーラ州知事は午前11時40分ごろモンクロアに到着、サンチェス首相の出迎えを受けた後、約2時間半にわたって会談を行った。
トーラ氏はいつものように、収監中のカタルーニャの政治家たちの釈放を求めるシンボルである黄色いリボンをスーツの襟元につけて登場した。
会談後に記者会見を行ったトーラ氏は、首相とあらゆる件について話しをした、これは数か月前には不可能な事であった、と会談そのものは評価した。
また、彼らが「政治犯・政治亡命者」と呼んでいる収監中もしくは海外逃亡中の政治家たちの解放や帰国を訴えたと述べた。
さらに、彼らにとっては昨年の時点でカタルーニャは独立宣言を行っており、それを続けるためにはどのようなプロセスも諦めないとコメントした。
しかしながら会談の具体的な内容については語らなかった。
首相と州知事の2回目の会談は9月にカタルーニャで行われる予定。

サッカー代表監督にルイス・エンリケ氏就任

スペインサッカー協会のルイス・ルビアレス会長は昨日、代表監督にルイス・エンリケ・マルティネス氏が就任すると発表した。
ルイス・エンリケ氏は、現役時代レアル・マドリッドやFCバルセロナでプレーし、代表としてワールドカップにも参戦している。
指揮官としてもバルサをリーガなどで優勝に導いたが、現在の代表チームは、ワールド・カップ直前の監督交代劇やイニエスタ、ピケといった主力の引退などもあり、課題は山積している。

マドリッドでソロージャの庭をテーマに特別展

マドリッドのソロージャ美術館では、ホアキン・ソロージャの自宅の庭をテーマにした特別展を開催中。
ソロージャ自身のアトリエ兼邸宅であったこの美術館の庭園は、彼が何度も描いたグラナダのアルハンブラ宮殿やセビージャのアルカサバをイメージして設計され、彼自身の製作のインスピレーションの源でもあった。
今回の展示ではこの庭を描いた絵画の他、ソロージャ一家が居住していた当時の写真、オリジナルの装飾タイルや彫刻なども公開されている。
同展は来年1月20日まで。


2018年7月9日(月)

カサード氏、討論会を正式要請

先週行われた民衆党(PP)党首選挙で、得票率2位で予備選を通過したパブロ・カサード氏は、1位のソラジャ・サエンス・ デ・サンタマリア前副首相との討論会を党大会開催委員会に申請した。
同党ではこれまで前任の党首が後任を指名するなど、単独候補が党大会で承認されるのが恒例で、今回のように複数の候補が競う形式は異例であった。
そのため党内部の保守層からは、首位のサンタマリア氏を単独候補にする事を望む声があがっており、同氏もカサード氏に対し役職と引き換えに辞退を促していた。
しかしながらカサード氏はこれを陰謀であると批判し、最後まで戦うと宣言、討論会の実施を訴えていた。
一方のサンタマリア氏は、メディアの質問に対し、討論には慣れているので問題はないが、同じ党のメンバーとしては、討論よりも話し合って理解する事のほうが重要であるとコメントした。

フェリペ6世、オバマ前大統領とゲルニカ鑑賞

フェリペ6世国王は、先週土曜日にスペイン訪問中のバラク・オバマ前米大統領と共に マドリッドのレイナ・ソフィア美術館を訪問した。
鑑賞はおよそ30分に及び、同美術館で最も有名なピカソの「ゲルニカ」やダリの作品などを鑑賞した。
その後国王は、オバマ氏に「この偉大な作品を前大統領と一緒に鑑賞できた事を光栄に思います」と英語で書き添えたゲルニカに関する書籍を贈呈した。
オバマ氏は、同地で開催された技術イノベーション会議に出席のため極秘で来西、前日金曜日にはペドロ・サンチェス首相とも短い会談の場を持ったが、記者会見などは一切行われず、サンチェス首相のツイッターにアップされた写真が数少ない画像の一つであった。

カタルーニャ美術館でガラの特別展

バルセロナのカタルーニャ美術館では、巨匠サルバドール・ダリの妻、ガラに焦点をあてた特別展を開催中。
ダリの妻として彼に甚大なインスピレーションを与えた事で知られているが、今回は芸術家としての活動や彼女の変遷も紹介、ダリの作品のほか、写真、文書、ガラの洋服、書籍などといった個人的所有品も展示される。
これらの展示品の多くは、ガラ・サルバドール・ダリ財団からの貸与であるが、それ以外にも個人所蔵や世界各国の美術館から貸与されたものも展示される。
同展示は10月14日まで開催。


2018年7月6日(金)

バルセロナのホテル業界売り上げ、7.2%のダウン

400件のホテルと50件のアパートメントホテルが加入するバルセロナのホテル協会によると、2018年1月から6月までの平均稼働率は78.8%で昨年同時期比較3%ダウン、価格は4.3%ダウン、そして売り上げが7.2%ダウンとなった。
特に減少が目立ったのが豪華ホテルで、売り上げは平均10%のダウンとなった。
また、同ホテル協会のクロス会長は、ツーリストによる利用者減よりも、商用による利用者の減少に大きな危機感を感じているとしている。
カタルーニャでは違憲独立運動が続く中、この僅か数か月の間に4000以上の企業がその本部をスペインの他州へ移動しており、それと同時にこれら企業による会合なども他州で開催されるようになったため、バルセロナのホテル利用が激減している。
クロス会長によると商用利用者の数は2016年に36%ダウン、そして2017年には更に30.6%の減少を見せたとのこと。

パンプロナ、サン・フェルミン祭開始

牛追い祭りとして知られる、パンプロナのサン・フェルミン祭が本日始まった。
正午12時、大勢の人で埋め尽くされた市役所前広場で開会式が行われ、これより9日間にわたる祭りがスタートする。

7月25日、26日、ライアンエアー ストライキ

アイルランドのローコスト航空会社、ライアンエアーの客室乗務員等が、スペイン、イタリア、ベルギー、ポルトガルなど、それぞれの国に持つ労働組合が連携する形で今月25日、26日に48時間体制でのストを予定している。
スペインだけでも1800人のスタッフが、そして他の国も含めると約4600人のスタッフがストに参加する事となり、スペインだけでもおよそ23万人の利用者が影響を受ける事となる。


2018年7月5日(木)

スコットランド検察、クララ・ポンサティ氏のスペインへの引き渡しを要請

クララ・ポンサティ元カタルーニャ州政府閣僚は、昨年10月30日にブリュッセルへ逃亡したあと、今年3月10日以降、スコットランドにて逃亡生活を送っているが、同国検察は、昨年10月1日の違憲カタルーニャ州民投票開催においてポンサティ氏が取った行動は、スコットランドに置き換えても国家への背信、或は犯罪行為を伴った陰謀に当たるとして、スペインへの引き渡しを要請した。
これを受け、エディンバラにおける裁判が7月30日より開始される予定で、8月末ごろまで続くと見られる。

キム・トーラ州知事、独立プロセスによる収監者等を優遇

カタルーニャの違憲独立プロセスに関わり、反逆罪などの罪に問われスペイン各地の刑務所に予防収監されていたメンバーがカタルーニャの刑務所に移動したが、カタルーニャのキム・トーラ州知事は、彼等に対する特別優遇措置を命じた。
カタルーニャ内の最新設備を持つ刑務所が選ばれ、個室が無いためにツインルームのシングルユースとしての利用が認められる模様。
キム・トーラ州知事は、6日後にマドリッドでペドロ・サンチェス首相との会見を控えているが、「これら元カタルーニャ州政府メンバー等のカタルーニャ内刑務所への移動は、法が定める義務を遂行しただけであり、政治的に何ら友好的姿勢を見せたものでは無い。彼等全員の即釈放と彼等に対する訴訟の取り下げを要求する」と、サンチェス首相に警告を発している。

オルグージョ・ゲイ 2018、マドリッド市行政と警察との合意無しに開催

毎年、マドリッド中心部で開催されるオルグ―ジョ・ゲイ(LGTBI ワールド・プライド)が、今年も6月28日(国際LGTBIプライドデー)を皮切りに始まったが、その主なプログラムが昨日4日からスタートした。
例年、同フェスティバルには世界中から多数のLGTBI(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス)が集まるが、この開催中のセキュリティー確保について、警察組合とマドリッド市行政との間で合意が得られておらず、市行政はテロ対策を含む安全は確保されているとしているが、警察組合は人材不足を理由にこれを否定しており、充分な治安確保が出来ていないことを警告。
オルグ―ジョ・ゲイは7月8日まで続く予定。


2018年7月3日(火)

6月の消費者景況感、9.3ポイント増

社会学研究所は本日、先月の消費者景況感の結果を発表した。
それによると、6月の数値は前月比9.3ポイント上昇し、107ポイントとなった。
これは昨年8月以降最も高い数値であるという。
同研究所によると、上昇の理由は、現況感、将来に対する期待感共に上昇したためという。
現況感は10.7ポイント、期待感は7.9ポイントそれぞれ上昇している。
期待感の上昇は、経済、雇用と家計に対する期待が高まったためである。
また現況感においてもこれら3つの要素の上昇が見られた。
これにより景況感は4カ月ぶりに100ポイントを超えることとなった。

PP党首候補、若手候補の経験不足を指摘

党首選挙を今週に控えた民衆党(PP)では、6人の候補の選挙運動が過熱している。
最有力候補の一人とされるマリア・ドローレス・デ・コスペダル前防衛大臣は、ラジオ番組に出演し、最も若い候補であるパブロ・カサード氏を批判した。
コスペダル氏は、37歳という若さイコール党の再生に適しているとは言えない。
若さはしばしば経験や知識の不足と同義であり、どのように選挙に勝つか、どのように国を治めるかといった事は、政党の運営に不可欠であるとし、政府で大臣を務めた自分の経験を強調した。
さらに、カサード氏について、元首相でPP名誉党首であるホセ・マリア・アスナル氏と近い人物である事を指摘し、新生PPには不向きであるというニュアンスのコメントをした。
コスペダル氏はその場で、アスナル氏に近いと言うことは良い事でも悪い事でもない、と釈明したが、党重鎮の影響をネガティブに捉えた発言として話題となった。

サグラダ・ファミリアに巨大十字架設置

バルセロナのサグラダ・ファミリア教会では昨日午前、十字架の石像の設置作業が行われた。
この十字架は「栄光のクルス」と呼ばれ、高さ7.5メートル、幅4.25メートルで、重さは18トンに達するという。
作業は午前7時から、周辺道路の一部を閉鎖して行われたが、予定より30分早く終了した。
受難のファサードに設置されたこの十字架は、オリジナルの設計図に基づくもので、1892年にガウディが作成したクロッキーにも描かれている。


2018年7月2日(月)

政府、収監中の前州議員らの移送を承認

政府は先週金曜日、マドリッドで予防収監中のカタルーニャ州議会の前議員ら25人について、カタルーニャの刑務所への移送を承認した。
これは、現在のところマドリッドの刑務所に拘置されている前議員らについて、最高裁判事がこれ以上特定の刑務所に拘束する理由はないと判断した事を受けたもの。
移送の条件は、本人がこれを申請することと、移送希望先との地縁を証明する事としている。
一方政府は収監中のテロリスト集団ETAのメンバーについては、一人ひとりの状況に応じてバスクの刑務所への移送を検討するが、釈放されることはないとしている。

買い物袋、今月から完全有料化

国内のスーパーなどでは、レジ袋の有料化がかなり浸透しているが、今月からは、有料化が義務付けられる。
レジ袋による環境汚染が深刻化するなか、政府は、一定の条件下で分解されるものを除き2021年には全てのナイロン袋の使用禁止を目指している。
これらの袋は重さによって3種類に分けられ、値段は5〜15セントに設定されている。

アンダルシア沿岸で271人の移民を救助

海難救助隊は、先週末アンダルシア沿岸地域で計271人が乗った9隻の移民船を救助したと発表した。
それによると、昨日日曜日は160人を乗せた船を救助、このうち57人はタリファに、103人はアルヘシラスに移送された。
また土曜日には2隻の船で到着した58人がカディス港に移送された。
この日はアルボラン海付近でも53名が救助され、アルメリアに移送された。
これら移民の健康状態は比較的良好という。


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